モウコノウマ

もうこのうま

モウコノウマ（蒙古野馬）とはユーラシア大陸の草原で暮らす馬である。

概要

小麦色、薄茶色の体毛を持ち、たてがみや尾は墨色、黒色をしている。

中央アジアの草原に分布し、体格は農耕馬のようにガッシリしている。

かつてモンゴルなどアジア中心地域に広く棲息していたが、飼育下をのぞき一度絶滅している。

レッドリストにおいては絶滅危惧とされ、現在、各地で野生に帰す試みがなされている。

シマウマやノロバと共に野生のウマ科生物として知られ、ロバやシマウマと別系統に進化した「馬」のうちでは唯一のものとされていた。

しかし、カザフスタンのボタイ文明の5500年前の遺跡から発見された馬の骨などを遺伝子調査した結果、モウコノウマの先祖であることが判明する。

つまり、モウコノウマは野生馬ではなく、古代に野生化した家畜馬だったのであり、純粋な野生の馬はとっくの昔に絶滅していたことと推定された。

これに伴い、馬の家畜化についての推察もスタートラインに引き戻される事になった。

.....と、思われていたのだが、2021年に再度ボタイ遺跡を調査した結果、なんとそのボタイ遺跡の馬こそが、モウコノウマから家畜化された個体群であったことが判明し、結局のところやはり、モウコノウマは家畜馬ではなく、現存する野生馬であったという伝統的な結論に落ち着き、

ボタイ遺跡の馬は最初の家畜馬の一群として見なされるようになった。

動物の学説と言うのは次々と変わるものなのだ。