概要
グループに属さず超然と存在し、“路上のカリスマ”とまで呼ばれ誰からも一目置かれている男。
地元である下北沢では圧倒的な存在感を放っている。
「ヤンキー狩り」として有名になった神代ユウに強い興味を抱き、以後彼と関わることになる。
高校時代にインターハイ出場まで果たしたボクシングと中学時の白泉会の空手を基礎としたストリートで成熟させた喧嘩技術は、最初にユウと出会った時にバットやナイフを持った不良達を造作もなく倒した時や、カトー戦後に暴走していたユウを止めるためのタイマンで存分に発揮された。
普段は街のバーで、バーテンダーのアルバイトをしている。
過去
企業の顧問をしていた父親が不正疑惑で家を飛び出して以降「自分は臆病な父親と違う」と思おうとしていたが、高校時代に才能を発揮したために彼に嫉妬した先輩の渡辺を筆頭とするボクシング部員達と彼らが送り込んだ不良達に徹底的にリンチされ、最後には渡辺が拳をレンガで潰そうとしようとまでした故に恐怖から命乞いをしてしまい、「自分も臆病者なのだ」というコンプレックスに苛まれるようになってしまう。
その後は精神面が原因でのスランプに悩まされ全く勝てなくなり、それを克服するためにリンチに関わった先輩や不良達に暴行するという行為に及んでしまい、それを原因としたボクシング部の除名という処分により「表の世界」からの居場所を失ってしまう。
その後は夜の「街」にうろつくようになり、自己嫌悪に耐えられなくなったことから自殺目的でリストカットをするがそれも果たせず、薬の乱用や現在のユウのような不良達との路上での喧嘩など荒んだ日々を送っていくことになる。
しかしある喧嘩で自分を匿ってくれた少女に心の傷を理解されたことに感銘を受け、後日彼女のいた教会を訪ねたが……彼女が死んだ両親の後を追うために自殺してしまったことを知り、強い悲しみと共に自分の心と向き合うことを決意する。
現在は全盛期のような凶暴さは見せていないものの、喧嘩から手を切ったとはいえず、自らもその理由に対して悩み続けている。自身が戦わないシーンでは解説役として、読者に喧嘩や格闘のメカニズムを説明することもある。
ユウとの関係
ユウは当初、マサキのことを圧倒的な存在と思いながら接していたが、それ故にカトー戦後は彼のことまで自分を踏みにじる存在として逆恨みを始めてしまう。
そんなユウにマサキは、「お前だけが被害者なのか」、「傷一つなく生きている人間はいない」と本心を吐露した。
その後自ら倒したユウを介抱した時、ユウはマサキのリストカットの跡を見たことによって、彼が自分と同じ弱さを抱えていることを知る。
「ヤンキー狩り」としてのユウの強さに強く興味を持ったことから、マサキはユウに「夜の街にいたいなら前に進むしかない」と説き、拳を交えることも期待していたが、同時にユウが街の喧嘩によって居場所を手に入れようとする危険性も心配していた。
結末
違法ドラッグ「トゥルー」が街に蔓延していたことから、土屋や「トゥルー」に反目する「街」の不良少年達と共にドラッグキングに立ち向かう。
なお、ドラッグキング一派を叩きのめしていき、自らの憎しみに追い詰められていくユウに自らの過去を語り、「俺もお前と同じだった」と明かして彼の憎しみを和らげた。
ドラッグキング一派との抗争後、先に進むためにユウに最後のタイマンを申し込む。
その3年後、WKCと呼ばれるキックボクシング団体のプロ選手として活躍する姿が描かれた。
シンや土屋が控え室に訪れ、ノボルやヨースケ、下山と吉井、小原ヨシトも、その試合を観戦していた。
余談
作者曰く、マサキのモデルは「喧嘩ばかりしていた時に出会った、自分より遙か上を行っていた人」で、苗字の『伊沢』はその人物から取られたという。