- 物事をひとつにまとめて締めくくること。
- 左翼団体の取り組んでいた闘争が一段落したときに、これまでの活動を締めくくるために行う活動報告。
- 2.から転じて連合赤軍で行われていたリンチ殺人。
ここでは3.について記述する。
連合赤軍の総括
連合赤軍が起こした山岳ベース事件での同志に対するリンチ殺害のこと。
当人たちは共産主義化と呼んでいた。
左翼団体は何も考えずに闘争を繰り広げていたわけではなく、取り組んでいた闘争が一段落した段階で闘争の成果や反省点について明らかにし、次の闘争に向けての問題点等を洗い出していた。これは工業界で行われているPDCAサイクルのC(点検・評価)にあたる。
ところが連合赤軍では、活動が先鋭化するにつれて意味が変化し、やがて「真の革命戦士となるために反省を促す」と称して行なわれたリンチ殺人を意味することになった。
連合赤軍は赤軍派と京浜安保共闘という別組織を統合して成立した経緯から、メンバーによって思想・体質に相違点があった。
しかしこれでは活動が立ち行かないと判断したのか、中枢部メンバーを絶対とし、思想の異なるメンバーに対し激しいリンチを行うことで力ずくで統制しようとした。
赤軍内で総括は「革命戦士に成長させるための試練」という名目で行っていたが、実際にこの試練を乗り越えて革命戦士として成長した者は居らず、結局は凄惨な連続殺人へと突き進み、組織にいた30名弱いたメンバー中12名を殺害し、組織の弱体化を自らの手で招いた。
自分で自分の首を絞めたいい例である。
なお山岳ベース事件の残党5名が起こしたのが、かの有名なあさま山荘事件である。
現在
当然ながら本来の「総括」という単語にこのような意味は無いが、山岳ベース事件の影響が多大すぎたため、後年まで内ゲバを指す俗語として通用するようになってしまった。
現在でもネットスラングとして私刑(ネットリンチ)を総括と称することがある。