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MAC10の編集履歴

2012-09-29 12:40:32 バージョン

MAC10

まっくてん

MAC10は、アメリカで開発された軍用サブマシンガン。

概要

 アメリカの銃器設計技師、ゴードン・B・イングラムが設計したサブマシンガン。毎分1000発と、サブマシンガンの中でも抜きん出た連射性能を誇る。


歴史

開発経緯

 もともと警察向けのサブマシンガンを設計していたゴードン・イングラムは、特殊部隊向けの軽量・小型のサブマシンガンを設計したいと考えていた。そして1964年、イングラムはアキアゴ・アームズ・インダストリー(AAI)社で新型サブマシンガンの設計を開始した。その後、Sionics社で試作が行われ、最終的に1970年、ミリタリー・アーマメント・コーポレーション(MAC)社から供給が開始された。

 正式名称『Model 10』、通称『MAC10』と呼ばれたこのサブマシンガンは、そのコンパクトさと優れた制圧火力から、軽量小型のフルオート火器を求めていたアメリカ軍特殊部隊に注目された。アメリカ軍はMAC10をテストし、軍用として十分な性能があるとして特殊部隊用サブマシンガンに選定した。

ベトナム戦争での活躍

 1964年のトンキン湾事件を経て本格化したベトナム戦争において、南ベトナム人民解放戦線(ベトコン)の戦闘員たちは、サイレンサを取りつけた軽量小型のサブマシンガンを用いて多大な戦果を挙げた。このことにショックを受けたアメリカ軍上層部は、軍特殊部隊にも同様の消音サブマシンガンを装備させ、彼らに対抗させようとした。

 当初、この種の任務に用いられていたのはスウェーデン製カールグスタフm/45であったが、ベトナム戦争に反対の立場をとるスウェーデン政府が供給を停止したこと、また連射速度に不満を持つ特殊部隊員が多かったことから、これに代わるサブマシンガンが必要になった。このとき、にわかに注目を浴びたのがMAC10であった。

 かくしてベトナム戦争に投入されたMAC10は、優秀な性能を示して兵士たちの期待に応えた。近接戦闘での制圧能力に優れ、また単純な構造ゆえに耐久性の高いMAC10は、高温多湿という銃器にとって過酷なベトナムの環境下であっても快調に作動し、多くの兵士たちの信頼を勝ち取ったのである。同時期に投入されたM16が作動不良を続発させ、兵士たちに忌み嫌われたのとは対照的であった。

 しかし、MAC10は扱いにくい銃でもあった。毎分1000発のフルオート・バーストと軽量な銃体という組み合わせは制御の困難さを招き、また2マガジンを撃ちつくした頃には、銃身はおろかトリガーまでが焼けてしまい、素手で撃つことは不可能に近かった。このため、MAC10はあくまで銃器の扱いに慣れた特殊部隊のみに支給された。

第一線からの引退

 ベトナム戦争終結から2年後の1977年、ルフトハンザ航空181便がパレスチナ人テロリスト4人にハイジャックされ、ソマリアのモガディシュ空港に強制着陸させられた。大勢のドイツ人乗客の生命を救い、テロリストを一網打尽にするべく、ドイツ政府は国境警備隊隷下の対テロ特殊部隊GSG-9に出動命令を下した。

 見事に彼らは期待に応え、テロリストを全員制圧し、乗客を救い出すことに成功した。このとき、GSG-9隊員たちが携えていたのが、ドイツ・H&K社が開発した新型サブマシンガン、MP5であった。セミオート射撃の命中精度に優れた本銃を用いて、GSG-9隊員たちは的確にテロリストのみを狙撃し、無力化していったのである。

 この事件は世界各国の警察関係者に強烈な印象を与え、間もなくMP5は各国の警察特殊部隊のスタンダード・ウェポンとして普及していく。このとき、戦後サブマシンガンの進むべき方向性ははっきりと指し示されたのである。

 しかし、これは同時にMAC10の退役を意味していた。オープンボルト、シンプル・ブローバックと、旧来のサブマシンガンの設計を踏襲した構造を持つMAC10は、新しい時代に適応できない存在であった。時代の流れは、サブマシンガンに制圧能力よりも命中精度を要求していたのである。

 こうして、MAC10は徐々に第一線から姿を消していった。

 しかし、それでも一部の特殊部隊は、頑固にMAC10を使い続けた。複雑な機構を持ち、頻繁にメンテナンスをしなければならないMP5と違い、単純明快な構造のMAC10は、多少クリーニングしなくても快調に作動したからである。最終的に、1991年の湾岸戦争まで、MAC10は米軍制式銃の一員として戦い続けたのであった。

非常に安価で構造が単純故に簡単な改造でフルオートが可能となり、民間向けに販売された時期にはこの銃による犯罪が多発した。

現在も単純故に密造が容易であるため、町工場レベルで製造されたものが多く存在し、摘発の際には毎度というほど出てくる程である。

密造品の中には撃てればそれ以外は気にしないというものもあり、銃身がライフリングのない鉄パイプだったというものすら存在している。

現在イングラム社は倒産したがマスターピースアームズなどがセミオンリーのモデルを拳銃カービンで販売している。


マッチョマンが持つととても小さく見える。


基本データ

全長296/548mm
銃身長146mm
重量2840g
口径9×19mmもしくは45口径
装弾数32発

関連イラスト

バレッタ


関連項目

UZIMP5TEC9

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