概要
『グラディウスⅢ』を持って一応の完結を見たグラディウスシリーズが10年ぶりに復活したのが本作である。
グラフィックは同シリーズで初めてフルポリゴンで描かれているが事実上2Dシューティングゲームに収まっている(これは本作で使われているHORNET基板には3dfx社のVooDoo2がGPUとして搭載されていることも理由ではあるが)。
BGMが初めてAC版においてステレオ対応が採用された作品でもあり、フュージョン調のBGMもシリーズでも類を見ない試みとなっている。
ストーリー
人々の記憶からはすでに遠い過去のこと…
破壊惑星"バクテリアン"の名は忘れ去られようとしていた。
惑星グラディウスは復興し、平和があたりまえの世になった。
しかし、悪夢はふたたび訪れた。
突如出現した圧倒的戦力の前に、グラディウス防衛軍は降伏寸前となる。
…そのときグラディウスの空に、1機の白い機体の飛び立つ姿があった。
装備
本作はシリーズでは珍しく、既存のお馴染み装備の4つに加え新規で2つ追加された計6つとなっている。(スピードアップとオプションは全装備共通なので省略)
シールドは例の如くシールドとフォースフィールドの二種類が選択可能。
1番装備
MISSILE:ミサイル
DOUBLE:ダブル
LASER:レーザー
初代から受け継がれている伝統装備。
可もなく不可もなくな装備。
2番装備
MISSILE:スプレッドボム
DOUBLE:テイルガン
LASER:レーザー
グラディウスⅡから受け継がれている装備。
スプレッドボムの火力と攻撃範囲が強力で後方を攻撃できるテイルガンが便利だが上方への攻撃手段が無い装備。
3番装備
MISSILE:フォトントーピード
DOUBLE:ダブル
LASER:リップルレーザー
グラディウスⅡから受け継がれている(ry
ザコ貫通力のある直下落下ミサイルと攻撃範囲の広いリップルレーザーの組み合わせ。
地味だが結構安定する装備。
4番装備
MISSILE:2wayミサイル
DOUBLE:テイルガン
LASER:リップルレーザー
グラディウスⅡから(ry
上下左右と死角の無い安定と信頼のおすすめ装備。
5番装備
MISSILE:ヴァーティカルマイン
DOUBLE:ダブル
LASER:アーマーピアッシング
本作の新規装備その1。
投げるように発射するヴァーティカルマインは敵に命中するか地形に落ちた後に一定時間で縦型の爆風が発生する、火力と連射力がスプレッドボム以上に高い非常に強力な武器。方向キーの入力で投げる角度がある程度変えられる。
アーマーピアッシングは一見レーザーのように見えるが名前の通り徹甲弾、判定が先端の弾のみでしかも通常ショットより判定が小さく連射力も低いアクの強い武器。
ミサイルとレーザーの性能が真反対の浪漫装備。
6番装備
MISSILE:フライングトーピード
DOUBLE:テイルガン
LASER:ツインレーザー
本作の新規装備その2。
フライングトーピードはボタンを押している間は上下に一発ずつ発射しボタンを離すとその場で正面に直進する。
ツインレーザーは連射力の高い細く小さいレーザーを二連射する。
地対空に優れた万能装備であるがミサイルの仕様上ボタン操作が複雑化しがちで使いこなすのが難しい玄人装備。
評価
内容がグラディウスIIの焼き直しであり、焼き直しという点はスタッフも「ゲームバランスを良くするため」と公式で半ば認めており、その影響かラスボスも復活したIIのゴーファーと同一の存在となっている。(焼き直しという点はステージの要素や全体の構成が似てるというだけで言うほどそっくりではないので伝統やオマージュという声もある)
グラディウスシリーズ初の3Dポリゴンになった作品ではあるも、1面のボスのリアルタイムでスムーズな変身や8面のボスの装甲が透ける演出など3Dならではの演出が光る部分こそあれ、敵の動きがシームレスで複雑になっただけで3Dならではの立体感を活かしきれていないというのを批判点として挙げる声もある。(画面上の動きが滑らかになっただけでも次世代の新作としての新鮮味があるという意見もある。問題点というよりは課題点止まりの部分でありゲームをプレイする上では全く支障は無いので完全に演出における好みの問題でもある。)
ランダムパターンが多いなどAC版グラディウスⅢほどではないにせよ難易度が非常に高い。
反射神経やアドリブ力が要求される事が多く、これは攻略パターンを発見し構築して安定して突破することが多いグラディウスシリーズではあまり求められなかったスキルである。
その為、古参のシリーズのプレイヤーほど噛み合わず苦戦してしまう事が多く、元々の難易度が高いので新規プレイヤーは最低難易度でも厳しいのがネットのあちこちで(テンプレのごとく)囁かれている賛否両論(を模った低評価)に繋がっていると思われる。
一方でシリーズで鍛えられた根気のあるプレイヤーや難しいゲームをクリアすることに喜びを見出す高い技量を持つプレイヤーからの評価は決して悪くはなく、シリーズのお約束を押さえたステージ構成やランダム要素によるマンネリのなりにくさや、今ほど発達していないフルポリゴンによる味のある演出などに所謂レトロフューチャーを見出すライトユーザーも少なくなく、理不尽な難易度や致命的なバグも無いので普通に歯ごたえのあるスルメゲーと評価する声も上がってきている。
装備に関してはIIの装備に加え新規2パターン追加されたものになっているが既存装備は弱体化補正が入っており使い勝手がいいとは言えない。(それでも既存の性質はそのままなので、あくまで歴代と比較しての話であるが)
新装備に関しても6番装備は評価が高いがミサイルを使いこなすにはそれなりの技術が要求され、5番装備はミサイルに当たるバーティカルマインが非常に強いもののレーザーに当たるアーマーピアッシングが3面の泡以外に強みが薄いとされている。
また、ステージ全体を通してのパワーアップカプセルの排出量は歴代のシリーズでは比較的多い方であり、ミスからの装備の立て直し自体は(難易度がシリーズの中でも高い本作ではあるが)実は歴代シリーズの中ではまだやりやすい方である。
シリーズで初めてコンティニューが採用された作品ではあるが、最終面だけコンティニュー不可能という謎仕様になっている(但し、PS2移植版は難易度設定がEASY以下に限りこの制限が撤廃されている)。
また、シリーズの通例上周回ループ制になるかと思われたが、工場出荷設定では「2LOOP END(2周エンド)」になっている(店舗によっては周回数無制限の「ENDLESS」に設定して稼働させることが可能。逆に「1LOOP END」の設定も可能)。
BGMは基本的にいずれもステージの雰囲気に合ったものであり、これまでのグラディウスとはいい意味で違った雰囲気となっている。
ボス戦は曲数が少なく、要塞面の壁コア戦後に流れるBGMも過去の要塞面無敵ボスと比べて重々しさが無い爽やかな曲に違和感があるという声は存在するものの曲自体の人気は高く2面のBGMと並ぶ本作の二枚看板となっている。(ただ、移植版では画面と一緒にBGMも処理落ちしリズムが狂ったり音飛びしたりすることも。)
何かと賛否両論が分かれたり、(主に)古参を自称するプレイヤーやエアプレイヤーから必要以上に目の敵にされたり、移植やアーカイブ配信の機会が少なかったりなど不遇な作品であるがこの作品がなければ後のグラディウスⅤやグラディウスリバースやオトメディウスシリーズに繋がらなかったのも忘れないで欲しい。
そういう意味ではグラディウスⅣはシリーズを文字通り『復活』させてくれたとも言えよう。
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