敵に向かって自動で弾幕を張ってくれる便利な機械である。
弾幕を張り続けるとあっという間で弾切れになってしまうので、適切な濃度で弾幕を張れるバースト射撃まで出来、射界制限機構により搭載されている艦に当たらないよう射撃を行なえるおりこうさんである。
概要
レーダー、発射装置、給弾装置などをあわせた兵器システムのことを指す。
機関砲やミサイルなどを用いて、自動で敵の航空機、ミサイルを迎撃する防御兵器。
艦隊防空、個艦防空をすり抜けた航空機及びミサイルに対する最後の砦である。実際の脅威としては、ミサイルを主に想定する。
機種としては米軍の20mm6銃身ガトリング砲バルカンを転用したファランクスが有名。他には、ファランクスをある程度代替しつつある21連装短距離対空ミサイルRAMや、米軍の30mm7銃身ガトリング砲アヴェンジャーを転用したオランダのゴールキーパー、ロシアのミサイル・機関砲混載型など、様々なタイプが存在する。
米軍では計画段階で中断した25mmや35mmの機関砲によるCIWS、また、CIGS(Close in Weapon System の略)として採用されたボフォース57mm砲など、20ミリの射程の短さ、威力不足への懸念の声も多い。(20mmのファランクスは設置場所を比較的選ばない重量であるという利点もある)
ちなみに弾丸も個体に備え付けであり案外弾数は少なく殆どの機種が10秒程度で全弾を撃ちつくしてしまうため、また余程の事が無い限りは弾幕を張り続けたって何か利点があるわけでもないので、通常数十発程度のバースト射撃を行う。
この兵器が動き出したとすれば個艦防御の最終局面でありミサイルはもう直前(着弾まで数秒)まで迫っている危険な状態であるためCIWSが10秒以上射撃する段階で、その艦は既に絶望的である。
フォークランド紛争にてアルゼンチン海軍のシュペルエタンダール攻撃機によって放たれたエグゾセ空対艦ミサイルの直撃によるイギリス海軍駆逐艦シェフィールドの撃沈を教訓に開発・配備された。
フォークランド紛争以前にCIWSが無かったのは通常爆弾ではアルミ等軽合金の船殻を爆発前に貫通してしまい、逆にダメージが少ない事から必要性を感じていなかったことが大きい。
2000年の駆逐艦コールに対するボートでの自爆攻撃により、既存の水上レーダーやCIWSでは対応しきれない事態が生じた事もあり、小型の水上目標への対応能力の追加と共にブローニングM2重機関銃などを使用した目視と人力による近接防御が再び行われるようになった。
Counter-RAM
C-RAM、Counter-Rocket, Artillery and-Mortar。
陸軍が開発中のゲリラから基地に対する攻撃がRAM(ロケット弾、砲弾、迫撃砲弾)である場合、空中で迎撃を行う兵器システム。
陸上版CIWSともいえる。
暫定的なLPWS(Land-based Phalanx Weapon System)としてファランクスを流用した地上車両搭載型をノースロップ・グラマン社と共同開発している。
他にブッシュマスターIII 50mm機関砲を搭載したEAPS、Skyshield対空機関砲システムを流用したNBS C-RAM、ミサイルを搭載したIron Dome、ABRAHAMなどがある。