三つ目がとおるは、手塚治虫による日本の少年漫画作品、およびそれを原作としたアニメ作品。
概要
『週刊少年マガジン』(講談社刊)に1974年から1978年3月まで連載。1974年に月1回の読切として掲載されたが、読者から好評を得たのを受けて翌年から毎週連載となる。1977年に『ブラック・ジャック』と本作により手塚は第1回講談社漫画賞を受賞。
本作は手塚がシノプシスを手がけた『24時間テレビ』におけるスペシャルと手塚の死後、テレビ東京系列ほかにて放送されたテレビシリーズの2回アニメ化されている。
ストーリー
古代の人類「三つ目族」の末裔で自称「悪魔のプリンス」写楽保介(しゃらく ほうすけ)が、親友の和登千代子(わと ちよこ)と共に、様々な事件を解決していく伝奇SF漫画。超古代文明など1970年代のオカルトブームが反映されている。
既に失われた文明が残した謎の遺跡に写楽が挑み、その全貌を解明する。難解な古代文字を解読し、自作のマシンで写楽が活躍しアリゾナ・イースター島・メキシコなど舞台は世界へと広がる。
登場キャラクター
写楽保介(しゃらく ほうすけ)
本編の主人公。額に眼球のような感覚器官を戴く三つ目族の最後の生き残り。
和登千代子(わと ちよこ)
写楽の親友で、三つ目の写楽が心を許す数少ない人物。作中で「わとさん」と呼ばれるように名前はシャーロック・ホームズのジョン・H・ワトスンから。
犬持医師(けんもちいし)
写楽の養父の医師。写楽の亡き母親から、赤子の写楽を預かり育ててきた。写楽には普通の男の子として生活して欲しいと願っている。一時は写楽の第三の目を潰そうと考えていた。三つ目の写楽も犬持の口うるさい物言いに反抗はするものの、犬持を父親として認めている。アニメ版では大学の考古学教授。
須武田博士(すぶたはかせ)
大学の考古学教授。犬持の親友で、古代文明の研究をしている。考古学資料のためには金も命も惜しまない子供のような性格。そのため写楽を使い度々事件を起こす。アニメ版には登場していない。
雲名警部(うんめいけいぶ)
ベートーベン似の刑事。なぜか写楽がらみの事件をよく担当する。なかなかのキレ者だが、ほとんどヘタレ扱い。自称「捜査界の学聖」(楽聖のもじり)。ピアノは弾けるがバイオリンは弾けない。ベートーヴェンよろしく「私は不幸だ!」が口癖。
ヒゲオヤジ
写楽が住み込みで働いている中華料理屋「来々軒(らいらいけん)」の店長。江戸っ子風の熱血漢で自称「バカ田大学出」だが、意外に機転が利く一面を持つ。