概要
ここでは主に、COVID-19の病原体であるSARS-CoV-2の異なる系統間での組換え体(オミクロン株XE系統など)について取扱う。
変異体とは何が異なるのか?
変異体とは、生物ないし擬似生物が、種本来の性質・形質から変異したものを指す用語である(詳細は変異体を参照)。対して組換え体とは、遺伝子組換えを受け、ゲノム内に外来DNAを持つ生物または細胞のことである。
主なCOVID-19組換え体
オミクロン株同士の組換え体
- XE系統
BA.1とBA.2が合体したタイプのオミクロン株。現時点では、感染スピードがBA.2よりも12.6%速いという試算が出ている。
デルタ株とオミクロン株による組換え体(デルタクロン)
- XD系統
ほとんどがデルタ株だが、スパイクタンパク質のみBA.1という系統の組換え体。WHOは「XD」を感染力や感染した際の重症度、ワクチンの効果などに対する影響の度合いがハッキリ分からない「VUM」=監視下の変異株に位置付けているが、感染の広がりは限定的だとしている。
- XF系統
ほとんどがBA.2だが、一部がデルタ株という系統の組換え体。イギリスで発見されたものの、2月14日以降は感染の報告がなく、現在は感染が広がっていないものと見られている。