ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

先物取引の編集履歴

2024-09-09 08:15:47 バージョン

先物取引

さきものとりひき

商品取引のひとつで、予め決めた値段で売買を行うこと。

概要

まだ出回らない、熟成する前の段階での先立っての取引。対義語は「現物取引」。

その商材が将来どう値動きするかを予測して売買し、利益を出したり損失を抑えたりする。

先を予想して利益を狙うという点では現物の投資と同じだが、取引の期限(限月)が予め設定されている点で性質が異なる。


通貨株式債券、コモディティ(主に原材料。鉱物農作物原油など)といった感じで、頻繁に売買されるものが幅広く対象となる。中には金利恐怖指数(VIX)など、概念を指数化したものを対象としたものもある。

なお株式に並んで投資商品の鉄板の一つである不動産における「先物」は意味が異なるので注意。


先物の歴史は古く、農業技術の発達していなかった頃は次の収穫時点での豊作・凶作のどちらかを予測できないことから、予め農作物の売買価格を決定しておく先物取引がよく行われていた。

江戸時代大阪が「天下台所」と呼ばれたのは全国からが集まったことに加えて、この先物取引を組織的に行い、投機的な有価証券も発行して発展していた堂島米市場が存在したからである。


用途

攻めと守り

先物には「攻め」と「守り」の2種類がある。

「攻め」の先物は、現代ではデリバティブ(金融派生商品)の一種としてレバレッジ借金)を用いた投機・マネーゲームの代表格となっている。先物といえば一か八かの、ハイリスク・ハイリターンの大冒険というイメージが一般人には蔓延しており、実際そういう部分があることは事実である。

「対象指数の○倍の値動きを目指す」と謳うレバレッジ型の投資信託も、先物の仕組みを利用することで値動きを実現している。


しかし実は「守り」の方が一般人には身近な存在であり、実際に投資信託ではリスクを抑えるための手段として頻繁に用いられている。外国資産を扱う投資信託で「為替ヘッジあり」の商品を買う場合は、先物を利用して急激な為替変動を起こさないようにしているし、オルカン・S&P500など大人気の低コスト株式インデックス投資信託では為替ヘッジが無い種類のものでも、対象指数との連動精度を高めるために、資産全体のうちの1%程度が先物となっているのが一般的である。

要は包丁と同じで、遣い方次第では凶器にもなるし、あるいは便利で生活を豊かにするものにもなる


利益を得るために参加している者を「スペキュレーター」、現物のリスクヘッジ目的で先物取引に参加している者を「ヘッジャー」と呼ぶ。


現物の先行指標としての先物

先物の値動きは現物取引にも大きな影響を与えるため、現物専門の投資家でも、短中期で売買する場合は先物取引の値動きを無視することができない。


現物の場合は日中しか取引できないが、先物は夜間の部もある。そのため次の日の戦略を練る上で、現物投資家によく参照される。先物を見れば昼には上げていた日本株が、米国市場の動向によって下げているのが、日本時間の真夜中や早朝でも確認できるのである。


また海外の取引所で上場していた現物の投資信託(ETF)が日本にも上場する場合、取引市場の開場時間に時差があるため、その基準価額の値動きは先物取引のものが参照される。


その他

レバレッジの無いタイプの先物ETFを購入すれば、現物のような感覚で、気軽にコントローラブルな範囲で先物取引をすることができる。

ただし長期的には価値が増えていく場合が多いとされる株式インデックスとは異なり、限月の近い取引と遠い取引では先物の値段が違うため、長期所有だと価値がゴリゴリ逓減していく「コンタンゴ」と逆に逓増していく「バックワーデーション」の2局面が存在する。そこを見極めないで現物の感覚でボーっと所有していたり、「ガチホこそ最強!」などとのたまっていると酷い目に遭うので注意が必要である。


外部リンク

日本商品先物取引協会


関連

金融 取引

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました