解説
退学と一括りに述べたとしても、自主的に学校を辞める「自主退学」、
懲戒処分(校則違反など)で学校を辞めさせられる「懲戒退学」の他、
規則上退学を余儀なくさせられる場合(主に学費の滞納など)もある。
退学をした場合は当然卒業と異なり、学業を修了したとは認められない。
高校を退学した場合であればそのままでは大学入試を受ける事は出来ない。
(但し高卒認定試験(旧・大学検定)に合格すれば高校中退でも大学受験可。また別の学校に入り直すと学年は1年からやり直しだったが、1988年以降は中退者・不登校経験者を受け入れる学校も存在している。その場合は前の学校の取得単位を認めている場合もある。)
大学を退学した場合は(大学中退と言われるが)高卒と同じ扱いを受ける事になる。
退学の種類について
自主退学
自主退学とは本人または保護者などの意思により退学することである。
学校毎に決められた所定の退学届を提出し、校長(学長)が承認すれば退学することが出来る。
懲戒退学
懲戒退学とは懲戒処分の一つである。
校長や学長が学校に相応しく無いと判断した場合、懲戒権を用いて行使することが出来る。
懲戒理由については様々であり「ある程度は」校長や学長の裁量に委ねられるが、退学処分が下される場合は学校の評判などを著しく損ねる等重篤な状況を引き起こした場合が多い。
退学の理由
退学の理由は様々であるが、主に以下の理由が挙げられる。
- 漫画家や職人など、学業より優先させる事が出来た(著名な例だと藤井聡太棋士が該当)。
- いじめによる孤立や通学困難。
- 2年以上連続での留年が認められない場合。
- 経済事情の悪化(特に大学)。
- 事件や事故の容疑者として警察に逮捕される。
また女子生徒の場合、メイン画像の様に「妊娠・出産」による退学も存在する。
この場合は文部科学省により公立高等学校の場合、安易に退学処分や事実上の退学勧告等の対処は行わない方針の指導をしている。(参考1・2)
退学による影響
退学をすると上述のように教育を修了していないものと見なされるため、就職や進学の上で非常に不利になる。
漫画家や職人など、実績を伴うものなら過去の経歴として評価されなくもないが・・・。
また、仮に復学(別の学校の場合も含む)したとしても、周りと比べて遅れてしまう事は否めない。
退学と除籍と抹籍(放学)の違いについて
除籍
退学と除籍は似たような意味合いであるが、除籍は基本的には学校側からの処分でのみ用いられる表現である。
誤解されやすいが、除籍は退学よりも重い処分というわけではなく、殆ど同等。
除籍されたからといって大学に入学した事実が抹消されるわけではない。
特に大学で授業料を未納すると退学ではなく、除籍という表現がされやすい。
この場合は授業料を納めれば復籍出来るケースも多い。
抹籍(放学)
一方で本当に重いのが抹籍(放学処分とも言う)。
この場合は文字通り、学校に入学していた事実そのものが抹消されることとなる。
つまりは履歴書で「○○年4月 ××大学入学」「○○年8月 ××大学中退」といった事すら書けなくなる。何故なら入学していた事実が無いのだから。
最も重い処分のため、この処分が下されるのは重大事件の容疑者として逮捕された場合に限られる(むしろ留年や学費不足程度でこれを下した場合、下した者が逆に懲戒処分される恐れもある)。
関連タグ
外部リンク
北星学園余市高等学校:1980年代から、高校中退者や不登校者などを全国から受け入れている私立全日制普通科高等学校。
最近は通信制高校やサポート校などが全国に数多く設立、受け皿が増えている。