かのすみ
かのすみ
概要
かのすみとは、『ラブライブ!スーパースター!!』に登場する澁谷かのんと平安名すみれのカップリングのこと。ツリ目が共通。
根本的な部分は違えど2人とも 何度も挫折しそうになりながらもそれでも夢(大好きなこと)を諦められずもがき続けた 経験をしている。
そのため第4話での複雑なすみれの心境をかのんは理解することができ、それがすみれのスクールアイドル部への入部の決め手ともなった。
序盤こそすみれの気迫に、かのんは恐れおののく姿が印象的であったが、終盤になるころには互いに遠慮しない物言いをする絶妙な距離感になっていく。
また、かのん役の伊達さゆり氏とすみれ役のペイトン尚未氏は、キャスト内では年少組(伊達氏は2002年生まれ、ペイトン氏は2003年生まれ)という共通点もある。
アニメ1期
第1話
スクールアイドル部の部員集めをする可可とそれを手伝うかのん。しかし勧誘はことごとく断られてしまう。
そして同じクラスのすみれの姿を見かけたかのんは彼女を呼び止める。
すみれ「………なんでしょう?」
かのん「お、同じクラスの平安名すみれちゃん…だよね?突然だけど、スクールアイドルに興味あったりしない?もしよかったら……。」
すみれ「あたしを誰だと思ってるの!??」
かのん「ヒィイイイイイイ!?」
すみれの言葉に怯えるかのん。
ある意味最悪とも言える、この初対面から後の第12話のような関係になろうとはこの時、誰が想像していただろうか。
第4話
長くなるので後述。
第12話
東京大会へ進むこととなったLiella!。
自分たちのステージは自分たちで用意することとなり、体育館でのライブが現実的ではないかと言うかのんに対しクラスメイトは「決勝進出がかかっているライブで体育館は欲が無さ過ぎる!」と詰め寄る。
開催は冬休みで野外では規模含め、手伝ってくれる友人たちのことも考えると色々と大変ではと妙に気をまわしてしまったかのんは、どうしたものかとすみれに相談。
煮え切らない雰囲気のかのんに対し、どこか面倒くさそうに話を訊きつつも
「あんたは気を遣いすぎなのよ(中略)。わがまま言うくらいでいいんじゃないの?」と、アドバイスするすみれ。
そして放たれる
かのん「すみれちゃんはいいよね、そういう性格で。」
すみれ「どういう意味!?」
の、一連の流れ。
上記にもあるように基本的に人に気を遣う性格のかのんが、すみれに放ったこの遠慮の無い一言。
まるで1話のやさぐれ期を彷彿とさせる実家テンションである。
第1話や第4話ですみれの気迫に驚き怯えていたことが嘘のようなこのやりとりは、2人の近づいた遠慮の無い絶妙な距離感の表れであった。
アニメ1期第4話
ゲームセンターでスカウトを受けるすみれから始まる第4話。
ついに自分も……と思いきや、それは通行人のエキストラへの誘いであった。
肩すかしを喰らい憤るすみれは、偶然にもスクールアイドルが今世間で注目されていることを知りる。
アマチュアのスクールアイドルであれば自分でもと邪な思いを持ちスクールアイドル部へと足を向けるすみれであったが、センターを選ぶ総選挙でかのんに敗北。
センター(主役)になれないのなら、ここにいても意味がないと去るすみれ。
どうしてセンターに拘るのかどうしても気になったかのんは帰り道に見かけたすみれをそのまま尾行することに。
同じ場所を行ったり来たり。
何かを待っているような、その姿。
すみれが待っていたのはスカウトであった。
ショウビジネスの世界で長らく活動し、子役の頃からオーディションを受け続けていた彼女はどんなに努力しても実力があってもいつも主役にはなれず脇役のまま。
スクールアイドルであれば自分のもスポットが当たるのでは考えたが、それも駄目だったこと。
すみれ「私はさ、そういう星の下に生まれてるの。どんなに頑張っても、真ん中で輝くことはできない。」
邪な動機であったことをかのんに詫びるすみれ。
状況は違えど、かつての自分の姿をすみれに重ねるかのん。
幼少期のトラウマから人前で大好きな歌を歌えなくなったこと。
それでもいつか歌えるかもしれないと頑張り続け、それでも歌えなかったこと。
そんな時、自分はそういう運命で続けていても無駄なんだと思ったこと。
でも、そうじゃなかったこと。
千砂都「今、一番すみれちゃんを理解してあげられるのは───……。」
千砂都の言葉に背を押されたかのんは、すみれの元へと向かう。
すみれは雨の中スカウトを待ち、今日も同じ場所を行ったり来たり。
流れる音楽に足を止めるとそこにはかのんと可可のステージでの映像が。
自然と2人に合わせ、傘をさすのも忘れて踊るすみれ。
スクールアイドルはアマチュアだと言ったすみれであったが、画面の中の2人は間違いなく輝いていた。
やっぱり、私には………そう諦めようとしたすみれ。
そこに現れたかのん。
「平安名すみれさん。あなたを、スカウトに来ました。」
スクールアイドル部へのスカウト。
そして、かのんはすみれに「センターが欲しければ奪いに来てよ!」と告げるのだった。
センターに拘るすみれがいたから、選挙で選ばれた自分もセンターで頑張ろうと思えたこと。
そうして競い合って高め合えれば、グループとしてもお互いも成長できること。
スカウトの契約金として差し出されたのは、すみれの実家でもある神社の御守り。
すみれ「これ、全然効かないわよ…。だって………。」
自分の鞄につけていた同じ御守りを見るすみれ。
かのん「でも、まだ分からないよ。諦めない限り、夢が待っているのはまだずっと先かもしれないから!」
第4話作中で降り続いた雨はいつの間にか止み、雲からは光が差し込んでいた。
その言葉の通り、歌を諦めようと思っても諦められなかったかのんがまた夢を掴めたように。
すみれの夢が叶うのは、もう少しだけ先(第10話)のこと。
なお、中盤に尾行の際にすみれの秘密(グソクムシ)を知ってしまったかのんが、すみれに監禁され記憶を消す儀式にかけられるシーンがあるのだが、すみれの歌うグソクムシのうたは中毒性が高いので必聴である。
アニメ2期
第5話
可可の家にて大富豪をしていたが、家の間取りの都合でかのんとすみれの2人だけ家の外に放り出されてしまう。
その際、かのんが夏美と交わした株式会社オニナッツとの契約について話す場面があり、かのんは大して気にしていない様子だった反面、ショウビジネスの世界を渡り歩いてきた者にとって納得のいく契約内容ではなかったため、すみれは終始浮かない表情をしていた。
すみれ「『報酬は受け取らない。ただし、制作費の実費として動画収入を株式会社オニナッツが受け取ることとする。』…って、これOKしたの!?」
かのん「うん。別に私達、お金儲けしたい訳じゃないし。」
すみれ「でも…!」
大富豪では両者共に連続で貧民と大貧民であり、かのんはともかく、すみれは悔しさを露わにしていた。
かのん「でも私、こっちの方が落ち着くというか…。」
すみれ「外でトランプしてたら、おかしい人だと思われるでしょ!」
ごもっともです。
恋がたまたま目にした可可のゲーム機を使って、家の中にいた者達が大富豪そっちのけで双六ゲームで遊び始めたため、途中からは完全に放ったらかしにされていた(当然、すみれは怒りを隠しきれずにいた)。哀れ。
第9話
両者の関係に最大の危機が訪れたと言っても過言ではないシーンが描かれる回。
ラブライブ!の大会で結果を残さないと、可可が実家のある上海への帰還を余儀なくされてしまう(※)。しかし、新たに入った1年生達は2年生達とは実力差があるため、今のままの状態で東京大会に出場しても、あのSunny_Passionを打ち負かした強豪のウィーン・マルガレーテに勝てるとは言い難い。
一晩考えた末に、次の日屋上にて千砂都が皆に東京大会に向けた練習メニューが書かれたプリントを配ろうとしている中、本当は不本意ながらもすみれが出した提案。それは、「次の東京大会は2年生5人だけで出場した方が良い」というものであった。
衝撃的な発言に驚きと困惑を隠せないメンバー達。それでもすみれは、敢えて可可が抱えている事情について触れることなく、自身の提案について言葉を続ける。
そうこうしている内に、1年生達はすみれの提案に同意する姿勢を、かのん・千砂都・恋はその提案に反対の姿勢を見せ始め、出場方法を巡って可可を除いた2年生達は対立してしまう。とりわけリーダーであるかのんの反対姿勢は強く、すみれの提案に対する1年生達の反応に厳しく一喝するほどであった。
メイ「私らが休めば…。」
四季「2年生だけでより素晴らしいステージが作れる。」
きな子「っていうことっすか…。」
かのん「バカなこと言わないで!」
その後も「(9人で出場して)負けたらどうするのか」「少しでも勝てる可能性がある方を選ぶべき」等と、口々に弱音を吐く1年生達を見て、すみれは一瞬悲痛な表情を浮かべるも、すぐに気持ちを切り替えて「聞いたでしょ?1年生もこう言ってるのよ。」と強がる。
他者からすれば、余りに身勝手とも言えるすみれの態度に業を煮やし、「どうしてそんなこと言うの?」と言わんばかりの険しい表情で彼女に詰め寄るかのん。
すみれ「勝たなきゃいけないの。」
かのん「私だってそう思ってる!でも、Liella!全員で挑まなきゃ意味がない!だって…、ここにいる全員がLiella!なんだもん!」
その台詞の直後、沈痛な面持ちの可可に視線を向けるすみれ。
そして、さらに心を鬼にした彼女は、かのんにこう言い放つ。
すみれ「私はね、ショウビジネスの世界に返り咲きたいの。ここで結果を出して、目立って目立って目立ちまくって、あの世界に舞い戻らないといけないの!だから、こんなところで負けてなんかいられない。」
勿論、今のすみれにとってショウビジネス云々の話はあくまで建前に過ぎない。
可可のためにすみれは敢えて自ら悪役を演じるのだが…。
かのん「(目に涙を浮ばせながら)あ…。本気で言ってるの?」
かのんの反応にすみれは思わず動揺し、言葉を詰まらせてしまう。
直後、感情を爆発させたかのんは声を荒げながら…。
かのん「ねえ答えて!!」
すみれ「(消え入りそうな声で)本気よ…。」
かのん「…!くっ…!!」
すみれの返答に、目に涙を溜め、身体を震わせながら激怒したかのん。握っていた彼女の右拳は次第に解かれ、角度を上げていく。
かのんがすみれにビンタを放とうとした、正にその時…。
可可「やめてクダサイ!!」
一触即発な2人を涙ながらに制止したのは、自身のためにすみれが悪者になろうとしたことを分かっていた可可であった。
可可「やめて…、クダサイ……。」
大粒の涙を流しながらそう呟く可可を、かのんはただ、悲しげな表情で見つめることしか出来ず、一方のすみれは、先の発言の数々に対する罪悪感や自己嫌悪、そして可可や皆への申し訳なさからか、何も言うことなく、逃げるように屋上を後にするのであった…。
(※)自身の帰国問題について他者に口外しないよう可可に言われていた(2期第1話参照)ため、その時点でその問題について知っているのはすみれだけであり、後のシーンにて彼女自ら口に出すまでは他のメンバーには知らされていなかった。