概要
ゲームシリーズ地球防衛軍5」及び「地球防衛軍6」に登場する。
文字通り「潜水」する「母艦」として全地球防衛機構軍(EDF)が建造した超巨大潜水艦。
現実の潜水母艦は味方潜水艦を接舷させ物資の補給を行う艦艇だが、EDFの「潜水母艦」は様々な目的を複合した特殊な艦艇である。
由来
「パンドラ」、「セイレーン」、「エピメテウス」の三隻が登場し、それぞれ神話に登場する怪物や人名を採っている。
地球防衛軍5に登場する兵器や敵はイプシロン、グラウコスなどギリシャ文字や神話に由来するネーミングが多いが、潜水母艦もその例に倣っているようだ。
EDF5
宇宙からの侵略者プライマーの急襲を受け大打撃を受けたEDFにあって、序盤から最後まで通して登場している。
劇中に直接姿を現すことはなかったものの要所の通信で言及があり、かなりエイリアンをてこずらせた様子が見て取れる。これは宇宙から来たプライマーが、海の中にいる相手を攻撃できる対潜装備を持っていなかったためらしい。
それでも激戦の終盤にはパンドラ、セイレーンの二隻が撃沈され、最後の一隻となったエピメテウスが空爆誘導兵エアレイダーを火力支援するため戦い続けた。
潜水母艦パンドラ
名前の由来はギリシャ神話に登場する女性「パンドラ」から。
物語終盤にて、マザーシップナンバー8の砲撃により撃沈されてしまった。これにより人類は大きな打撃を受けたとされる。
潜水母艦セイレーン
名前の由来はギリシャ神話に登場する海の怪物「セイレーン」から。登場どころか活躍の言及すらなく、消息を絶ったことが通信で伝えられ、恐らく撃沈されたと推測されるのみ。
潜水母艦エピメテウス
名前の由来はギリシャ神話に登場するティタン神族の「エピメテウス」から。
三隻の中で唯一撃沈を免れ、主人公でもあるエアレイダーを支援してくれる。エアレイダーが巡行ミサイルや連装ミサイルを要請すると艦長や武装オペレーターの通信が聞けるため、潜水母艦の中では最も出番が多い。
EDF6
EDFの最強兵士ストーム1と、プライマーの指導者「銀の人」の決戦を経て、大被害を受けつつなんとか生き残った人類は、荒廃した地球でプライマーの残党と戦いながら苦しい日々を過ごしていた。
こんな情勢では唯一残ったエピメテウスも前線に出る訳にはいかず、エアレイダーの通信も届かないまま、潜水母艦はついに画面に姿を見せずに終わる。
…かと思われた。
ネタバレ注意!
以下、「地球防衛軍6」中盤及び終盤のネタバレを含みます。未プレイの方は閲覧注意です。
EDF6のロード画面にはオマケ要素として様々な豆知識が表示されるのだが、その中の一枚として見たこともない白い大柄な船体の画像ととともに「潜水母艦は人類滅亡の危機を想定し、海底に身を隠せるシェルターとしての役割も持つ」といったテキストが表示されることがある。
EDF5で「古代宇宙船の残骸が見つかったことで、宇宙人出現に備えEDFが設立された」という裏事情は明かされていたが、潜水母艦もその「備え」のひとつだったのである。
通信すら届かない潜水母艦に関して、そんな情報が今更なんだと言うんだ!のEDF迷言集が浮かんだ兵士もいただろうが、一部のストーム1はこう思った。
「出てくるんじゃね?」と。
「潜水母艦パンドラは、マザーシップナンバー8に撃沈される。これは人類にとって大きな痛手となった。運命を変えよう。ここでナンバー8に損傷を与える」
タイムマシンを用いたイカサマ戦法を仕掛けてくるプライマーに対して、偶然の事故によるタイムリープという対抗手段を得たEDFの科学者プロフェッサーは、主人公ストーム1に歴史を変える事を恐れず戦おうと提案。損傷し緊急浮上させられた潜水母艦の護衛ミッションに加わったストーム1は「歴史改変」を試みる。
ここで初めてプレイヤーが目にした潜水母艦は、遠めの沖合に停泊してなお大迫力の巨大な白い船体に、多数の連装砲塔まで備えた巨艦であった。
エイリアンやテレポーションシップ、さらにはマザーシップまで現れた戦場は大乱戦に陥ったが、ストーム1により敵は一掃、マザーシップの巨大砲台は大破。蓄積されていたエネルギーはカウンターの如く本体に直撃し、マザーシップ・ナンバー8は撃墜された。
プロフェッサーたちは自らの手で歴史を変えられる(変えてもパラドックスなどの異常は起きない)ことを確信すると共に、潜水母艦を失うという人類の痛手を「なかったこと」にしたのである。
第二次怪鳥撃滅作戦
歴史を変えて生き残ったパンドラは超兵器「チラン爆雷」を搭載し、休眠中の飛行怪獣グラウコスへの攻撃作戦に参加。
空母さえ上回る巨体が海面を突き破ってドルフィン浮上をかますという大迫力の登場を見せつけ、戦場に馳せ参じる。
機動兵器コンバットフレーム、自走対空砲ケプラー、さらには巨大ビーム自走砲EMCまで投入された作戦だったが、プロフェッサーは「グラウコスの目の前にパンドラを出すとは馬鹿げている。いくらチラン爆雷を正確に着弾させるとはいえ……歴史には、元に戻ろうとする力、修復作用があるのかもしれない」と、変えたつもりの歴史がここで軌道修正されてしまうことを危惧していた。
EMCの一斉砲火を皮切りに活動を再開するグラウコス。さらに呼び寄せられる怪物の群れによってEDFの被害が拡大する中、ストームチームはグラウコスを撃ち落とし、動きを止めた巨体へパンドラからチラン爆雷が発射される…
歴史の顛末は個別記事を参照して欲しい。
このミッション参加した兵士は「人類最後の砦だ。プライマーの攻撃を受けた時、最も安全な場所は深海だと考えたらしい」「ありとあらゆる物資や植物の種子、遺伝子情報も積んだノアの方舟」といった発言をしている。豆知識の記述どおり、潜水母艦は単なる戦闘艦ではないこと、EDF設立は最初から宇宙人襲来を前提にしていたことの伏線がここでも描写されていた。
リング撃墜作戦
プライマーのタイムマシン「リング」を撃ち落とすため、防衛線を突破したストームチームはついに制御装置の破壊に成功するが、傾き墜落すると思われたリングは180度回転して機能を維持。
リングの制御装置は合計4つあった。砲台や擲弾兵、さらには大型輸送船に四方を囲まれるストームチーム。もはやここまでか、と思ったその瞬間……
「間に合いました!」
「潜水母艦、支援可能領域に到達。」
「エピメテウス、浮上。」
「敵船、射程内に補足。」
「エピメテウス、武装展開。」
「射撃管制、照準セットよし。」
「 行くぞ! 」
「パンドラ、照準よし。」
「セイレーン、照準よし。」
「潜水母艦、3艦同時攻撃」
「セイレーン/エピメテウス/パンドラ、ファイア。」
「 潜水母艦3隻の同時攻撃を食らえ!! 」
遂に三隻揃い踏みを果たした潜水母艦の艦隊が無数の「チラン爆雷」を射出。爆炎で空を橙に染めて大型輸送船をバリアごと粉砕。さらに2つの制御装置も破壊し、ストームチームの活路を開いたのである。
この一斉攻撃時に使用されたbgmはなんと前々作「4/4.1」に使用された「優勢時bgm」そのままという、過去作ファンにはたまらないサプライズとなっている。
ちなみに潜水母艦による支援はリングが回転してから時間で無線フラグが立つ。あまり急いで2つ目の制御装置を破壊してしまうとこの熱い通信は聞けないので要注意(爆雷はちゃんと発射される)。