概要
『十八番』【じゅうはちばん、おはこ】とは、その人のもっとも得意な芸や技のこと。転じて、その人がよくやる動作やよく口にすることば。その人のくせ。
語源は歌舞伎の古典演目「歌舞伎狂言十八番」に由来する。
江戸時代に七代目市川團十郎が、自身の得意とする18の演目を選出して定めたことが始まりとされる。この18演目は市川宗家の専売特許となっており、他の宗家が演じるには許可を得る必要がある。
【おはこ】と呼ばれるのは、演目の台本を箱に大事に仕舞って保管していたからとされる。
十八番に選出された演目
- 外郎売、毛抜、鳴神、矢の根、景清
- 次いで人気の演目で、上三番に比べると公演回数は控えめ。
- 関羽、不動、蛇柳、象引、七つ面、解脱、嫐、鎌髭、不破、押戻
- 既に公演されなくなり久しい演目。
- 台本が散逸してしまって内容が不明な演目も多く、お目にかかる機会は皆無といえる。
- しかし後の世代で、当代の市川宗家が創意工夫を凝らして復活させた演目もある。