定義
刑法によると、“急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為”と定義される行為。
要は“自分や誰かの権利を守るためにそうするしかなかった行為”と言ったところである。
大半が法治国家で禁止される「自力救済」の一つだが、これは数少ない合法的な例であり、これが成立すれば刑法上は“その行為自体が犯罪行為に該当しても犯罪が成立しない”上、民法上の責任である損害賠償責任すら負わずに済む。
ただし、成立条件は
- 不正の侵害があること(されたのが明白な加害行為であること)
- 急迫性があること(“今まさに”加害行為に晒されていること)
- 防衛の意思があること(身を守らなければと自覚していること)
- 防衛の必要性があること(他に方法がないこと)
- 防衛行為に相当性があること(相手がしてきた以上のことをしていないこと)
と、一般に使われている定義と比べて圧倒的に厳しく、よっぽどの事が無い限り成立しない(一般的に言う「正当防衛」は大半が「過剰防衛」あるいはそれすら満たさない。判例の立場では「相手が先に殴りかかってきたから殴り返した」ような場合でさえ、「(相手が“殴り終えた”後なので)急迫性がない」として正当防衛は勿論、過剰防衛も成立する余地はないとしている)。
メイン画像の例だと、
加害者T(仮称)は反撃する必要はなかった(一発だけなので防御するだけでもよかった)が、Tは被害者I(仮称)から恒常的に暴行を受けており、その暴力行為に対し生命の危機を感じていたと推測される(実際に死ぬことはないが)ため、正当防衛が発生するかもしれない。
ただし、Tが完全に日頃殴られている事への怨嗟から殴ったとすれば、当然正当防衛は発生しない。
(ただし、Iが殴りかかっているので、たとえ過剰防衛が成立しなくても情状酌量の余地はある)
まあ、そんな殺伐とした世界観でもない上、Iに訴訟の意志がないため、この検証は意味がないのだが。
また、概要を見れば分かる通り、急迫的で他に対処の使用がない権利の侵害ならば暴力行為以外にも適用され、他者の権利のために防衛を代行することも可能である。
ただし反撃の程度の正当性などの立証は難しく、情状酌量の余地が認められたり過剰防衛にはなっても正当防衛と認められるのは難しい。
この例はそもそも「誤想防衛」なので検証のしようはないのだが。
一方で国によって程度が違うので、アメリカではモデルガンの銃口を向けて来た相手を射殺しても成立する。そのためアメリカではリアルなモデルガンは発売不可能である。たまにトイザらスで売っているM16の玩具とかも銃口がオレンジ色となっている。
関連イラスト
貞操の危機>暴行
まったくもって急迫ではないのだが・・・
犯罪行為に該当するかすら疑問(程度が軽い上に責任能力すら疑わしい)
ただし彼女に人権があるかどうかの問題もあるが(でないと蚊さえ殺せなくなる)
関連項目
紅林二郎:逆上した悪人に攻撃されカウンターの一撃を見舞うのだがかなりの頻度で正当防衛が認められない。恐らくパンチの破壊力が規格外な事が原因
朝田詩乃:11歳の時に銀行強盗犯に遭遇したが、自身や彼女の母親が襲われる状況で、母を守るべく犯人の銃を奪って射殺した。このように正当防衛が認められる要件を満たしている。もっとも14歳未満なので、過剰防衛だったとしても逮捕はされない。
周防克哉:戦闘後の台詞で「正当防衛だ。文句はないな。」と言っている。過剰防衛気味な攻撃もすることもあるが、ほとんどが悪魔相手なので……。