……ああ……この螺旋が矛盾していたら良かったのに……
概説
伝奇小説「空の境界」第五章。
両儀式と、彼女を狙う物語の黒幕・荒耶宗蓮との壮絶な戦いを描いた、いわば“ラスボス戦”。
同時に式と家出少年・臙条巴との交流を通じ、式の人間性を紐解く物語でもある。
あらすじ
1998年10月、両儀式はふとしたことから臙条巴という自称人殺しの家出少年と知り合う。
巴に助けを求められた式は、彼に自室を隠れ家として提供し、奇妙な共同生活を送り始める。
しばらくの後、巴は自分の親殺しの罪を告白する。奇しくも蒼崎橙子から似たような事件の詳細を聞いていた式は、巴と共に臙条家のある小川マンションに向かう。
一方、蒼崎橙子の事務所「伽藍の洞」も、式の気まぐれに巻き込まれて小川マンションの調査を開始。
そうしていく中で、徐々に小川マンションの“異常性”が暴かれはじめる。
そして、“「根源」を体現する式(もの)”と“「根源を求める荒耶(もの)」”の、壮絶な戦いが始まる――。
登場人物
余談
読者の間では最も人気のある章。
今まで散りばめられていた伏線の殆どが回収され、両儀式の特異性が遺憾無く発揮するストーリー。また、常に式の隣にいた黒桐幹也が中盤までフェードアウトしていたり、普段は解説役に徹している蒼崎橙子が前線へと赴くのも特徴。
この章で語られる「本物と偽物」といったテーマは、後の「Fate/stay night」UBWルートにも引き継がれる。
劇場版は2008年8月16日に公開。監督は平尾隆之。劇場アニメ化に際して、時系列が幾度となくシャッフルされ抽象的な表現が大量に差し込まれるなど、映像としては難解な表現がされている。ファンの間では賛否が分かれ、原作未読者には厳しい内容ではあるが、主題歌の「sprinter」は大絶賛され人気が高い。