「よく思い出してごらんよ。あの時代……君らが子供の頃………ここ、成田空港はあったかね?」
概要
本名は万丈目 淳一郎
友民党の党首であり、“ともだち”の最側近。組織の中では唯一“ともだち”のことを「おまえ」と呼ぶ近しい関係性であり、オッチョからは「“ともだち”と一心同体」と見なされている。
作中の動向
一介の宗教団体であったともだち組織が勢力を拡大し政治に介入した後は、表舞台で政治を動かしていく。
その一方、かなり俗的な人物であり、国会議員に貢物をさせたり、愛人を大量に囲ったり、ドラッグを嗜むなどやりたい放題であった。
だが、“ともだち”の訃報を聞いて際には、遺体の前で激しく動揺し泣き崩れ「消えてしまいたい」と大量のドラッグを吸引するほど彼に依存していた。
その後、ヴァーチャルアトラクションで“現実逃避”をするが、死んだはずの“ともだち”が現れ、彼にシステムを強制終了させられる。
万博会場で“ともだち”が復活劇をしてからは再び腹心として計画を進めていく。
ともだち暦以降は精鋭である親友隊を統括しており、なおも中央で強い権力を握っていたが、ウイルスの被害状況をまとめた定例会議にて、“ともだち”が自分の信じた“ともだち”ではなくなっていると気付き、捕らえたオッチョとカンナに“ともだち”の暗殺計画を持ち出す。
しかし、幹部の1人である高須に暗殺計画が漏れ、ヴァーチャルアトラクションの接続中に彼女に殺害され、精神だけがアヴァーチャル内(仮想世界)に留まり、半ば幽霊のような存在になってしまった。
後にアトラクション内に訪れたケンヂと接触。迂余曲折を経て自分の死と過ちを知り、後に人類の危機を救う行動を起こし、成功した際には無念が晴れたかのように消滅した。
過去
本名は万丈目淳一朗といい、当初はギョーカイで有名になることを夢見て露天商を経て興行師“チャック万丈目”を名乗ってローラーゲームなどの団体を設立したり、プロダクションの経営をしていた。
露天商であった1970年代はマジックグッズや胡散臭いSFグッズを売っていて、その頃に“ともだち”と出会い何度か交流を続け、彼に手品用の小道具を提供したりもしていた。
興行師に転身した後は、1972年に“ともだち”を超能力少年としてテレビ番組に出演させようとした事もあったが、直前にイカサマが周囲にバレてしまい放送は中止。番組自体も打ち切られ万丈目自身も立つ瀬を失い、“ともだち”とも疎遠となった。
1980年では借金を背負いながらも、細々とプロダクション経営で生計を立てていた。
ある日、彼の事務所を訪れた“ともだち”と約8年ぶりに再会。当初は“ともだち”に全く取り合わずにいたが……
「プロダクションの経営、うまくいってないんだってね?」
「借金ぐらいすぐに返せると思う」
“ともだち”からの誘いを受けて共にサークル活動を始める。
その際、彼の奇跡を演出するイカサマに協力していたのだが、その稚拙さに「場末のマジックショーのほうがマシ」と思いながらも、観客の誰も彼もがイカサマを疑わず、そのカラクリを知っている舞台の裏方スタッフでさえ奇跡を信じさせる“ともだち”のカリスマに魅入られ、彼と共に頂点に至ろうという野望に目覚める。
なお、作中ではハーバード大学卒の経営コンサルタントという、友民党設立以前の国会議員としての彼の経歴が出ているが、その経歴は“ともだち”の組織によるでっちあげである。
実写版
演:石橋蓮司
第1章と第2章は概ね原作通りであるが、最終章では真実を知り過ぎているからと“ともだち”に疎まれて左遷され、原作における関東軍総統の役割を担う。
そのため、原作にあった“ともだち”への依存心や忠誠心も皆無で、自分が協力したせいでこんなことになったという後悔と罪悪感、人類滅亡の恐怖から酒に逃げ続けている醜態をさらしている。
こちらでは高須に殺害される事なく、殺し屋と同じく自殺も阻止された事で終盤近くまで生存していた。
最終局面では、“ともだち”を拳銃で撃ち、巨大ロボットの再起動を阻止する活躍を見せるが、「これで俺は正義の味方になれたのか」とケンヂ達に問い掛けた直後、“ともだち”の持っていたリモコンが地面に落ちてスティックが曲がり、倒れてきたロボットの下敷きとなった。