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ニイナ・チュール

にいなちゅーる

ニイナ・チュールとは、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の登場キャラクター。

「立ち止まってしまったら……それはもう、『第三小隊(わたしたち)』じゃない気がする!」

「私、あの人の隣で沢山の景色を見に行くんだ!」

概要

学区(海上学術機関特区)』の【バルドル・クラス】に在籍しているハーフエルフの少女。Lv.2。『第三小隊』の隊長を務める。年齢は13歳。

ギルド』で働くアドバイザーのエイナ・チュールの妹。だが、彼女と会ったのは自分が生まれてすぐの赤ん坊の時だけのため、実質血の繋がった赤の他人状態(ただし、手紙のやり取りはしていた)。

外伝『ソード・オラトリア』13巻で本編より先に登場(名前だけでフルネームは不明だったが)した。

人物

エイナと同じブラウンの髪色だが、こちらは長髪で眼鏡は掛けていない。

ベル・クラネルよりも年下の13歳だが、年齢よりも大人びた雰囲気で年上に見られがち。だが、年相応の子供らしい無邪気さもある。

【バルドル・クラス】の生徒の中では年少格でありながらも、一個小隊の隊長を任されている程の才女。ミリーからは「優等生で誰にでも優しい」と評されている。だが、一方で勉強を教える時は姉のエイナに劣らぬ程のスパルタで、膨大な教材を勧めては短時間で覚えさせてテストを行わせている(エイナは冒険者を死なせないためにあえてやっているのに対し、ニイナは「『学ぼうとする意志』を持つ生徒ならこれくらい当然」といった善意でやっている)。

同じクラスのナノからは「自分よりも頭が良くてとっても頑張っている」と認められているのだが、ドワーフのイグリン、黒妖精(ダークエルフ)のレギ、小人族(パルゥム)のクリスの『第三小隊』の面々をまとめ切れず、連携が上手くいかない状態(ルーク曰く「全員尖っている」)で、その所為で『おちこぼれ小隊』『歴代最低辺の小隊(ワースト・パーティ)』という蔑称を付けられている。パーティ内では治療師(ヒーラー)としてサポートしている。

実はニイナは何かになりたいという『夢』を持っておらず、姉のエイナが進んだ道を追うように進んでいるだけであった。『学区』にもエイナが入ったから自分も入っただけに過ぎず、エイナと同じ『教養学科』に入ったもののそこでエイナと見比べられてしまい、しかも追い抜こうと頑張っても姉を越えられない壁にぶつかる。自分はエイナの真似事をしているに過ぎないと自覚したことで劣等感に苛まれてしまい、その惨めさからいつも出していた手紙も書くことが怖くなって出せなくなっていた。

唯一、姉が苦手だった運動が自分の方が優秀だったことを知ってからは、居場所を求めて『戦技学科』に移った。だが、そこでも姉が出来ないことをやって自分の面子を保っている自分に嫌になっており、結局は目標を見失っている状態であった。

作中の行動

諸事情で『学区』の巨大浮遊都市艦である『フリングホル二』に潜入してきたベル・クラネルが、バルドルレオンからの依頼により兎人(ヒュームバニー)の「ラピ・フレミッシュ」として【バルドル・クラス】に編入した際、彼の世話を任される。『学区』のことをよく分からない彼を親身に教えたり、ヘマをやらかした彼を擁護したりしていた。彼とのやり取りは何かと相性が良く、周囲から冷やかされるがそれほど満更でもなかった。

ラピが自身の率いる『第三小隊』へと加わり、五人一組で迷宮(ダンジョン)への『特別(ダンジョン)実習』を挑む事になるが、小隊全員がLv.2にもかかわらず12階層でインファント・ドラゴンを倒せず停滞した時に、ラピが立案した作戦で難なく倒せてバラバラだった小隊をまとめたことに感銘を受ける。

だが、その帰りの『ギルド』本部での換金の時にエイナに発見されて声を掛けられるが、今までの劣等感から思わず逃げ出してしまった。

そのままエイナに会わずに実習を続けていたが、ラピが『第三小隊』の中心になってから小隊の成績が向上していき、自分もラピに教えを請うなど、弟のように見ていた彼が兄のような頼もしさを覚える。

その後、15階層までの小遠征へ向かった際、15階層を中心に起きた大規模な崩落事件に巻き込まれてしまう。隊長として方針を迫られる中、ラピによる励ましで気持ちを持ち直して彼が提案した18階層への避難を決断。道中、モンスターの攻勢が激しくなる中、ミノタウロスの急襲を受けて危うくなるが、ラピに助けられる。そして、17階層で予定よりも早く(実際は生徒達を快く思っていない冒険者達の偽情報によるもの)ゴライアスが出現してしまうが、ラピの活躍で間一髪逃れて誰も欠けることなく18階層に到達。

リヴィラの街の近くで野営して一息ついた際、互いにそれぞれの『夢』を語る中、ニイナは『夢』が無いことを打ち明ける。自分が見張りの時にラピがやって来て彼に『夢』が無い理由や姉から逃げている自分の惨めさなど自身が抱えている自己嫌悪と罪悪感、後悔などすべて吐露し涙を流してしまう。だが、ラピは寄り添い、ニイナのおかげで学ぶ楽しさを知ったことやニイナによって多くの人が助けられていることに感謝していると告げる。それによってニイナはラピに特別な感情を抱くようになる。

翌日、ラピが『修学旅行』という名目でボールス達に護衛を依頼して下層へ行ってみることとなり、そこで見た『水の迷都』の荘厳さに感銘を受ける。だが、そこに稀少種・ブルードラゴンと遭遇し、見つかってしまい襲われる。逃げ遅れたイグリンを庇ったラピがブルードラゴンのブレスを浴びたことで彼を死なせないとボールス達の制止を振り切って、稀少魔法(レアマジック)【ラグリエル・クリスヘイム】を詠唱してブレスの毒などを浄化をした。そして、危険を顧みず自分を助けた彼女に応えるべくラピは本気になってブルードラゴンを圧倒し、最後は【聖火の英斬(アルゴ・ウェスタ)】でブルードラゴンを撃破した。

ラピの戦う雄姿に心が打ち震えるほどの強い衝撃を受けたニイナは、戦いを終えた彼に対し、

「私、冒険者になりたい」

「キミの隣で、沢山の景色が見たい!」

と、初めて『夢』を抱くことが出来た。

が、直後、ブレスによって魔道具が壊れて変装が解けてしまったラピの正体が、ベル・クラネルだと判明して驚愕してしまう。

その後、18階層に戻ったところに居合わせた『第七小隊』の『教導者(インストラクター)』を務めていたOGの【千の妖精(サウザンド・エルフ)】が、下層での出来事でベルに強い尊敬と好意を抱いて顔を赤らめながら見つめている自分の様子を見たことで、ベルに激おこする事態となっている。

地上に戻った後、エイナと会うことを決め、『ギルド』に出勤するエイナを待ち構えてそこで改めて初対面として相まみえる。

少しぎこちなかったが、エイナに対する劣等感と自分の惨めさから手紙を出せなかったことを謝り、今までの想いを打ち明けた。

そして、『夢』を持つことが出来た大切な出会いがあったことと、その人物が「ベル・クラネル」だと明かし、彼に対する想いを熱弁した後、将来的には【ヘスティア・ファミリア】の一員となってベルの隣に立ちたいという『夢』を打ち明け、冒険者になったら冒険者登録をお願いするように頼んで『学区』に戻って行った。

姉のエイナも彼に想いを寄せていることを知らずに……。

因みに前述の通り13歳なのでウィーネを除けばベルに好意を抱いている唯一の年下(現時点)であり、当初は「ラピ君」と呼んでいたが、正体が判明してからは「ベル先輩」と呼んでいる。

ステイタス

魔法

  • マギア・クリス

詠唱式:【揺れる聖輪、吐息は白く。花々謳う、清浄の丘

治癒魔法。純白の花弁のような白の魔法片が体を包み込んで治癒する。

  • ラグリエル・クリスヘイム

詠唱式:【風の子守歌(うた)、花の揺り籠。かつての壮麗、在りし日の雄大。母を護りし白き都、花々の丘の上。花よ、咲け。芽吹かぬ私(たね)の代わりに。光よ、歌え。尊き旅人を照らすため。青よ、高く。白よ、清く。瘴気を祓い、花冠(かんむり)をここに。咲き誇れ、第二の霊峰――我が名はアールヴ

あらゆる異常を浄化する稀少魔法(レアマジック)の浄化魔法。

毒や麻痺といった状態異常はもちろん、呪詛(カース)や精神攻撃をも防いで癒す中規模の結界『妖精の聖域』を形成し、領域内にいる味方の状態異常の浄化はもちろん、継続治癒も付与されて身体も全快させる。

病に伏せる母のアイナをいつか救いたいというニイナの心象が大きく影響を及ぼしている。

因みにアールヴは母の友人であるエルフの王族であるリヴェリア・リヨス・アールヴの名字である。ハーフとは言え一般のエルフが「我が名はアールヴ」と言っても大丈夫であろうかという疑問があるが、一応母にもハイエルフの血が混ざっているため、娘の彼女はそこまで咎められることはないだろう。

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