グラディウスⅢでもAC版とSFC版では異なる部分がある為、両方を説明する。
グラディウスⅢ~伝説から神話へ~
ACで1989年にリリースされたバクテリアンとの直接対決を描いた作品。
当初はグラディウスシリーズの完結編としていた為かべらぼうに難易度が高い事で有名であった。数えたらキリがない程の難所が多く、特に有名なのが前方からクリスタルの立方体が襲来する「キューブラッシュ」、要塞ステージの『初見ではわからない進入ルート』「回転レーザー地帯」「中間ボスのシャドーギア」、バクテリアンに続く道中の「肉団子地帯」が多くのプレイヤーを苦しめた。
ビギナーモードは3ステージまでしか遊べない。…と、いうかグラディウスシリーズでは一二を争う初心者にはオススメできないシロモノである。
装備を個別に選べるウェポンエディットが用意されている。装備にメガクラッシュがある為、青カプセルが存在しない。
家庭用完全移植はPS2のⅣとのカップリング作品「復活の神話」とPSPの「グラディウスポータブル」まで待たねばいけなかった(後述)。
なお、このⅢでは見た目よりも大きい当たり判定が設定されており、一例として「二面の泡を○に例えるなら、当たり判定を□としてその□の中に泡のグラフィックが入っている」といったものがある。
(他にも多数あるがここでは割愛)
ラスボスが放つ弾に当たると初代グラディウスのステージ1もしくは沙羅曼蛇のステージ1を復刻した隠しステージに飛ばされる。しかもちゃんとビッグコアやゴーレムも登場する。この隠しステージをクリアすると本編のラスボス手前のエリアからやり直しになるが。
そして、バグも多数発覚している。その中でも代表的なものが「無敵バグ」で使用した者は「確実に出禁を食らう」とまで言われている。
※尚、海外版や修正版では大半のバグが修正された。
色々と伝説を残したこの「伝説から神話へ」も2020年10月にアーケードアーカイブスのラインナップ入りする事が発表された。
そして2020年12月24日にアーケードアーカイブス「グラディウスⅢ」が配信。「OLD版」「NEW版」「アジア版」「カスタムモード」をプレイできる。「カスタムモード」はオプションハンターが出てくる時間の設定やボタン一発フル装備かつステージセレクトのほか細かい設定が可能になっている(各種バグの有無も含む)。このモードではビギナールートは選択できない。…が、難易度を「易しい」に設定しようが、これを以ってしてもかなり難しい。
ちなみに「OLD版」のみ「無敵バグ」「突然死バグ」が再現できる。
グラディウスⅢ(スーパーファミコン)
1990年に家庭用移植されたグラディウスⅢ……なのだが、AC版の完全移植とは言えない別物。
異なる部分や変更された部分が多く、一部ステージの削除や一部ギミックの不採用等AC版プレイヤーからは不評の声もあった。…と、いうかAC版の方が鬼畜極まりないと言った方が正しい。難易度はグラディウスⅡと同じくらいまで下げられている。
ただし、ウェポンエディットでAC版で使いどころに難があった装備の削除やSFCで新たに用意された装備や一部装備の強化、青カプセルの復活といった改良点がされている。その為エディット装備はこちらの方が多い。また、難易度をアーケードに寄せた隠し難易度も存在している。
AC版と異なり、クレジット制のコンティニューがある。裏技でクレジット数の変更や残機MAXが可能(クレジット数と残機MAXは併用できない)。
ボスラッシュではAC版よりボスが少し減っているが「ビッグコアMk-Ⅱ・改」「クリスタルコア」「カバードコア」にオリジナル曲が用意されている。ボスラッシュの前座のザブ地帯はAC版だと数が少ないが倒すとカプセルを出す弾を放ってくるザコ「デモス」だったのだが、SFC版は従来通りザブである為、ミスした場合にパワーアップして立て直す事がよりやりやすくなっている。リトライもAC版は最初に登場するボスからやり直しだったが、SFC版は倒したボスは省略されてリトライになる。
なお、当時ファミコン版『グラディウスⅡ』では登場しなかった「デスMk-Ⅱ」「ビッグコアMk-Ⅱ」はようやくSFC版で登場した事となる。
一方オリジナルボスとして「ビーコン」が本作でキューブラッシュ未収録の関係でリストラされたリザードコアの代わりとして登場した。このビーコンはその後時を超えて『グラディウスV』において強化された上で復活することになる。
ちなみにこの作品でも上上下下左右左右BAがあるのだが、そのまま入力するといつも通りフル装備と思いきやポーズ解除した瞬間……。
同コマンドのうち、ある個所を「捻って」入力するとちゃんといつもの全部載せが発動する。
SFC版はAC版とは逆に当たり判定が小さめになり、こちらも二面の泡で例えるなら、泡のグラフィックの内側に当たり判定が設定されており、概ねグラフィックの内側に当たり判定を設定する事により見た目に準じたものになっている。
家庭用グラディウス(主にMSX版)にあったエクストラステージが存在しており、該当するステージの何処かに入り口が隠されている。また、AC版の先述の隠しステージは無いのでラスボスの弾は当たると単なるミス扱いになる。
AC版にあったバクテリアン撃破後の高速脱出ルートは無いが、脱出シーンはある(BGMも異なる)。難易度EASYだと最終面クリア後に脱出デモがなくいきなりスタッフロールになるちょっと味気ないエンディングになる。NORMAL以上だと脱出シーンがある。HARDをクリアした場合、SFC版最高難易度「ARCADE」の出し方のヒントが出る。
ちなみにSFC版のパワーアップボイスはAC版と違ってややシブいボイス。やや小林清志氏っぽい。
余談
AC版のサブタイトル「伝説から神話へ」はおそらくドラゴンクエストⅢの「そして伝説へ…」をネタにしたものと思われる。さらにパロディウスだ!でサブタイトルが「神話からお笑いへ」とパロディにされている。
海外版グラディウスシリーズは日本国内版と異なるタイトル(グラディウス→ネメシス、沙羅曼蛇→ライフフォース、グラディウスII→バルカンベンチャー)だったが、Ⅲで同じタイトルになった。
ただし、海外AC版のOPは何故かこれまでのシリーズが表示されなくなっており、いきなり「1989」から表示される。
PS2に移植された「グラディウスⅢ&IV 復活の神話」では入力遅延が生じていることで賛否両論となった。なお、難易度を最低にしてもかなり難しいとされる。
ウェポンエディットでレーザーのカテゴリから選ぶ事のできる、チャージタイプの「エナジーレーザー」は実はSFC版の方が攻撃力が上であり、最大チャージ弾は1~2発程度でボスを轟沈させるくらいの威力を持つ凶悪性能である。なお、SFC版は最大チャージされた時点で自動的に発射される。
ただし、オプションで連射を切っておかないとチャージできなくなり通常弾とあまり変わらない弾の連射になるので注意。この点はSFC版極上パロディウスの「あいつ・こいつ」実況おしゃべりパロディウスの「そいつ」のエナジーレーザーでは解消されている。
空中戦BGM2である「Try to Star」はSFC版には未収録…だったが、まさかの実況おしゃべりパロディウスで採用された。
また、AC版のオープニングBGM『Prologue of Legend』はSFC版では別曲に変更されているが、実はある場所で使われている。それはコンティニュー画面でアレンジされた形で使われており、しばらくその画面で放置してるとわかる。
2019年に海外で「SFC版グラディウスⅢを特殊チップSA-1に最適化したプログラム改造」がハッカーの手で発表された。
それによると本来のSFC版は本体CPUのみだと処理落ちするのだが、カートリッジに搭載される特殊チップ「SA-1」に最適化すると起動が早くなるだけでなく、処理落ちが発生せずに滑らかに動くようになったという(オリジナルの2~3倍早くなったとの事らしい)。しかし、それの弊害もあるようで敵弾の速度も上がったりする等、人間にはクリアが非常に困難になってしまう可能性も出たとの事。これはSFC本体のCPUクロック周波数よりもSA-1の方が上(SFC本体:3.58MHz、SA-1:10.74MHz)だからである。
一例としてこのSA-1最適化グラディウスⅢではビッグコアMk-Ⅲの反射レーザーの処理落ちが無く、「通常のグラディウスⅢ以上、AC以下」という速度で放たれる話だが、実際の速度はこれよりもかなり速い事が判明している。それどころか難易度NORMAL以上だとさらに放ってくるレーザーの方がもっと発射間隔が短くかつ速い。
余談だが、同じコナミのSTGでは実況おしゃべりパロディウスにSA-1が搭載されている。
シリーズ他作同様音楽面、グラフィックの評価が高い。今作では特に効果音が評価されている他、ボスにも個別のBGMが割りあてられている。また、発売時期がバブル真っ只中だったこともあり、通常サントラの他オーケストラアレンジのサントラも発売されており、特にオーケストラアレンジ版の「序曲」は1991年4月~1994年12月の間、フジテレビ系列で放送していた「スーパー競馬」のG1レース本馬場入場曲として使用されたことでも知られている。
関連タグ
実況おしゃべりパロディウス - グラディウスⅢのパロディがあるが、SFC版をネタ元にしている。