甘藍
かんらん
アブラナ科の植物Brassica oleracea(ヤセイカンラン)もしくは音野菜の事である。ここではヤセイカンランを改良したケールと呼ばれる葉野菜を含めて記述する。
曖昧さ回避
🥬ヤセイカンラン
ヨーロッパに分布する2年生植物。石灰岩質の海岸を好んで自生する。背の高い二年生植物で、自家不和合性があることと、変異しやすい形質から上記のキャベツ、ブロッコリーをはじめハボタン、カリフラワー、コールラビ、芽キャベツなど多くの変種を産むことになった。
葉は大きくて厚く、食用のキャベツやケールより味は劣る。当初は薬用として利用されていたが、改良が進むとともに野菜として利用されるようになった。
🥬ケール(アブラナ科)
Brassica oleraceaの多様な栽培種のうち、比較的原種に近い形質を持つ品種群の総称である。
葉に縮れのあるカーリーケールと呼ばれる品種群(日本ではサラダやスムージー、スープによく使われる)と、肉厚で葉に縮れのないコラードと呼ばれる物(日本では青汁によく使われる)の知名度が高いが、高さ2メートル以上になり葉を下から収穫していくツリーケールなど日本ではあまり知られていないものも含めたような品種群がある。広義ではイタリア料理で使われるカーボロネロ(日本では黒キャベツとも呼ばれる)、日本で観賞用に改良されたハボタンや中国料理で使われるカイランなど多様な品種群がケールと呼ばれ、どこまでをケールと称するかは定まっていない。
古代ギリシャで栽培化されたのがこのケールに近い物だったと言われている。暑さにも寒さにも乾燥にも耐え、味が良いことからユーラシア・アフリカの各地に広がり、特に北ヨーロッパから中近東では最も重要な葉野菜となった。