概要*
ピーコックスパイダーとは、ハエトリグモ科Salticidaeの中のMaratus属の蜘蛛である。Maratus属の蜘蛛はオスが胴の背面に煌びやかな色彩を持ち、メスにアピールする際にそれを見せながらダンスをすることで知られる。
日本ではクジャクグモという呼び名もあるが、実は(現時点では)正式に決まった和名ではない。pixivではイラストが多くないものの片方のタグしかついてないこともあるので全部見たい場合はどっちも検索すると良いだろう。
多くが西オーストラリアの一部に集約する。
ピーコックスパイダーは性的二形によりオスが派手な色合いを持つ。その胴の背面は色素による赤や白と、特定の波長のみを反射することによる青の組み合わせからなる。そもそもハエトリグモは蜘蛛の中では珍しく視覚が発達しているのでこの色の違いもわかるというわけである。ちなみにメスは背景に溶け込めるように地味な見た目となっている。
ピーコックスパイダーの特徴として頭胸部と胴部を繋ぐ部分が長く柔軟に曲げられる。
オスはメスに交接のアピールをする際にこの胴を持ち上げてメスに見せつけ、種によっては胴の横のヒラヒラを扇のように開いたり胴を平たく広げたりする。更に多くのピーコックスパイダーのオスは第三脚が大きくなっており、これも持ち上げて広げる(種によっては持ち上げるのは別の脚のこともある)。この状態から、腰を左右に振ったり脚を振ったりしてダンスをする。色彩と振動によりメスにアピールし、メスが気に入れば交接に持ち込める。
だがこのダンスはこの蜘蛛が滅茶苦茶目立つことになる。当然、敵に見つかればその場で襲われて交接に至るまでも無く食べられてしまうだろう。
蜘蛛はその多くの種においてメスがオスを食うことでも知られる。ピーコックスパイダーも例外ではなく、メスが交接に興味が無い状態でこのダンスを行うことは自身を捕食される危険に晒す以外の効果を持たない。このことから、メスはフェロモンにより交接に興味が無いことをオスに伝えており、オスはこれを察知するとダンスを行おうとしない。
まぁ、メスが交接を受け入れる気であってもオスのダンスを気に入らなければ襲うのでどのみち危険ではあるが。
ちなみにオスもメスも体は4~5mm程度の小さな蜘蛛である。
関連タグ*
クジャクチョウ、クジャクヤママユ:同様にクジャクの名を持つ生物。ただしこちらは翅にある目玉模様がクジャクの羽根を思わせることからついてる。この目玉模様は敵に襲われても生き延びる為の防御の為にあるので役割からして異なる。