オオムラサキとは、国内で見られる蝶の一種である。
概要
鱗翅目・アゲハ蝶上科・タテハ蝶科・コムラサキ亜科に属する昆虫。
国内にいる種では大型に属し、成虫で大人の掌(50~55mm)ほどになる。
美しい青紫の翅を持ち、英名でも【Great Purple Emperor】(偉大な紫の皇帝)と荘厳な名を戴いている。
なお、翅が青紫なのはオスだけ。メスは茶色で全体的に地味である。
(これでとある役所がエライことになったのは有名な話・・・)
主にクヌギやコナラなどのどんぐり系の樹木の樹液や、花の蜜を食する。
幼虫は夏から秋にかけて榎(エノキ)の葉を食べて成長し、地中で越冬して晩春に蛹となり、夏に羽化して成虫となる。
餌場では非常に勇敢で、たとえスズメバチが相手であろうと餌を得るために突進し、追い払ってしまう。
主な生息域は、北ベトナムから中国東部、そして日本全域に及ぶ。
国蝶として
オオムラサキは国を代表する蝶『国蝶』に指定されている。
しかしながら、この指定については法的根拠はなく、あくまで日本昆虫学会の指標である。
同時に日本の固有種というには分布域が広く、ミカドアゲハ、ギフチョウ、アゲハチョウをはじめ他にも指定に適した種は多く存在するため、しばし議論の対象となっている。
森林保護のシンボル
一応は「準絶滅危惧種」に指定されているものの、メディアでマスコミが騒ぐほどの危機には陥っていない。これはマスコミ側が『オオムラサキ(の棲める森林を)保護すべき』という( )内の事実を薄めてしまったことによる影響が大きい。
しかしながら、保護対象が明確になったことから、森林保護運動はむしろ活発化した当たり、少々皮肉な話ではある。