概要
ビックバイパー(Vic Viper)とは、コナミの横スクロール型STG『グラディウス』シリーズの自機であり、惑星グラディウスの主力戦闘機にして「超時空戦闘機」の異名を持つ。
ある意味ではコナミの顔ともいえ、派生シリーズである『パロディウス』・『オトメディウス』はもちろんのこと、『遊戯王OCG』や『ANUBIS』、『スカイガールズ』、『武装神姫』、『GetRide!アムドライバー』、『モンスター列伝 オレカバトル』などのゲームや映像作品にもビックバイパーを模した兵器やキャラクターが登場している。
しばしば「ビッグバイパー」(Big Viper?)と間違えられる場合があり、コナミでさえも時々間違える事がある。ただし、MSX版『パロディウス』においてはこちらが正式名称である。
外部リンク
参考画像
本家(?)
シリーズによってエンジンが単発化していたり、垂直尾翼がT字型だったり、細部のカラーリングが異なっていたりするが、外観を大きく変える程の極端なモデルチェンジは無く、単垂直尾翼と長く前方に伸びたストレーキはいずれのシリーズにも共通する。(イラスト下側の機体はMSX版『グラディウス2』の自機メタリオン)
MSX版シリーズには後継機種としてメタリオンとヴィクセンが存在し、主なパイロットとしてジェイムス・バートンとその子孫デイヴィッド・バートンが搭乗する。また、ファミコン版『沙羅曼蛇』では、ビックバイパーのパイロットが女性である事がノーコンティニュークリア時のエンディングにて判明する。
遥か数千年後の世界(グラディウスNEO)には、ロストテクノロジーで造られたフォースバイパーが発掘されており、どこかの時代でビックバイパー系列の技術ならびに開発が途絶えていたと思われるフシがある。
ANUBIS Z.O.E版
右が高機動形態、左が戦闘形態。
レオ・ステンバックが搭乗する高性能可変型アドバンスドLEVで、デザインは新川洋司氏。既存LEVとは違いメタトロン技術やメタトロンコンピュータを導入しており、オービタルフレームに匹敵するほどの性能を持つ。レーザー、リップルレーザー、オプションの他、突き飛ばし効果のある実弾を発射するガントレットを装備している。ANUBIS本編に登場するものは3号機のビックバイパー零。1、2号機はSTORY BETWEENに登場し、1号機にロック・サンダーハート、2号機にレオが搭乗した。サンダーハートの駆る1号機はバフラムの攻撃からアトランティス号を守り大破、レオの2号機のその後は不明。
高機動形態で行う隠しミッション『ZORADIUS』では、本家『グラディウス』と同様のパワーアップシステムとなった3Dシューティングゲームであるが、実は本家ビックバイパーではありえないレーザーとリップルの同時装備かつ同時発射が可能となっている。これはレーザーとリップルに充てられているボタンが個別だからこそできる芸当である。また、ゲームシステムの関係上2方向攻撃可能なダブルが存在しない。
実はビックバイパーが変形してロボットになるのはビックバイパー零が初めてではなく、PCE版『ときめきメモリアル』のおまけSTGでありながら『グラディウス』と同じ世界設定の『フォースギア』の自機であるα-GLAYが初である。
オトメディウス版
『オトメディウス』の主人公空羽亜乃亜が搭乗するエアバイク型小型戦闘機(ライディングバイパー)として登場。亜乃亜本人もビックバイパーをモチーフとしている。
本家よりも青が強調され、凹凸が少ない丸みを帯びた形状。見てくれはともかく、装備はダブルにレーザーそして自機の移動に追従するオプションと、旧作品に登場するビックバイパーの装備を踏襲したオーソドックスなもの。今回はゲージの順番はそのままに装備を換装できるが、サイクロンレーザーやツインミサイル、リップルレーザーといった『沙羅曼蛇』系の装備は使用不可能になっている。
所謂ボムに相当するバーストアタックもあり、バーストボタンを押してすぐに離すと画面内の敵にダメージを与え、敵弾を消去するクイックバーストが発動、バーストボタンをしばらく押し続けて離すとドラマチックバーストが発動するが、バーストボタンを押し続けている間は攻撃が一切できず、発動後はオプションが外れてしまう(再回収は可能)。この機体のドラマチックバーストは貫通する追尾レーザーを放つもの。
因みに、同作に登場するポイニー・クーンの言及によれば、この機体はすべてのライディングバイパーのプロトタイプがそのまま与えられたものらしい。オトメディウスXではとある条件を満たすとメタリオンに進化する。
遊戯王OCG版
カード名は「超時空戦闘機ビック・バイパー」。アニメにも登場し、御伽龍児と海馬乃亜が使用している。
専用サポートカードとして「オプション」「サイクロンレーザー」がある。
因みに、設定上のビックバイパーの後継機であるビクトリー・バイパーXX03もカード化されている。ビクトリー・バイパーXX03専用サポートカードには「パワーカプセル」がある。
スカイガールズ版
統合人類軍の最新鋭戦闘機として登場。純粋な戦闘力は主役機であるソニックダイバーを上回る。バリエーションとしては珍しく前進翼を備えており、レーザーやミサイル、オプション等原作を踏襲した兵装を装備している。
GetRide!アムドライバー版(ボードバイザー、ネオクロスバイザー、ソードダンサー)
アムドライバーが装着可能なパワードスーツに変形するバイザーと呼ばれるビークルがあり、ボードバイザー(右上)、ネオクロスバイザー(左下)、ネオボードバイザー・ソードダンサー(左上)の3機がビックバイパーをモチーフとしている。ソードダンサーにはガンシンガーという同型機があり、武器が剣から銃に変更されている。
公式にビックバイパーとは明言されていないものの、青と白を基調としたカラーリングに二股状の機首は紛れもなくビックバイパー。ボードバイザーのデザイナーは玩具屋の店員が「ビックバイパーはいつ入荷するの?」と話しているのを耳にして「勝った」と思ったそうな。なお、ビックバイパーをモチーフにしたのはコナミからの指示ではなくデザイナーの独断とのこと。
子供向け玩具としての『アムドライバー』は惜しくも失敗に終わったが、その反省から大きなお友達向けに路線変更したのが『武装神姫』である。それ故に武装紳士からは「武装神姫のお兄さん」と呼ばれている。
また、非公式ながらもジョイントの径がほぼ同一で互換性があり、『武装神姫』の換装パーツとして流用出来る事から番組終了後数年経った後に武装紳士の間で争奪戦が発生、一部の製品にはプレミアが付く事になった。
(左:ボードバイザーを装備したヴェルヴィエッタ。右:兄妹ネタ)
武装神姫版(ヴェルヴィエッタ・リルビエート)
青い方がヴェルヴィエッタで、赤い方がリルビエート。リルビエートに関しては「本当は相方のロードブリティッシュにしたかったんじゃないか?」とかウワサされており(一応それらしい形に組み替えることも可能だが)、名前に関しても「LB」=Lord Britishと頭韻を揃えている(なお相方も「VV」=Vic Viper)。青いヴィルヴィエッタの主武器が銃で、赤いリルビエートの主武器が剣なのはアムドライバーとは逆になっている。
双方ともに身体に纏う武装パーツがビックバイパー風の戦闘機に組み換え可能で、この状態からヒューマノイドモード(人型ロボット)へは差し替えなしでの変形が可能。さらには神姫に装着するパワードスーツにもなる。
因みに上記の『スカイガールズ』版ビックバイパー、『武装神姫』のビックバイパー型神姫共に明貴美加氏がデザインを手掛けている。
パロディウス版
たいやき屋を営んでおり、「超時空戦闘機」と呼ばれた過去の栄光を求めている。年齢は58歳。シリーズ最初期のMSX版では何故か『ビッグバイパー』となっており、見た目も変わっている。全体的に丸みを帯びたデザインで、『コナミワイワイワールド2』では地面に接すると足が出て歩行する。シリーズを通じて皆勤ではあるが、何故かパチンコ版等には出てこない。
ちなみにSFC版『極上パロディウス』と『実況おしゃべりパロディウス』ではパワーアップゲージの「?」がシールドからフォースフィールドに変更されている。さらに『実況おしゃべりパロディウス』ではオプションの色が『グラディウスII』の従来型装備と同様に緑色となり、ビックバイパーと同一の装備でパワーアップゲージの配列が異なるたいやき屋の常連客かつパロディウス軍団の一員である妖精の『スゥ』が登場する。
『セクシーパロディウス』ではビックバイパーを影から支えてきたという設定の『ブラックバイパー』なる戦闘機が登場。『ツインビーヤッホー!』から客演のシューティングスターとシステムを共有しており、自動で連射&敵に回頭するオートオプションや2種類の溜め撃ちにより、武装ランク上昇を抑えながら戦える本作の最強機。因みに本作では2人同時プレイではキャラの仲の良さに応じて特殊攻撃を繰り出せるが、ブラックVは特別な仲のビックVや相性のいいSスター、全キャラとの相性が普通であるマンボを除いた全員と仲が悪い。
エアフォースデルタ版
3作目『ブルーウィングナイツ』にて隠し機体として登場。見た目は『グラディウスⅤ』のビックバイパーT-301に近いが、リアル志向のゲームなためか青色がかなりグレーがかっている。3Dフライトシューティングであることとパワーアップカプセルの回収ができないことから、最初からミサイルとリップルレーザー、ツインレーザーの3種を装備している。
岡部いさく氏の解説文では上記パロディウスの設定についても軽く触れられているが、本作の機体と原作およびパロディウスの同機体の関係は不明だという。
使用時は第1作の「Flee Flyer」か、FC版『グラディウスII』の「Heavy Blow」のいずれかが専用BGMとして流れる。
因みに前作『Ⅱ』ではそっくりさんの「XF-0002 Phosphorus」が登場。ビックバイパー以上に前衛的な形状とリアルな配色になり、専用BGMとして「Power of Anger」とWe followed the sunのリミックス・アレンジが流れる。
ドラゴンコレクション
「蒼星竜ビックバイパー」と「紅星竜ロードブリティッシュ」が存在。ドラゴンコレクションなだけあって戦闘機ではなくドラゴンである。見た目的には超時空戦闘機を胸鎧として着込んだ白い竜。
モンスター列伝 オレカバトル
第五章で「時空竜ビックバイパー」として☆4で登場。こちらもドラゴンだが、ドラゴン自身の頭部がビックバイパー的なデザインであり、蒼星竜とは別物。性能は元ネタも相まり、登場当時はドラゴンとしては珍しい単体攻撃特化型モンスターとして注目を浴びた。そして実は、オレカバトルでの「対象を選択できる高威力技持ちのドラゴン」は、こいつが元祖だったりする。
「インパルスブレス」「レーザーブレス」「対地キック」などといった攻撃面は、すべて単体を対象とした技である。
このうち、
- 「インパルスブレス」「レーザーブレス」は対象を選択可能な単体攻撃。
- 「対地キック」は対象がランダムな代わりに、攻撃する相手が土属性なら2倍のダメージを与える。…翼があろうが飛んでようが2倍になる。
…2倍ダメージにする相手を間違えてるのではないだろうか?
補助面は、
- 自身のスピードを上げる「スピードアップ」
- 味方の空きにオプションを出現させる「オプション召喚」
- コマンドランクを最低まで下げる代わりに攻撃を4回まで防ぐバリアを張る「フォースフィールド」
「オプション召喚」が使いにくいので、消してしまう人もいそうだが、そこは問題ない。
オプションはEX技でも、下位で4つ、上位で6つ出現し、ビックバイパー自身とともに一斉砲撃を行う。
もちろんパワーカプセルも第6章解禁と共に専用パワーアップアイテムとして登場している。「リーダースキャンでオプションがつく」「最初からフォースフィールドが張られる」…なんてことはないが、他のボス化したコラボモンスター同様、攻撃力の強化ができるので、回収して損はない。
また、カード化イラストも通常版は『グラディウスⅡ』、イラチェン版は『グラディウスV』のパッケージが元となっており、グラディウスファンならここも見逃せない。
スーパーボンバーマンR版
発売後のアップデートにて、「ビックバイパーボンバー」として登場。全身白のボディに、ビックバイパーそのものな頭部デザインが特徴の超時空戦闘ボンバーマン。特徴的な武装たるオプションも、「オプションボンバー甲」「オプションボンバー乙」として『セクシーパロディウス』以来のプレイヤーキャラ化となった。
また、上記『ANUBIS』版も「ビックバイパー零ボンバー」として登場し、こちらは元が人型であることから全身ほぼそのまま、体型をボンバーマンっぽくデフォルメしたデザインとなっている。
キャラ固有の能力はそれぞれ、ビックバイパー及び零が一方向にダッシュ移動する「スピードアップ」、オプションが触れた相手の能力をコピーする「トレース」。