概要
藤子不二雄(当時)の漫画全集と言う触れ込みで、1984年から1991年にかけて中央公論社(現在の中央公論新社)から全301冊が刊行された。これとは別に、後述の巻末新連載をまとめた単行本やファンブック用の姉妹レーベル「F・Fランドスペシャル」が存在した。
当初は「第1期301冊」とされていたが、第2期(302冊目以降)は刊行されていない。
1988年に藤子不二雄は独立し、それぞれ別のペンネームでの活動になったが、「藤子不二雄ランド」の名称は変わることなく1991年まで刊行が続けられた。奥付の著者名には独立後の名義が記され、巻末の新作漫画の扉には作者名が記されるようになった。
なお、1987年以前の作品に記された「独立後の名義」は1988年の独立後にどちらに著作権が帰属するかを表したものであり、合作か単独作かを表すものではない(例えば合作の中でも『パーマン(旧)』『新オバQ』等はFの単独名義に、『きえる快速車』『わかとの』等はAの単独名義になった)。
レーベルの特徴
企画の発端は中央公論社が1970年代後半に業績不振打開策として、それまで軽装の新書版で発売されるのが常識であった漫画の愛蔵版ハードカバーを刊行するようになったことがある。当初は豪華使用で高額な愛蔵版全集の形で企画されていたが、藤本、安孫子が「子供でも買えるように」と希望したことを受けて軽装かつ表紙の紙質を下げる代わりに、各巻ごとのセル画付録や巻末の新作漫画連載など従来の漫画全集では見られなかったユニークな企画が取り入れられている。
一方で、収録作品の初出情報に誤りや抜けが多いことも指摘されている。
創刊時期には藤本作品のほとんどが小学館から刊行されるようになっていたこともあり『ドラえもん』を筆頭に1970年代以降の作品で小学館以外の出版社から単行本が出たのは本レーベルが唯一と言うケースが少なくない。
テレビ朝日「藤子不二雄ワイド」との連動
刊行開始翌年の1985年4月にテレビ朝日系で放送を開始した1時間のコンプレックス放送枠「藤子不二雄ワイド」では中央公論社がスポンサーとなり、毎週発売する新刊をドラえもん役(当時)の大山のぶ代のナレーションで告知するテレビCMが流されていた。
中期のCM「ドレミファドラマティック…」では『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造(当時はアニメ放送前)が登場しているが、何故かスーツの色がトレードマークの黒でなく灰色だった。ちなみに同作の単行本は中央公論社の刊行だが、他の青年誌で発表されたA作品と同様に本レーベルでは再録されていない。
絶版後
1991年に第301回配本として『UTOPIA 最後の世界大戦』が刊行されて完結した後、1995年頃には絶版となった。
その後、A作品に関しては復刊ドットコムから「藤子不二雄Aランド」として全149冊が刊行されたが、F作品に関しては本レーベルの復刊でなく小学館から「藤子・F・不二雄大全集」全115巻+別巻4巻が2009年から2014年にかけて刊行された。
巻末連載
上記2作はどちらもアニメ化されている。