概要
ドラゴンクエストに登場する従わせたモンスター同士を戦わせる施設。
DQ3~DQ5までは「格闘場」という名称だった。
モンスターを従わせるジョーカーシリーズでも登場する。
各作品での扱い
DQ3
前作の福引きに代わるギャンブル施設。大きな違いは手持ちのゴールドを直接賭けるという点であり、後のシリーズを見てもお金そのものを賭けるというギャンブル施設はこれだけである。
本作のゲーム内での名称は「かくとうスタジアム」
モンスター2~4匹を戦わせ、その中で勝ちそうなモンスターにゴールドを賭け、見事的中すれば倍率に応じた金額が払い戻されるという競馬場みたいな施設。
「アイツとアイツが戦ったらどっちが強いんだ?」という高みの見物を楽しみながら、モンスターのHPや弱点などの特徴をプレイヤー自身が学習できるという一石二鳥の遊び場である。
「ロマリア」「イシス」「サマンオサ」「メルキド」に存在する。ちなみに全て地下でマップとNPCの配置・セリフは全箇所共通。
券売の男に話しかけると次の試合に出場するモンスターとそのオッズ(倍率)が表示されるので、勝ちそうなモンスターを選ぶ。券を買うとパーティメンバーは自動的に格闘場の中央に歩いていき、試合開始となる。
基本的に弱い(勝つ可能性が低い)モンスターほどオッズは高いが、例えば回復呪文を使えるモンスターなどは上位のモンスターに対しても粘り勝ちすることがある。
また、この手の施設らしく予想屋も居る。5ゴールドを払えば勝ちそうなモンスターを教えてくれるが、予想はランダムで言ってるだけなので当てにできない。やはり自分の経験を頼りに賭けたほうがいいだろう。
- NES版
賭け札の値段は「先頭キャラのレベル×10」に大幅増加。例えばレベル10なら100ゴールドになる。
後作の仕様に合わせて、対戦カードがあらかじめ決定されているようになり、レベルが高くなれば観戦できるカードが増える。倍率も最大で3桁にまでなるようになった。
- SFC版、スマホ版
NES版の仕様を引き継いでおり、対戦カードも同じ。ただし、賭け札の値段は勇者のレベルを参照するようになり、その10倍の金額となる。勇者をパーティから外していても変わらない。
カードが追加されるのはレベル30台までで、FC版のようにボスモンスターが雑魚モンスター相手に無双するというとんでもない組み合わせはない。
引き分けの場合は自分が賭けたモンスターが生き残っている場合のみゴールドが返還される。
パーティメンバー自身が参戦する格闘場
「謎の洞窟」の途中には、中継地点である「ゼニスの城」のすぐ前に格闘場エリアが存在する。
その直前にはサマンオサ城の地下牢に似た控え室が存在し、一匹のスライムが次の試合を控えて待機している。
控え室から進むと一匹の魔物が待ち構えており、主人公達と対戦することになる。
この魔物の正体は実際に戦ってみるまで不明だが、ダークトロルまたはバラモスエビルのどちらか。
この一連のイベントは格闘場での賭け事に熱くなりがちな勇者達を皮肉ったネタなのかもしれない。
なお、戦わずにスルーすることも可能だが、そうすると対戦相手のモンスターから罵声を浴びせられる。
- GBC版
DQ4以降と同様に「ダブルアップ」に対応している。
ただし相違点として、ダブルアップの組み合わせを見てからキャンセルすることもできる。
特に変に思われることもなく「なんだ、やめるのか。じゃあ、配当金を受け取ってくれ」と、そこまで積み上がった金額を受け取ることができるので、予想が難しい組み合わせが出たらキャンセルしてしまうといいだろう。
配当金が10,000Gを超えるとそこでダブルアップは打ち止めとなる。
対戦カードはSFC版から引き継いでいるため8,000~9,000Gほど稼いだところで上記に挙げられたような大勝ちできるカードが来ると一気に100,000G以上というとんでもない儲けになることも。
そうでなくともかなり稼ぎやすくなっているため商人の存在意義が危うい。
SFC版とはメガンテの扱いが変わっておりSFC版は引き分けなのに対し、GBC版ではメガンテの使用者の勝利となる。
このためかばくだんいわの倍率がSFC版では「200倍以上」という常識外れな値なのに対して、GBC版で10倍前後という現実的な数字になっている。
- 小説版
ロマリアの格闘場のみが登場。町人に変装したロマリア王に連れられて、主人公達が訪れる。
商人のサバロに路銀を持ち逃げされた主人公達に対し、ロマリア王がここで稼いだ金を渡してくれる。
ちなみにこの日はロマリア王も「こんなバカツキは生まれて初めて」という程の大穴連発であり、手元に入った金額は元金の300倍だった。
- エピソード
週刊少年ジャンプ1989年36号の堀井雄二のコラムによると、今作の格闘場はゲームバランスを崩壊させないように掛け金・倍率ともに低く抑えたが、これでは面白さを活かしきれず不満もあったという。この不満が、次作でのコイン制を導入したカジノの登場に繋がっている。
DQ4
カジノのゲームとして組み込まれ、賭けるものはゴールドからコインへと変わった。
それ以外のシステム自体はほとんど同じであるが、予め対戦カードが決まっている。冒険の進み具合で対戦カードが増えていき、レベルが上がると組み合わせが追加されるがレベル30台で打ち止めとなる。
そのためFC版DQ3のように様々な対戦パターンを楽しむことはできず、またカオスなことは起こりづらい。ボス敵が出場することもなくなった。
プレイヤーが賭けているモンスターが繰り出す「痛恨の一撃」は、メッセージが「会心の一撃」に置き換えられるようになった。
全員が死亡するということもあり、その場合は誰に賭けていても没収されてしまう。
パターンとしては、最後に残ったモンスターが同時に 猛毒 で力尽きた場合など。
一方でFC版DQ3では没収試合となっていたメガンテは「他のモンスターが全滅したら唱えた者の勝ち」に修正された。
前作になかったシステムとして「ダブルアップ」があり、勝った際に賭け金をそのまま次の勝負に持ち越すことができる。なおダブルアップに挑戦した場合、例え次の組み合わせが予想が難しい組み合わせになったとしても降りる事は出来ない。
10ターン過ぎて決着が付かないままだと試合は引き分けになる。
引き分けが起こった場合は、その試合は何も無かったことにして掛け金がもどってくる。
ただし引き分けになる前に賭けていたモンスターがやられていた場合はアウト。
ダブルアップの途中で引き分けが発生した場合は、賭けるはずだったコインをそのまま次の試合に賭けることになる。なおダブルアップは永遠に繰り返すことはできず、掛け金が10000枚を超えたところで強制的に支払いを行う。
そのため大勝利を収めたい場合は、掛け金5000~9000という所でさらにもう一試合を当てるしかない。負けるまでダブルアップをし続けるか、ほどほどで切り上げ着実に増やしていくかはご自由に。
ちなみにトルネコがいると勝手に乱入してモンスターの口を塞ぐことがある。
こちらが賭けたモンスターだろうがお構い無しに妨害するのが困り者だが、敢えて連れていく場合は呪文を使わないモンスターが相対的に有利になると言える。
DQ5
今作では勝率がオッズに忠実である為、大穴が発生しにくくなっている。
基本的な仕様は前作のものを引き継いでおりダブルアップの仕様もあるが、裏技抜きで効率よくコインを稼ぎたいなら今作から大きく稼ぎやすくなったスロットに挑戦した方がいいだろう。
10000枚を超えるとダブルアップが強制終了する点は同じだが、獲得コインの合計枚数がなぜか65535枚でオーバーフローを起こすようになってしまった。掛け金が5000枚以上のところから大穴狙いで大きく稼ごうとしても倍率次第で逆に取得枚数が減ることもあるので注意。
対戦カードは主人公のレベルが上がるにつれて増えてくる仕組みになっているが、なんとSFC版では耐性貫通力倍化の影響を受ける。
しかもエリアレベルは0に設定されているため、主人公がLv10、つまりほとんどの場合青年時代開始直後から倍化状態になっており、モンスターの弱耐性は無効、強耐性もブレスに対しては無効、呪文は7割貫通という攻撃側有利な状況になっている。
この仕様のため、強耐性の価値が激減する一方で完全耐性の価値が非常に高くなっている。
- PS2版
出場モンスターはモンスターじいさんが斡旋しているという噂が「うわさのノート」に記されている。
モンスターが3D化したことに合わせて、試合が始まると出場モンスターが輪になって向かい合い、視点がゆっくり回転しながら斜め上から戦いの様子が映し出されるという演出になっている。
また賭けるモンスターを選ぶ場面では、ここでしか見られない各モンスターの専用イラストが表示される。
ただし初期掛け金の上限が50枚のままで、あろうことかダブルアップが削除されたため、ますます稼げなくなってしまった。
- DS版
通常エンカウント枠をプリズニャンに奪われてしまい、プレイヤー側と戦う機会のなくなったベビーパンサーが戦う姿を唯一見られる場所になった。
スマホ版ではダブルアップが復活している。
スカラは敵側だけSFC版と同じだけ防御力が上昇するようになったため、どぐうせんしが再び勝ちやすくなった。
DQ6
スライム格闘場
DQ7
ダーマ神殿地下の決闘場
DQ8
バトルロード格闘場
DQ10
モンスター格闘場
DQ11
闘技場
関連イラスト