概要
「TwelveY.O.」で初登場するアメリカ軍が開発した特殊焼夷弾で、テルミット焼夷薬にその燃焼を倍加させる特殊溶液を加えた2液混合型液体爆薬。
その威力は6000度の熱放射の他、爆風と衝撃波で起爆点から半径1.5㎞の空間を破壊しつくすというもので、「放射能抜きの核爆弾」と例えられるほど。
化学兵器「GUSOH」の焼却処理に用いられる他、核兵器を除けば気化したGUSOHに対抗できる唯一の手段であることから「解毒剤」とも称されている。
劇中での活躍
「TwelveY.O.」の終盤で初登場。辺野古基地地下に設けられたGUSOH研究施設「GUSOHの門」の自壊システムとして備えられており、漏出したGUSOHを基地もろとも焼却処分した。このことは表向きは爆発事故「辺野古ディストラクション」として処理されている。
その後続編の「亡国のイージス」でも登場。北朝鮮工作員の手によりGUSOHを持ち込まれた護衛艦「いそかぜ」を撃沈すべく、アメリカ軍から供与を受けて対空ミサイル(兼対艦ミサイル)の弾頭としてF-15Jに搭載されるが、攻撃直前でGUSOHが存在しなかったことが判明し攻撃は中止された(映画版ではF-15JはF-2に変更されており、それに伴い弾頭として搭載されるミサイルも93式空対艦誘導弾に変更されている)。
先述した通り通常兵器でありながら核兵器に匹敵するほどの威力を有する兵器だが、まだまだ解決しなければならない課題が存在したらしく、結局実戦配備は見送られたことが「Op.ローズダスト」で語られている。
派生型
TPex
「Op.ローズダスト」に登場するテルミット・プラスの改良型である3液混合型液体爆薬。TPexとは「テルミット・プラス・エキストラ」の略で、「ティーペックス」と読む。
防衛庁が「亡国のイージス」での事件の際にアメリカ軍から供与されたテルミット・プラスを改良したもので、テルミット焼夷薬に加える特殊溶液を2種類に増やすことでテルミット・プラスの3倍強の威力を実現した。一方で液体の混合から起爆させるまで15分かかり、もしその間に空気に触れた際は無力されてしまうという弱点がある。また特定の電磁波を発するため位置探知が可能で、その為のセンサーも用意されている。
劇中では自衛隊への導入が決定されていたが、核実験を思わせるような内容の起爆実験映像が外部に流出した結果、マスコミに煽られた国民の反発に遭って導入見送りとなってしまった。その後は試料が開発に携わった火薬メーカー「大和化成」に保管されていたが、紆余曲折の末テロリスト集団「ローズダスト」に強奪されてしまう。
「亡国のイージス2035 ウォーシップガンナー」ではすでに米軍によって実戦配備された形で登場。やはり自衛隊への導入は行われていないようで、瀬戸内海の戦闘では1発のみが「いそかぜ」に供与される。
第6護衛隊群がGUSOHによって壊滅状態に陥った際、「いそかぜ」は敵対勢力「千里馬艦隊」に強奪されたブイ・ウェッブ艦「よもつかぜ」を第6護衛隊群に接近させ、双方を爆発圏内に巻き込むことでGUSOHの解毒と「千里馬艦隊」の撃退に成功した。
その後中盤で米第8艦隊がGUSOHによって攻撃されたのを機に、米第8艦隊から「いそかぜ」に大量に供与される。ゲーム上で兵装として使用可能になるのはこのタイミングである。
本作では撃沈した敵艦からアイテムを回収して弾薬を補給することが出来るが、本兵装(とアポトーシスV)は特殊な由来を持つためか弾薬を補給することが出来ない仕様になっている。
兵装としては「鋼鉄の咆哮」シリーズおなじみの特殊弾頭ミサイルの系譜で、青白い爆発を起こし周囲の敵に大ダメージを与える。
また唯一GUSOH搭載ミサイルのロックオンと無力化が可能である。しかし前述のように戦闘中は補給が出来ない仕様のため、限られた弾薬でいかにGUSOHの無力化と敵艦の撃沈を両立するかが終盤のカギとなる。
「ウォーシップガンナー2」では同じ効果を持つ「焼夷弾頭ミサイル」が登場するが、同作にはGUSOH(に相当する兵器)が登場しないため前述の特殊な仕様は削除されている。
気化爆弾
「亡国のイージス2035 ウォーシップガンナー」に登場。厳密にはテルミット・プラスの系譜ではないが劇中での効果が類似しているため併記する。
成り行きで「いそかぜ」が護衛していたMEAU(中東アフリカ連合)の輸送船団が入港したマダガスカル基地を突如として襲った、TPexに類似した新兵器。
劇中におけるTPexと同じく青白い爆発を起こし、宮津も当初TPexと誤認した。
「いそかぜ」副長の浅生浩司はTPexに対抗してEUが開発したものと推測していたが、後にDAISの調査によりEUの研究所から流出したものであることが明らかになった。