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汚名挽回の編集履歴

2025-02-15 10:28:39 バージョン

汚名挽回

おめいばんかい

汚名を挽回したり返上したりする言葉。

バスク「汚名挽回? その言葉は実績を見せた者が言うことだ」


解説

「汚名を着せられた状態から汚名を着せられる以前の状態に戻す」という意味の言葉。


かつては「汚名返上」と「名誉挽回」を混同して生まれた言葉とされ「汚名を取り戻すという意味になってしまう」などとも言われていたが、実際に見つかっている使用例は汚名挽回の方が「汚名返上」や「名誉挽回」より半世紀以上も古いため、時系列的には怪しい。

そもそも「挽回」という言葉は漢文「挽回霜鬓莫教休」由来の言葉とされ、その意味は北宋時代から「既に起こってしまった好ましくない出来事を挽き回し、以前の状態に戻す」である。すなわち「汚名を被っている状態から元に戻す」と解釈するのが本来で、「汚名を取り戻す」という意味にはならない。


あえて誤った解釈の例を挙げれば、

  • 「嫌いな芸能人」1位だった人物が2位になってしまったので、1位を取る為に嫌われようとすること
  • ばいきんまんが「良い人」といわれてしまったので、「悪い奴」と言われる為に悪い事をすること
  • 田代まさし

だとか言われていたわけである。


特に有名だったのが『機動戦士Zガンダム』TV版で、ジェリド・メサが「汚名挽回」という台詞を使っていたこと。なお映画版でこのセリフは修正されている(こちらは文字通り、「汚名」をリターンしており、これはこれで別の意味というネタもある。望んでたわけじゃないだろうが……)。後に「名誉挽回」と言うシーンがある。


また『Ζガンダム』の続編で同じ富野作品である『機動戦士ガンダムΖΖ』でもキャラ・スーンに「汚名挽回」のセリフが存在する。しかしジェリドに比べるとこちらはよく知られているとは言い難い。


ところが2014年に、辞典編纂者により「間違いというのが間違い」という指摘がされた。この指摘によると、「疲労回復」が誤用でないのと同様であり、「汚名挽回」が誤りとの説が広まったのは、1976年の本がきっかけとのこと(当時のナウなヤングの日本語を批判する最近の若者は~系の本)。例えば、その前年に出版された『日本国語大辞典』では「汚名を挽回する」が「汚名を雪ぐ」の言い換えとして普通に載せられていた(一方で「汚名を返上する」や「名誉を挽回する」といった言い回しはまだ載せられていなかった)。

これ以降、「汚名挽回」は誤用ではないと一部の辞書で明記されている。しかしあくまで一部に留まっており、また1976年の本の著者が右派の間で人気を誇った人物であることからイデオロギー上の対立もあると思われる。


誤用であるという主張の根拠としては

  • 汚名挽回は「汚名を返上して名誉を挽回する」の略で、「汚名返上」と「名誉挽回」の意味を知らなければ成り立たない
  • 「挽回」は「取り戻すこと」だから、「汚名挽回」は「汚名を着たものを元の状態に取り戻す」ことで、間違いではないという解釈も「汚名」と「挽回」の間に「着たものを元の状態に」という憶測を含めている

といったことが挙げられることがある。

一方で、それらへの反論としては

  • 汚名挽回の使用は汚名返上や名誉挽回の登場よりも古いのだから、汚名挽回より後に使われるようになった「汚名返上」や「名誉挽回」を前提とした言葉ではありえない
  • 「挽回」の本来の意味は「元の状態に戻すこと」であるのだから、挽回を「取り戻す」と解釈する方が特殊である

といった指摘がある。


アンケート調査等でも意見が拮抗していることから結局は使わないほうが無難な言葉であるだろう。


関連タグ

天地無用 使われなくなってきている言葉。

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