バスク「汚名挽回? その言葉は実績を見せた者が言うことだ」
解説
「汚名返上」と「名誉挽回」を混同して生まれたと目される言葉。
「汚名を挽回する(取り戻す)」と言う意味となってしまい、あえて例を挙げれば、
だとか言われていた。
特に有名だったのが『機動戦士Zガンダム』TV版で、ジェリド・メサが「汚名挽回」という台詞を使っていたこと。なお映画版でこのセリフは修正されている(こちらは文字通り、「汚名」をリターンしており、これはこれで別の意味というネタもある。望んでたわけじゃないだろうが……)。後に「名誉挽回」と言うシーンがある。
また『Ζガンダム』の続編で同じ富野作品である『機動戦士ガンダムΖΖ』でもキャラ・スーンに「汚名挽回」のセリフが存在する。しかしジェリドに比べるとこちらはよく知られているとは言い難い。
ところが2014年に突如、辞典編纂者により「間違いというのが間違い」という指摘がされた。この指摘によると、「疲労回復」が誤用でないのと同様であり、「汚名挽回」が誤りとの説が広まったのは、1976年の本がきっかけとのこと(当時のナウなヤングの日本語を批判する最近の若者は~系の本)。
「挽回」という言葉は「巻き返しを図って本来の良い状態に戻る」という意味でもある。すなわち「汚名を被っている状態から元に戻る」という解釈が可能なため、「汚名返上」と同じ意味であるとする(同時に間違ってはいないがまた別の言葉であるという主張もある)。
これ以降、「汚名挽回」は誤用ではないと一部の辞書で明記されている。しかしあくまで一部に留まっており、また1976年の本の著者が右派の間で人気を誇った人物であることからイデオロギー上の対立もあると思われる。
誤用であるという根拠として『「汚名を返上して名誉を挽回する」という解釈は「汚名返上」と「名誉挽回」の意味を知らなければ成り立たない』、『「挽回」は「取り戻すこと」だから、「汚名挽回」は「汚名を着たものを元の状態に取り戻す」ことで、間違いではないという解釈も「汚名」と「挽回」の間に「着たものを元の状態に」という憶測を含めている』が挙げられる。
アンケート調査等でも意見が拮抗していることから結局は使わないほうが無難な言葉であるだろう。
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天地無用 使われなくなってきている言葉。