コビトカバ
こびとかば
カバ科の哺乳類で、世界三大(四大)珍獣の一つ。
概要
哺乳綱偶蹄目カバ科の哺乳類。
漢字表記は「小人河馬」または「矮河馬」。和名では他にコガタカバやミニカバとも呼ばれる。
学名Choeropsis liberiensisから示す通り最初に発見されたのはリベリアで、他にコートジボワール・ギニア・シエラレオネといったアフリカ西部に棲息する。
普通のカバと比べると、頭胴長1.5~1.9m・肩高70~90cm・体重200kg程と小型。カバ科の初期の特徴を残した生きた化石とも考えられている。オカピ、ジャイアントパンダと合わせて『世界三大珍獣』と呼ぶ事がある。
夜行性・半水棲なのは共通だが、基本的に単独で行動し陸棲生活を好む。これは開けたサバンナで暮らすカバに対して、湿度の高い鬱蒼としたジャングルに生息しているためとされている。
そのためか縄張り意識が強く獰猛なカバに対し、コビトカバはやや温厚で大人しいとされている。
食性もカバより多様性に富んでおり、草だけでなく果実や木の葉、地下茎も好んで食べる。
開発や水質汚染といった生息地の破壊や食用・トロフィーハンティング目当ての乱獲で減少し、現存する野生個体は2500頭未満とされている。
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは「絶滅危惧 (EN)」に、ワシントン条約附属書では附属書IIに指定されているものの、生息地が何れも情勢不安定であるが故に現状の把握が進んでいない。
絶滅したナイジェリアの個体群は「ナイジェリアコビトカバChoeropsis liberiensis heslopi」として別亜種とされているが、特に差が無い事から同種とする説もある。