概要
富を与える神ともいわれており、セルビアではダボーグ、ポーランドではダズボーグという名で呼ばれている。
その名は“与えるもの”という意味を持ち、天神スヴァローグの息子で、スヴァロギッチとは兄弟の関係であるとされる。
美しい若者の姿をしており、東の果てにある常夏の国に住んでいるとされ、朝が来るたびに金剛石で作られた馬車に乗って宮殿を離れて蒼穹を駆け巡るといわれている。
彼が乗る馬車を牽く馬は、鼻から炎を吹く黄金の鬣を持つ12頭の白馬、あるいは金の馬、銀の馬、ダイヤモンドの馬の三頭の駿馬であるといわれ、ダジボーグは朝に生まれ、ダイヤモンドの馬車で空を掛け抜け、夕方には老いているとされている。
また月の女神であるミエシャツを妻としており、春になるたびに2人は結婚するが、秋になると分かれて互いに独りで冬を過ごし、翌年の春が訪れると再開するとされ、2人の夫婦喧嘩が地震の原因であるとされる。
尚、ダジボーグは世界に熱と生命を与え、人間の行いに報いを与える神でもあり、公平で正しく、悪人には悪い報いを、善人には善い報いを与えるともいわれている。
創作での扱い
作中世界創世の時に降臨した神々の一柱で、天神スヴァローグ、雷神ペルーン、太陽神スヴァローグから成るトリグラフの一員でもあった。しかし神々が天界に帰る時ダジボーグのみがそれを拒否して地上に残り、その後世界を支配しようという野心を持ち魔王と化してしまったというスラヴ神話と大幅に異なる設定を持つ。