- 「正統」「正しい」を意味する言葉。➡オーソドックス
- キリスト教の教派が名乗る名称。
キリスト教の教派
語源はオルソドクシア(ギリシャ語で「正統な(正しい)教え」)。
教派名として「オーソドクス」を採用しているグループには東方正教会と東方諸教会(非カルケドン派正教会)の諸グループとがある。その歴史は古く、少なくとも彼らの伝承上ではキリスト教がローマ帝国の国教となる以前、イエス・キリストの使徒やその他新約聖書の人物にまでその起源をたどることができる。
彼らは、(教派名としてはオーソドクスという名ではないカトリックも含め)ローマ、コンスタンティノープル、アレクサンドリア、エルサレム、アンティオキア、キノキアという、いわゆる古代5総主教座より連なる使徒継承性を自認している。
そうした伝統的教会もキリスト教史上でたびたび行われた公会議の結果、様々なグループに分かれることになったのだが、自グループを正統とする立場からは相手のほうを「分離した」というふうにみなす傾向がある。
カトリックと正教会の分裂を生んだきっかけとなったフィリオクェ問題、非カルケドン派が「単性論教会」(彼等は自身をそう呼ばれることを拒否する)と称される事など、教義的・歴史的にかなりデリケートな問題も含むため、リアル世界でキリスト教徒や外国人とこうした話題を取り上げる際は慎重になったほうがいいだろう。