2.キリスト教の教派が名乗る名称。
語源はオルソドクシア(ギリシャ語で「正統な(正しい)教え」)。
教派名として「オーソドクス」を採用しているグループには
東方正教会と東方諸教会の諸グループとがある。その歴史は古く、
少なくとも彼らの伝承上ではキリスト教がローマ帝国の国教となる以前、
イエス・キリストの使徒やその他新約聖書の人物にまでその起源をたどることができる。
彼らは、(教派名としてはオーソドクスという名ではないカトリックも含め)
ローマ、コンスタンティノープル、アレクサンドリア、エルサレム
連なる使徒継承性を自認している。
そうした伝統的教会もキリスト教史上でたびたび行われた公会議の結果、
様々なグループに分かれることになったのだが、自グループを正統とする
立場からは相手のほうを「分離した」というふうにみなす傾向がある。
カトリックと正教会の分裂を生んだきっかけとなった
フィリオクェ問題、非カルケドン派が「単性論教会」(彼等は
自身をそう呼ばれることを拒否する)と称される事など、教義的・歴史的に
かなりデリケートな問題も含むため、リアル世界で
慎重になったほうがいいだろう。