概要
二人が結婚したのは本編より九年前、遠坂時臣が「配偶者の血統の能力を最大限引き出した子を成す」という禅城の体質に目を付けたことがきっかけだった。
若き魔術師である時臣のプロポーズを受け、葵は遠坂家に輿入れをする。
葵は神秘的なもの・雰囲気・場所を好み、魔術師の価値観にも一定の理解を示している。
時臣の魔術師としての冷酷な価値観も全て理解したうえで盲愛しており、著者の虚淵玄をして空の境界の黒桐幹也に通じるものがあると語っている。(曰く「女コクトー」)
また奈須きのこは、「時臣の最大のラッキーって葵さんと出会えたコトじゃね?」とも言っている。
(関連して「雁夜の最大のアンラッキーって葵さんが幼なじみだったコトじゃね?」とも)
遠坂家に輿入れすることを幸福に感じており、時臣の判断によって桜と引き離された時も覚悟というよりも諦観であった。
時臣は雁夜と対峙した際、葵について「母体として優秀すぎた」とだけ言っていたが、内心で雁夜を「恋敵」として認識していたことから、夫としての愛情はある程度は抱いていた模様である。
また2009年のコンプエース2月号付録のドラマCD「迷わぬ人々」では、迷子になった凛を捜索していた筈がいつの間にかデートに発展し、夫婦仲の良好さを読者に存分に見せつけてくれた。
娘たちについて
禅城の家系は「配偶者の血統の能力を最大限引き出した子を成す」という特殊な体質であり、遠坂凛と間桐桜が時臣を遥かに凌ぐ素質を持って生まれたのは、葵のお陰である。
しかし姉妹の両方ともが才能があり過ぎたため、本人が家門の加護を得ない限りは怪異が寄って来るか、保護を名目に魔術協会にホルマリン漬けにされるだろうという事態に陥ってしまう。
詳しくは遠坂時臣の項目を参照。
ちなみに何故二人も子供を作ったのかというと、虚淵氏によれば
「たぶん出生当時の凛には何かしら夭折を危惧させるものがあったんでしょうね。だから時臣も慌てて葵さんにワンモアセッ(以下略)」
しかし、虚淵氏と原作者奈須きのこ氏によれば、時臣と葵が生きてると凛の将来が「父同様の模範的魔術師になる」か「魔術そのものを嫌って親に反発するようになる」の二択になるとまで言われている。
実際に作中で時臣が雁夜の問いに対し「凛と桜あるいはその子孫たちが殺し合い、どちらかが生き残って根源に辿り着きさえすれば我が一族は幸福」などと宣う外道な面を見せており、葵もまた時臣のこのような性格に心酔していると二人の作者から言われてしまっている。
即ち、凛と桜が幸せに生きていける為には生みの親である二人がZeroで起きた結末のように早死にしなければいけないというあまりにも皮肉かつ救いのない出来事が必要不可欠になるわけである。