ヘッドマーク
へっどまーく
解説
特急、急行などの列車の前面、及び後尾に掲げられる、列車名を記した板または表示幕。とりわけ板状のものを指すことが多い。
最後尾に付けるものは、テールマークとも呼ぶ。
戦前の国鉄(鉄道院・鉄道省)は最後尾に取りつけるいわゆるテールマークのみが存在したが、1950年に特急「へいわ」を「つばめ」に改称した際、大阪鉄道管理局の明石孝が機関車の前面にも取り付けることを提案したのが始まりとされる。
当初は白地に紺色の文字で日本語、その下に赤文字でローマ字で列車名を表記するシンプルなデザインだったが、1978年10月のダイヤ改正以降はイラスト入りのものが登場するようになり、1985年3月ダイヤ改正時点ですべての特急列車がイラスト入りのヘッドマークを掲出していた。
ヘッドマークを掲げる列車としては、SL列車やブルートレインなど機関車牽引の列車が代表的である。
近年では新車の導入に伴いヘッドマーク自体が省略されるケースも増えている。
その中でも例外と言えるのがJR北海道とJR四国で、現在増備されている特急型車両にほぼすべてヘッドマーク表示器(LED式含む)が装備されている。
これは同一の車両で複数の列車に充当しているため、それを分かりやすく区別するためとされ、かつての国鉄特急列車の扱いに近い。
定期列車だけでなく、イベントや臨時列車に使用される場合も多い。
新幹線の場合は連結器カバー(いわゆる「鼻」)を装飾入りのものに交換する形でマークを掲出したことがある。
私鉄では阪急電鉄や京阪電気鉄道、京王電鉄と西武鉄道がイベントでよく取り付ける傾向がある。
かの銀河鉄道999も、ヘッドマークを掲げている列車の一つ。
pixivでは、様々な創作ヘッドマークも見られる。
ヘッドマークの権利
ヘッドマークのデザインは、運行会社が商標権を保有している。
実際にヘッドマークを使った商品には、「○○(運行会社名)許諾済」と記されており、国鉄時代に運行を終えた列車でも承継したJRグループ各社が共同で保有している例が多い。