JR東海が余剰となり始めていた大垣車両区の117系電車のうちS9編成をイベント列車用に改造したもの。2013年7月の団体列車運用を以って引退した。
車内設備
4両編成のうち2号車のモハ116-45はドア間の座席をすべて撤去して窓側を向いたベンチを背中合わせに設置したウィンディスペースとなっている。乗降用ドアを常時開放状態とし、転落防止のフェンスを取り付けて乗客が自然の風にあたることが出来るようになっている。
これどっかで見たなぁと思ったら南海電鉄の2200系「天空」の展望デッキと同じ方式だった。ちなみに雨が降った場合防水カーテンを降ろし、乗降用ドアを閉める。近畿日本鉄道の2013系「つどい」も同じ方式のフリースペースがある。
1号車、3号車、4号車は転換クロスシートを向かい合わせに固定して大型テーブルを設置しており飲食などを楽しむことが出来る。
沿革
2010年8月1日から土曜休日を中心に飯田線豊橋-中部天竜間を運行する「そよ風トレイン117」として運行を開始。11月いっぱいまで運行された。
翌2011年2月には団体列車として大垣-弁天島間を運行。同月中旬には再び飯田線に姿を表し、今度は飯田-駒ヶ根間を「駒ヶ根トレイン117」として運行した。
3月に先頭車両がATS-PTを搭載した車両に交換され、全車両の塗装が2号車ウィンディスペースと同じものに統一される。また3月にも駒ヶ根トレイン117が運行されている。
2011年度は春期と11月下旬に水都大垣トレイン117、春期と夏期にそよ風トレイン117、夏期にほたるトレイン117、秋季に宿場町トレイン117で運転される。
2012年1月から3月まで静岡-御殿場間を富士山トレイン117として運行。4月上旬に水都大垣トレインとして運行された。
2012年度からほたる、水都大垣、中山道の各列車の愛称にあった117がなくなる。
2013年に入り、117系の数が減少する中ただ1編成で孤軍奮闘し一般旅客が乗車可能な臨時列車としては6月に運行されたほたるトレインが最後となった。
以降は団体列車として運行され、同年7月20日と21日にJR東海ツアーズ主催の団体列車としてデビューの地飯田線豊橋-天竜峡間を運行し運用を完全に離脱した。
翌8月5日大垣から浜松へ廃車回送されトレイン117として過ごした3年の短い生涯に幕を閉じる。