概要
公正世界仮説をもつ人々は、「世間は努力が報われ、正義は勝ち、悪事には天罰が下るような公正な世界である」ことを前提に物事を考えるようになる。
そうすると、「いつか成功できるのだから努力をしよう」「悪事は天罰が下るから自粛しよう」という、正しい発想で生きていく原動力になる。
一方、公正世界仮説を持つ人々が、犯罪被害者・貧困者などの弱者を見ると、彼らは「公正な世界である」という認知バイアスと「辛い目に遭っている人がいる」の思考の辻褄を合わせようとする。
そのため、「彼らが辛い目に遭っているのも公正な結果なのだから、彼らは辛い目に遭うだけの問題があったのだ」という先入観が生じてしまうことがある。
結果として、弱者が真実に反するいわれのないバッシングに晒される原因ともなってしまう。
特に近時は、公正世界仮説の弱者バッシングに伴う負の側面が強調される傾向にある。