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イティアの編集履歴

2023-05-10 07:54:53 バージョン

イティア

いてぃあ

「聖闘士星矢」派生作品のひとつ「THE LOST CANVAS 冥王神話」外伝に登場する架空の人物。 教皇イティア。天秤座(ライブラ)のイティアとも。

手代木史織による「聖闘士星矢」派生作品のひとつ「THE LOST CANVAS 冥王神話」外伝15~16巻に登場。本編ならびに外伝が終了したのちも、断続的に描き継がれている番外編にも登場している。

 聖闘士としての現役時代には天秤座の黄金聖闘士として活躍。その後、教皇となり、約250年に渡って聖域に君臨した。


 あまりにニッチなキャラのせいか、pixivにはイラストがあまりないが、若い頃は長身で精悍な頼もしい美丈夫であったようだ。


概要

 ロストキャンバスは、一貫して冥王ハーデス女神アテナとの戦い「聖戦」がテーマとなっている。イティアが活躍したのは、本編で扱われた(車田正美による原作「聖闘士星矢」から見て)243年昔の前聖戦より、さらに500年昔の前々々聖戦の時代である。

 本編に登場した祭壇星座のハクレイ蟹座のセージの双子兄弟を幼いころに見いだし、ジャミールから聖域へ招集して聖闘士となる道を開いた人物でもある。


 天秤座の黄金聖闘士としては、原作ならびにロストキャンバス本編に登場した老師こと天秤座の童虎の先代にあたる。ただしイティア以後の天秤座は空位であった期間が長いため、童虎と直接の面識はなく、師弟関係もない。


 黄金聖闘士としては別格の強さであったようで、冥王軍との全面衝突の戦場に現われるや、ほぼ一撃で敵の半数を打ち崩すほどの実力を見せつけた。その当時のアテナ軍の実質的司令官でもあり、他の聖闘士たちに檄を飛ばしている。同時代の(イティアよりはだいぶ年少の)黄金聖闘士水瓶座のクレストからも、その強さを畏怖されている。


 クレストいわく「誰よりも強大な力を持ちながら公平さや調和を愛し、教皇に選ばれたときは誰も異を唱えなかった」らしく、実際、教皇としては牡羊座のゲートガードを幼少期に保護し、弟子として養育するなど、後進の指導に熱心な名君であったようで、ハクレイ・セージ兄弟からも師として慕われていた。

 だが(ロストキャンバス本編から見て)前聖戦がじわじわと始まりつつあった時代、齢250余りとなり次世代に教皇位を譲ろうと考え始めた矢先、老齢による気力の低下や、長年鬱積した絶望感からくる危険思想への傾倒を冥王軍(おそらくタナトスヒュプノスの双子神)につけ込まれ、「人類をよりよき方向へ導くには、自分が黄金聖闘士を使って世界を制圧し、世の中を矯正するしかない」と思い込むようになる。そして直弟子であり自身の崇拝者でもあるゲートガードを協力させて、黄金聖闘士12名を死界の蝶(フェアリー)の力を使って洗脳し、彼らを各地に派遣して世界征服を成し遂げようと試みる。

 要するに冥王軍側による聖域破壊工作の犠牲者なのだが、彼自身にも250年にも及ぶ在位期間中に溜め込んだ「争いを止められない人間への絶望感、理想の世の中を築けないことへの失意」があったようで、同時代人のクレストからは「時の重圧に呑まれた」と悔しがられている。

 またイティアはこの叛乱に際して冥王に肉体を若返らせてもらったり、聖闘士たちを洗脳するのにも冥界の蝶の力を用いたりと、ハーデス陣営に多大な借りを作っており、たとえ世界制圧に成功したとしても、その後冥王軍の侵攻から世界を守れたのかという点に大きな疑問が残る。やはり250歳以上という極端な老齢による衰えがあったということだろう。

 彼自身も自分が絶望感に呑まれつつあることを自覚しており、ハクレイが黄金聖闘士に昇格し次第、彼に教皇位を譲るつもりであったようである(この件はハクレイが弟に蟹座聖闘士の地位を譲ったことで実現せず、また叛乱計画が頓挫することによって教皇の地位に選ばれたのは弟のセージのほうだった)。

 結果的に彼の叛乱計画は当時のアテナとハクレイ・セージ兄弟の活躍で鎮圧され、聖域内を震撼させたものの大事にはならずに済んだが、この一件は次世代指導者となった双子兄弟にとって重い教訓となり、その後も相次いだ聖域内の分裂や聖闘士の裏切り・脱落などの危機を、兄弟は「聖域は決して人間に絶望しない」という強い思いを胸に、協力しあいながらしたたかに乗り切っていくこととなる。


人間は限度を超えて長生きするとろくなことにならないから後継者には早めに地位を譲れ、またはあんまり生真面目すぎる人間は道を踏み外しやすいから適度にいい加減にやれ、という、割と身も蓋もないが有益な教訓を残した人物と言えよう。


 また彼の記憶は天秤座の黄金聖衣に残されており、仮死の法を受けて廬山で魔星の監視に当たっている童虎が聖衣からのメッセージとしてその幻を見ている。


関連タグ

祭壇星座のハクレイ蟹座のセージ … イティアに見いだされて聖闘士になった、チベット・ジャミール出身の双子兄弟。ハクレイはその後、牡羊座のシオンを育て、セージは教皇として次世代の聖戦を指揮。兄と弟それぞれに、悲願であった双子神の封印を成し遂げる。

タナトスヒュプノス … 冥王ハーデスの側近。それぞれ「死」と「眠り」を司る神で、双子。ハクレイ・セージ兄弟が聖闘士として戦った時代の聖戦においてアテナ軍を壊滅寸前にまで追い込み、その後の聖戦でも都度姿を現わしては聖闘士たちを苦しめた。ハクレイ・セージ兄弟による封印を経て、無印星矢において「神殺し」によって仕留められる。

牡羊座のゲートガード … イティアの弟子にして崇拝者である黄金聖闘士。戦争で壊滅させられた村の唯一の生き残りとして幼少期に保護されている。イティアの叛乱に際して真っ先に協力者となる。

水瓶座のクレスト … イティアと同時代の聖戦において最年少だった黄金聖闘士。アテナによる仮死の法を受けて500年の時を生き、二度の聖戦を経験する。イティアの叛乱事件当時にはすでに生きながらに伝説の聖闘士となっていた。事件に際してはイティア討伐を若い聖闘士たちにまかせ、自分は洗脳された黄金聖闘士たちからアテナを守る役目を買って出ている。

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