概要
春場ねぎの漫画『戦隊大失格』の登場人物。男性。単行本の単独表紙は第11巻。
原作第9巻所収の第74話「この世で一番有名な怪人」にて初登場。この時はカラオケで『竜神戦隊ドラゴンキーパー』の主題歌を歌っていた。
この時点では名前も判明しておらず、ただの一般人かのような表現であったが……?
正体(薬師)
その正体は怪人保護協会の代表理事を務める生粋の怪人マニア(あるいは性質の悪い厄介ファンとも)。
「正義の味方」よりも「悪の怪人」に肩入れしており、中学生特有の反骨精神がそうさせたようだ。
薬師の場合、その時期がまさに特撮版『竜神戦隊ドラゴンキーパー』の放送時期であり、当時の録画・VHSリマスター・DVDボックスと思わしきものを揃えるなどの熱の入れようであった。
グッズも公式・非公式問わず収集し、作中年代の5年前に発売された「戦闘員ミニフィギュア」は毎朝神棚に飾って拝んでいる。
ここまで怪人・戦闘員に肩入れしているのは「最後には負けるからこそ変えられない運命に抗う怪人の姿に目を奪われた」と本人の弁である。
作中年代の13年前に起きた怪人幹部による宗教団体殲滅事件の生き残りであることも明かされた。
戦闘能力(薬師)
ほぼ一般人とも言えるレベルだがドラゴンガジェットを扱うことが出来、日々輝に擬態している戦闘員Dに容赦なく斬りつけた。
桜間日々輝=戦闘員Dに対して
原作第10巻所収の第86話「ようこそ怪人保護協会へ②」で戦闘員Dが合体怪人幹部ヤケコカブ・チャコブルの手で薬師の部屋へ転送され、第87話「ようこそ怪人保護協会へ③」で対面する。
戦闘員であるDのことを尊敬はするものの、怪人の一人であるのに大戦隊となっている(Dが擬態した)桜間に「(今もなお大戦隊にこき使われる仲間の戦闘員たちに)心が動かなければ怪人としてのあなたは死んでいる」と突き放す。
そこから紆余曲折を経て、Dは「戦保談義」にて人間態の青年Dの姿で保護協会側の一員として参加することになる。
大怪人デスメシア
原作第11巻所収の第101話「戦保怪戦⑦」にて薬師が怪人化薬を使用し、変身した姿。
「黒い竜人」ともとれるような姿をしており、ありとあらゆる能力を駆使して大戦隊を追い詰める。その姿は特撮版主題歌の歌詞にもある通り、「とっても強い」。
正体(デスメシア)
「長年の研究により、その再現に成功した」とは薬師本人の弁だが、実際のデスメシアが戦った姿は大戦隊はおろかドラゴンキーパーも見ておらず、特撮版での状況から薬師が「伏線」として穴埋めしただけに過ぎない。
戦闘能力(デスメシア)
デスメシアには薬師が「伏線」と定義付けた事象を再現する能力が備わっている。以下はその一例。
- 「デスメシアが一夜で街を焼け野原にした」
- 「超強力な火炎攻撃を持っているに違いない」→巨大な火炎球を作り出す。
- 「デスメシアと幹部の会話には順序を飛ばした不自然さがある」
- 「相手の心を読める伏線に違いない」→相手の攻撃をノーモーションで避ける。
- 「作中での時間軸から2ヶ所同時に存在してしまうことになる」
- 「分身体を出せるに違いない」→同等の戦闘能力を持った分身を生み出す。
と、これだけでも分かるように特撮版の脚本の「穴」を「これは作品に隠された伏線である」と都合の良いように解釈した結果、かなり滅茶苦茶な存在と化してしまっている。
実際にドラゴンキーパーやDからも「設定盛り込み過ぎ(要約)」と突っ込まれている。
関連タグ
大戦隊(竜神戦隊ドラゴンキーパー):やり方が気に入らない
レッドキーパー:「お前のどこがドラゴンキーパーだよ」
怪人保護協会:統括する組織
薄久保天使:娘
戦闘員D:尊敬すべき神
※以下、単行本未収録分を含む物語のネタバレがあります。
薬師の過去
原作第13巻所収の第120話「戦保怪戦㉒」、第121・122話「薄久保薬師18歳①②」では薬師の過去が以下のように語られる。
ユリメリダとの生活
若き日の薬師は地方(住民の話す言葉は近畿・中四国の方言に近い)の田舎特有の疎外感に加え、怪人支持派ということで冷遇されていた。そんなある日、薬師は自宅の隅で怪人幹部ユリメリダの姿を発見し、怪人が実在することに感動した。
その後の薬師はユリメリダと共に穏やかな日々を過ごすが、そんな折に自宅が焼失した(失火とされているが、住民の女性の「村に火種を持ち込んだ」という発言から村人による放火であることが示唆される)。
その後は二人で都会へ出向き生活をすることになるが、ドラゴンキーパーや申の幹部・チャコブルとの遭遇によりこれも破綻した。
ユリメリダはレッドキーパーと戦うも敗北し、その精神は現場にいた少女に宿ることになる。
デスメシアのその後
戦保怪戦の終盤でユリメリダが天使の精神を乗っ取ろうとするも、天使の最後の抵抗に遭い、消滅させられた。
薬師も「自身こそが作品を正しく理解している」として悍ましい怪物となるが、特撮版の「結末」を聞かされたことと自身の「弱点」を暴かれたことにより敗北、自分自身が神具レプリカで作った「全ての攻撃を絶対に通さない」部屋にDともども閉じ込められることとなった。
薬師の最期
薬師はデスメシアになったのに何故人間性を保っていた。怪人化剤による変化は1本目が「半人半怪人」+元となった怪人の能力の行使、2本目が「人格を消し、怪人そのものと化す」のだが、薬師は2本目を打つことができなかった。
天使の推測によれば「どんなに怪人に憧れてもお母さん(ユリメリダ)との記憶が捨てられなかった」とのことである。
薬師が「半分人間」であることに加え、「神具でなければ死なない」戦闘員Dが立ちはだかる以上、彼に残されたのは何もせずにそのまま死を迎えることしかなかった。
最期までの日々
怪人保護協会のシェルターの中で特撮版を元に「戦闘員たちは元々一つの生物だったのかもしれない」「浮遊城を縛る鎖の鍵は正一位と従一位が管理している」というヒントをDに与えた。
その後、自らの体内で生み出したギミック付きの義足をDに(強引に)授け、息を引き取ることとなる。
敵だったとはいえ、Dに与えた影響が大きかったのか死後、その遺体は丁重に扱われた。
その後
第139話「チョップマンとピンク部隊④」では薬師との会話を重ねたお陰かDが「心のデスメシア」なるイマジネーション薬師を生み出しており、「チョップマンを討伐すればピンクキーパーになれる」が「(チョップマンの製造元である)「羊」の幹部エメマタイを味方に引き込めば世界征服に近づく」という事態に直面。
どちらを優先するべきかを心のデスメシアに問いかけたところ「このパターンは私の考察にありません」と想像元のDの知識不足が原因だったのか答えを導き出すことができなかった。