プロフィール
概要
ラドヤード・キップリングの小説を原作とするアニメ映画「ジャングル・ブック」に登場するオランウータン。原作には登場しないアニメオリジナルキャラクターである。
ジャングルの遺跡を拠点とし、猿たちの王様を務めている。手下の猿たちをジャングル中に総動員し、日々様々な情報を集めている。
「キング・ラリー」という双子の弟がいる。
人物
非常に明るく陽気な性格だが、人間のような生活に憧れている。彼のキャラソン「I wanna be like you(君のようになりたい)」は、そんな彼の悩みをスウィングを効かせたジャズ調で歌っている曲である。
ただし、曲中で「立って歩き喋る」と歌っているものの、 既に立って歩いて喋っている ことは内緒。なんなら腕で縄跳びしたり手だけでラッパの音を鳴らしたりなどその辺の人間よりよほどすごい。まぁ言葉については動物語で喋っているのを視聴者向けに人間語にしている可能性はあるが・・・・・。
活躍
猿たちを使ってモーグリを見張っており、熊のバルーと遊んでいるところを誘拐。彼の「ジャングルに住みたい」という望みを聞き入れ、そのための取引として人間のように火を使う方法を教えてもらおうとする。
救出に来たは良いものの彼の歌に乗せられて潜入したバルーと一緒に踊るが、それに乗じてモーグリの取り合いになった挙句、その拍子に拠点だった城が壊れてしまう。
実写版では
アニメ版とは異なり、太古の類人猿ギガントピテクスの生き残りとして登場する。これは、舞台とするインドのジャングルにオランウータンが生息していないため、美術班の調査の結果、昔生息していたギガントピテクスが代わりに採用されたという事情がある。そのため、外観はゴリラとオランウータンを足して割ったような造形をしており、非常にでかい。また、これに伴い彼のキャラソンを手がけたリチャード・シャーマン氏がピンと来たらしく歌詞を書き換えることになった。
こちらは自分が火を使うようになることでジャングルを支配するという本当の目的をあらわにしており、その巨体もあってアニメ版と比べ威圧感と悪役度がかなり増している。そのため、アニメでは一緒に遊んでいたモーグリも、今回は終始警戒している様子を見せていた。
特に、バルーとバギーラが救出に来た際、立ち上がって大声で吠えたり、廃城の中を探し回って捕まえようとするシーンは非常に怖い。このように全く違う印象を見せているが、唯一日本語版声優がアニメ版と同じなのである。
最後はモーグリ争奪戦で城が壊れてしまうところは同じだが、原因がその巨体で暴れ回ったためであり、崩れた城の中に生き埋めになってしまった。猿たちが必死に掘り起こそうとしても全く効果が望めなさそうなところがアニメ版よりも悲しく見える。
なお、エンディングでその城の残骸から這い出てきて歌っているシーンがあるが、映像が「飛び出す絵本のワンシーン」という演出であり、作中で火の海に落ちて明らかに生きているとは思えないシア・カーンも登場しているため、生死は不明。
余談
明るい歌を歌いコミカルで何だかんだ気さくなやつに見えたアニメ版と違い、実写版でシリアスな悪役になったような印象を受けるが、その本質は全く変わっていない。実際、バギーラが「火だと?やつの目的がわかったぞ」と言っているし、モーグリが「火の使い方を知らない」と言った(実際本当に知らなかったが)際は少し怒っている。上述のキャラソンについて、十分人間のような能力を持っているにもかかわらず「人間になりたい」と歌っているのも、結局は自分が支配する力が欲しいだけだから。
このため、そもそもモーグリを拉致したこともあって一部ではディズニーヴィランズにカウントされることもあるが、ディズニーランドのショーやグッズのキービジュアルではそういった面は鳴りを潜め、主人公たちとただただ一緒に歌って踊っている描写の方が多い。この作品には明確に主人公を殺そうとしているラスボスの虎のシア・カーンや、眠らせたり惑わせたりして食べようとする蛇のカーという分かりやすい悪役がいるという事情もある。
また、原作に彼こそ登場しないが、「バンダー・ログ」という猿の群れがモーグリを攫っており、実写版でも彼の率いる猿の群れはこれと同じ名前である。