概要
人間が使徒に転生するための儀式「降魔の儀」、その中でも特にゴッド・ハンドに転生するためのものは「蝕」と呼ばれる。
216年周期で現れる深紅のベヘリット「覇王の卵」を手にした者が、自らの半身とも呼べる最も大切なものを捧げることによって行われる。
蝕の名の通り日食を伴い、外部とは隔絶されたおぞましい異空間の中で、生贄たちは体や命だけでなくその断末魔の悲鳴までもが魔に捧げられる。
作中では、『黄金時代篇』の終盤で執り行われ、グリフィスの仲間である鷹の団のメンバーたちが生贄として捧げられた。生き残ったのはガッツとキャスカのみ。
一体一体でも強靱な使徒が無数に集まっているだけあって、腕利きである鷹の団も(グリフィスが自分たちを生贄にしたという精神的な衝撃もあり)まともな抵抗も出来ないまま嬲り殺され、食われて行った。
その光景は「これは殺戮ではなく宴である」とナレーションで表現されるほど一方的な惨劇だった。
例え使徒と戦って逆に殺せるだけの実力があったとしても、出口のない異空間に閉じ込められたまま延々と戦い続けるハメになる以上、間違いなく全ての使徒を殺し尽くすよりも先に力尽きる。
よって、何かしらの外部介入が無い限り生還は不可能。
無数の使徒が主人公の仲間を食い散らかし、そして主人公自身の心身にも深い傷を負わせた一連のシーンは凄絶そのものであり、日本の漫画作品史上最悪のトラウマシーンとして今なお語り草となっている。