うん。泣きたくても泣けないんだ
―――――それは、特別な事だからね
プロフィール
概要
長編伝奇小説「空の境界」のお人好し担当であり、主要キャラクター。
両儀式とは高校時代からの友人。
式が事故に遭い昏睡状態に陥ってしまった後もとりあえず大学に入っていたのだが、とある美術展に出品されていた橙子の人形に感銘を受けた事から、大学を中退して彼女の下で働いている。
黒色の服装を好み、一年を通して変わらない。
昏睡状態の時も週一で病院に通い、目を覚ました後も実家に帰ろうとしない式のことを気にかけ、暇を見つけては彼女の家に寄り、ハーゲンダッツのストロベリーを置いていっている。
何かと式の事を気に掛けており、世話を焼きたがるが、彼女に鬱陶しがられることもある。式にアイスクリームを買って来た時には、彼女をバラ科のイチゴに例えて「可愛いけど棘がある」と言ってしまい少し怒らせてしまった。
人物
作品中の主要人物の中で唯一の「普通」の人。
出自・才能・容姿ともに平凡であり、目立った特徴は特にない。しいて言えばいつも黒い服を着ている。
ただしこれは「なんの才能も得られなかった」のではなく、「特別である事を拒絶し、自ら進んで普通でいる事を望む」という、最も異常な在り方。
多くの人々は特別になろうとして、成りえなかった結果平凡な人生というカタチを歩むのに対し、冒頭の台詞の通り「大切な者を想って泣く」ことですら彼にとっては「特別」であり、作中において彼が泣くシーンは一度も無い。
そんな普通である事を望む彼の唯一の例外(とくべつ)が、あの雪の日に出会った少女である。
常に穏やかな性格をしており劇中彼が怒りを見せたのは湊啓太が浅上藤乃に対して暴行を加えたのを説明していた時のみ。
なお、モノを探すことに関しては常軌を逸した才能があり、魔術師である蒼崎橙子の張った結界すら突破して彼女を見つけ出している。そのため橙子に探偵になったらどうだと勧められた事もある(最も隠されたものでもあっさりと見つけてしまう才能は危険視されて殺されかねないから前言撤回されたが)。
容姿は『月姫』の主人公遠野志貴にそっくりである(志貴の容姿は幹也を元にしたものであると公言されている)。白純里緒との一件で、左目を失い、左足も負傷して動かせなくなった。それ以降左目は前髪で隠しており、左足は終章にてある少女の力で動かせるようになった。
この普通は魔術師といった異端の人種にとってかなり異常らしくエルメロイⅡ世は「致命的」と評しその普通は「誰も傷付けない」「誰も騙そうとしない」とその致命的すぎる普通を見抜いた。
余談
式の他にも、浅上藤乃や巫条霧絵、瀬尾静音に妹の鮮花、そして白純里緒…と異常者に好かれやすい質だが本人は式一筋で後に結婚。
そして、あろうことか中の人同士も……。
なお、娘の姓が両儀なので、終章以降は婿養子として両儀家に婿入りし名前も「両儀幹也」となっているのかもしれないと読者の間では言われていたが、ロード・エルメロイⅡ世の冒険で(Fate世界と空の境界世界は厳密には同じではないものの)両儀姓になっていることが判明した。
関連タグ
遠野志貴(真月譚)、ロマニ・アーキマン、俵藤太:型月中の人繋がり。
松本麻耶、横手茉莉:『「普通」でいることを望む、ある種の変人』という共通点があるが、前者は変人扱いされたくないから普通でいることを望み、後者が普通でいることを望む理由は不明。