縁壱零式
よりいちぜろしき
概要
漫画『鬼滅の刃』に登場する、刀鍛冶の里に存在する鬼殺隊士の訓練用の絡繰人形である。
実際に剣を持って動き、対戦する事によって訓練を行う。甘露寺蜜璃が炭治郎に教えた、里に伝わる強くなる為の秘密の武器の正体。
その見た目は腕が六本あり、顔は炭治郎が夢で見た耳飾りの剣士に似ている。ちなみに腕が六本もある理由は、この人形の基になった戦国時代に実在した剣士の動きを再現するのに、それだけの数の腕が必要だったからだという。
造られてから三百年以上も経っているにもかかわらず、作成者の子孫である小鉄が修復困難であると思う程に、時代に反した高度な技術が使われている。
元は複数体あったがこれまでの訓練で破壊されており、現存するのは零式のみ。
初登場は原作の102話。時透無一郎が、小鉄の制止を半ば無理矢理振り切り、訓練に使用した。その結果、縁壱零式は腕を一本破壊され、再起動できるかも分からない状態になってしまう。無一郎は短時間で訓練を終わらせ、刃毀れした自分の刀の代わりに縁壱零式が持っていた刀を一つ貰って行った。
しかし、縁壱零式の真の訓練とは、人形の手首と指を操作する事で訓練相手の弱点を突くような動きを生み出す機能にあり、その機能を知らなかった無一郎は時間を無駄にしたらしい。
その後、縁壱零式の再起動に成功した小鉄による炭治郎の訓練が始まり、最終的に小鉄の後押しもあって炭治郎は縁壱零式に渾身の一撃を入れる事に成功する。元々壊れかけていた零式は頭部を完全に破損してしまうが、それにより内部に隠されていた戦国時代の物らしい刀が見つかり、紆余曲折を経て炭治郎の新しい愛刀となった。
余談
零式の装備してる刀の拵えは件の剣士の刀の物とまったく同じだったりする。また、無一郎が自分の刀の代用として半天狗や玉壺との戦いで使用したことから、質の良い日輪刀であるだろうことが窺える。
縁壱零式の読みは「よりいちぜろしき」なのだが、漢字の零をゼロと読むのは英語のゼロに対する当て字であり、本来、此の読みは明治以降に定着した物であり、それ以前はレイと音読みされていた。
その為、この人形が戦国時代に作られたというのなら、「よりいちれいしき」と読むのが正しい。
尤も、本作の時代設定が大正である事を加味すれば、明治に入ってから読みを変えたと考えれば辻褄は合う。そもそもの話、フィクションの世界に細かいツッコミを入れるのが野暮なのだが。
考察界隈では、この人形の作成者は継国景勝なのではと言われたりしている。
キメツ学園
スピンオフ作品「キメツ学園!」にて登場。
小鉄が玄弥の夏期講習テストの点数を上げるために使用した。
こちらはコンピューター制御のロボットでもあるらしく、プログラムするという小鉄の言葉に伊之助は「今プログラムっつったぞ!」、善逸は「さっきの指キリキリは何だったんだ!」とツッコんでいた。
ちなみに二体あり、もう一体は一学期期末テストの成績が悪かった炭治郎と善逸と伊之助に腕力ゆるめてたんこぶモードで使われかけた。(有一郎に教えてもらうことで使用はかろうじて回避できたものの、やっぱりたんこぶモードを試したい小鉄のせいで善逸と伊之助は零式に掴まれてしまう)
ネタバレ
刀鍛冶の里編での重大なネタバレあり、原作未読者注意
又、この人形のモデルとなった剣士は、後に全集中の呼吸を初めて編み出して、それを各人の適性に合わせて広めた呼吸の開祖と言える人物だった事も明らかになった。
彼を模して、呼吸の剣士の為の訓練用の絡繰り人形が作られた理由もその為だと思われる。