概要
大久保篤の週刊少年誌デビュー作品。週刊少年マガジンにて2015年43号(2015年9月23日発売)から2022年13号(2022年2月22日発売)にかけて連載された。単行本は全34巻。発行部数は世界累計2000万部を突破している。
消防隊をテーマに、SF、ファンタジー、バトルの要素が主として取り入れられている。怪奇なる“人体発火現象”によって、炎の恐怖が渦巻く世界を舞台に、炎の怪物“焰ビト”と戦う組織“特殊消防隊”の活躍を描く。
あらすじ
世界を炎で包み、多くの大陸を消失させた“炎の大災害”より時は流れて太陽暦佰九拾八年、“人体発火現象”と呼ばれる現象や、炎の怪物“焰ビト”によって、全人類は炎の恐怖に包まれていた。
本作の主人公・シンラこと森羅日下部は、そんな炎の恐怖へと立ち向かう組織“特殊消防隊”に入隊。仲間と共に、現象の謎への究明や襲いくる炎の脅威との戦いに身を投じる。
流れ
- 森羅日下部、入隊
- 第5調査
- 第1調査
- 浅草編
- 機関員勧誘
- 地下(ネザー)編
- 五柱目争奪篇
- 新大陸冒険篇
- 皇王庁襲撃篇
- 灰島の死神篇
- 第2共同戦線篇
- 府中大牢獄突入
- 大災害開幕
- 浅草過去編
- 救世主対決編
- “天照”防衛編
- 騎士王vs.巨龍大決戦
- 最終章
登場人物
用語
人体発火現象
ある日を境に世界中で発生するようになった、突然人間が燃えだすとされる怪現象。
この怪現象により、被害者の中から、炎の怪物“焰ビト”と化す者が発生。全人類が炎の恐怖に包まれる結果となった。
その一方で、被害者の中には、炎に適合し操る力に目覚めた者も存在している。
- 焰ビト(ほむらビト)
人体発火現象によって全身が炎に包まれ、炎の怪物と化した被害者を指す。“第一世代”と呼ぶ場合もある。
基本的に自我を失い命尽きるまで暴れるとされており、活動を止めるにあたり、心臓部分にあるコアの破壊が必要となっている。
- 第二世代能力者
被害者の中で、炎の操作と制御の能力に目覚めた者を指す。
基本的に自分自身での着火ができないとして、着火用のアイテムや相手の炎などを利用して能力をふるう。
- 第三世代能力者
被害者の中で、発火能力…いわゆるパイロキネシス的な能力に目覚め、さらに発した自分の炎を自在に操れるようになった者を指す。逆に、第二世代の能力…自分の炎以外を操作するという能力は基本的に持ち合わせていない。
発火には体内の酸素を必要とする。能力を酷使すると、“発火限界(オーバーヒート)”…体内の酸素不足による不調を起こした状態となる。さらに段階を踏むと、身体が徐々に炭化していく“灰病”により、命の危険がつきまとうようになる。
特殊消防隊
人体発火現象の恐怖に立ち向かい、人類を救い出すという使命のもとに活動する組織。
人体発火による被害の抑制のために、怪物“焰ビト”を鎮魂という名目で戦闘、退治、殺害、殲滅、処理する役割を担う。そして、それと合わせて、人体発火現象の原因追求を進めていく。
- 構成員
3つの組織…『聖陽教会』『東京軍』『消防庁』から人員を募って結成されており、他にも、訓練校出身者の入隊が増加の傾向にあると語られている。
隊員に応じて階級や役職が与えられている。隊全体を束ねる大隊長、その下につく中隊長、小隊長、一等消防官、そして新人にあたる二等消防官、さらに鎮魂のために祈りを捧げるシスター、他、科学捜査員や機関員…といった感じになっている。
- 衣服
通常業務時は基本的にオレンジ基調のツナギの活動服を着用。
鎮魂にあたる際には、防火服とヘルメットの着用が基本。全体的には黒と灰色が基調となっている。
防火服には青い発光体のラインが巻かれており、一般消防官の間では隊の通称として、“青線”という用語が用いられる。
テレビアニメ
炎炎ノ消防隊(アニメ)を参照。
対談
1500万部突破を記念した作者の大久保篤と大原優乃の対談。
https://pocket.shonenmagazine.com/article/entry/enen_20210520
その他
緑川聖司によるノベライズが講談社青い鳥文庫から刊行されている。
2020年7月と8月には舞台演劇化され、大阪府と神奈川県で上演された。
火災を扱う作品だからか、公式グッズに消火器が存在する。また、総務省による消防団員募集のポスターに起用された。
関連タグ・リンク
コラボタグ
外部リンク
以下、ネタバレ注意!!!
※本作の物語の根幹にかかわることが述べてあるため、閲覧注意!
物語の終盤、デフォルメされた太陽や月に、ウザい意思を持った剣、8つの力を統べた死神などが次々と現れ、作者の前作であるソウルイーターと世界観を共有していることが判明。
そして最終回付近で実は今作が前作の世界観の根幹に大きくかかわっていた事が分かった。
詳細はネタバレになるので結論だけを簡潔に述べるなら、今作は前作の遥か過去の物語にして、"再編"される以前の世界だったのである。