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概要

面制圧兵器のひとつ。

基本的には小型の榴弾を炸薬で射出するための兵器。日本語では擲弾発射器擲弾銃などと呼ぶ。


使用する弾は榴弾、散弾のような殺傷弾頭、催涙弾、照明弾のような低/非殺傷弾頭もある。

特殊なものでは40mm擲弾筒用の12ゲージのショットシェルや.22LR弾等を装填可能なアダプタもあり、民間登録されたものでは値段と登録・納税の関係でこのようなものが使われている。

榴弾は現用型の多くは射撃手への被弾を防ぐため、時限装置やライフリングによる回転の遠心力で解除される安全装置を設けることでおよそ15~30m程度離れた位置に着弾しないと炸裂しないようになっている。


近年ではさらに銃本体に火器管制装置を搭載することで既存の信管のような着弾と同時に炸裂する『着発』に加え、目標地点までの距離を入力することで空中で炸裂して遮蔽物に隠れている目標を殺傷する、遅延により貫通後に炸裂などが一つの弾で可能となる電子信管を搭載した『エアバースト弾頭』が開発されている。


実は結構古いんです

現在の手榴弾の元となった擲弾は17世紀ごろから戦場に登場したとされる(ちなみに当時の擲弾は火薬がつめられた球の天辺に導火線が飛び出しているあの形をしていた)。

最前線で生身をさらし遠くに擲弾を投げるためには優れた勇猛な兵士が必要であったことから、精鋭部隊として擲弾兵は戦場の花形として活躍した。

19世紀ごろには、擲弾をより遠くに飛ばすための初期のグレネードランチャーともいえる擲弾発射器が登場している。

しかし、このころは銃砲の高性能化によって、擲弾自体の実線での使用が少なくなっていたころであったため、あまり普及することはなくこの擲弾発射器は姿を消した。

しかし、擲弾兵が精鋭部隊であるというイメージは強く定着しているため、イメージ戦略として擲弾兵と呼称を変更した部隊もある。


ちょうどいい射程距離

現在のグレネードランチャーは、『手榴弾では遠すぎるが、迫撃砲では近すぎる』敵に対して、有効的に着弾させることを目的として開発された。

初期のグレネードランチャーは棒の付いた手榴弾を銃口に差し込んで空砲のガスで飛ばしたり、手榴弾を打ち上げ花火のように飛ばす銃口に付ける筒だったりする。

ちなみに、別に迫撃砲を小さくしてもいいんじゃね?というコンセプトで開発されたのが軽迫と呼ばれる迫撃砲であり、有名なところでは多くの米兵の命と大腿骨を破壊したニー・モーターこと八九式重擲弾筒などがあり、現在でもフランス軍でLGI Mle F1が、米軍でM224 60mm 迫撃砲という軽迫が使用されている。


一応、近距離であれば安全装置がかかり、爆発しない状態でもそれなりの大きさの金属塊が火薬で発射されて人体に当たればひとたまりもない模様で、FPSゲーム等で存在する近距離でグレネードランチャーを当てて敵を倒す、という行為は現実で可能な模様。

ただし、それは人体に直接当たればの話であり、防弾ベスト等に当たった状態でどうなるかは不明。(使用する距離の都合上至近で撃つ事は滅多に起こりえず、わざわざ試す擲弾兵なんていないが)


余談ながら、2015年にX ProductからCAN CANNONというAR-15ベースのランチャーが発表されている。

空砲でジュースやビールの缶を撃ち出すというもので、空き缶にライトスティックマシュマロ紙吹雪等を入れて撃ち出すことで広範囲に散らせることができるというもの。

装弾筒を用いれば口径より小さなものでもガスを逃がすことなく発射可能で、ロープランチャーとしても使えるし、手榴弾を撃ち出すことも出来る。

銃身の構造上実弾は撃てなくなっており、空砲専用。


種類

小銃擲弾

ライフルグレネード。通常の小銃の銃口に接続するタイプ。

いくつか種類があるが、前述の棒のついた手榴弾もこれにあたる。

  • 物によっては発射用の空砲を別に用意しないといけない
  • 物によっては銃口に発射用のアダプタ(薬筒)を取り付ける必要がある
  • 高圧な発射用空砲を使用するものでは空砲の圧に合わせたガスレギュレータ(ガス圧調整弁)の調整が必要
  • 発射の際に銃身に不要な圧力がかかって歪みやすく、銃に対する負担が大きい
  • 基本的に反動が非常に大きく肩撃ちは難しいか不可能
  • 装填後は小銃による応戦が不可能となる
  • 差し込むのみなので下方への発射が不可能
  • 弾体のサイズの割に威力が限定的で火力不足になりやすい
  • 弾体が大型なので携行弾数が限られる
  • 弾種が限られ、低殺傷弾などが(今の所は)ない
  • 照準器なしで撃つものは命中精度が劣る

等の欠点がある。

現在主流のものは榴弾後部に銃弾が撃ち込まれることで発射薬が爆発し、発射する方式に改められているため、発射用の空砲を必要としない。

大掛かりな擲弾筒が不要なのが最大のメリット。

弾種や銃の種類によっては薬筒を必要とせず、差し込めるだけの銃身長があり、銃身もしくは銃口のハイダー(制音/制炎器)が対応していれば発射可能なため流用性も高い。

また、大型であることを利用して大口径の成形炸薬弾頭を用いたり、むき出しで装填するので更なる大型化が可能なのでドアの破壊用のラファエル社のSIMONのような特殊な小銃擲弾も開発されている。

直接目標に向けて撃ち出す直射と銃口を上方に向けて迫撃砲のように撃ち上げる曲射がある。

フィクションと異なり専用設計された銃でないと撃てないが拳銃用の擲弾もあり、専用の30mmBMYa-31擲弾と9mmx93PMAM(消音拳銃用に開発された消音弾の空砲版)を使用する事でGSN-19同様に消音ランチャーとして使用が出来るD消音拳銃(Изделие Д)もある。同じ弾を使用するDM消音カービン(Изделие ДМ)もある。(どちらもボルトアクション式の機構でランチャーとして使用しない際には消音弾である9mmPFAM弾を使用)

US M1 ガーランド+USM7GL+USM9A1グレネード弾


擲弾筒

一般的によく見るタイプのグレネードランチャー。

FPSなどではよくお世話になったと思われる。

いくつか種類があるが、基本的には単発、または連発でグレネードを発射する。

ネットなどでは通称:グレポンと呼ばれるアレ。

多くのものは直接発射薬のガスで撃ち出す訳ではなく、発射薬のガスは雷管部の高圧チャンバーから薬莢内の低圧チャンバーへと噴出し、低圧チャンバー内で急激に膨張したガスにより発射される。

東側のケースレス弾は迫撃砲弾に近い構造となっており、グレネード弾に内蔵された発射薬の燃焼ガスにより推進する。

多目的榴弾、破片榴弾、催涙弾、照明弾、発煙弾、エアバースト、散弾、暴徒鎮圧弾、ミサイル等、多種多様な弾種を持つ。

近年では76m/s程度だった初速を125m/sまで上げることで命中精度や射程を向上させたものも登場している。

また、近年の都市市街戦の経験からより近い距離で使用が可能なものの開発が望まれている。

変わり種としては中国のNorinco LG5/QLU-11は長い銃身と450m/sという高初速により1,000~2,000m先へ専用の35mmAP弾を正確に投射可能となっており、狙撃手潰し用の狙撃グレネードランチャーとなっている。

民間登録されたものもあり、民間人でも所有可能だが、ディストラクティブデバイス(破壊装置)扱いである為、擲弾筒本体だけでなく榴弾といった弾薬も1発毎に登録と税金を必要とする。その為か、.22LR弾やショットシェルなど、通常の銃弾を撃てるようにするアダプタも登場している。

小銃などの下部に取り付けるアドオンタイプの

などがある。

アドオンタイプではM320のように単独で使用できるもの、M203やFN40GLのようにストックやグリップをつけることで単独使用可能になるものが登場している。


また、これとは別に民間用に擲弾ではなくフレアを発射するフレアランチャーというものが存在し、こちらは形状こそM203等にそっくりだが40mmではなく39mmや37mmと微妙に小さくなっており、擲弾が適合しないようになっている。

こちらは名前通りの殺傷力がないフレアやスモーク、上記のような.22LR弾やショットシェル等をアダプターを用いて発射することができる。

映画等でもM203の代役として用いられることも多く、スカーフェイスプレデターといった作品で登場している。


自動擲弾銃

車両等の銃架や地面等に固定して、連射により大量のグレネードを射撃する兵器。

グレネードマシンガンとも。

通常使用するグレネードランチャーよりも高圧の発射薬を用いており、弾速が早いため、より遠くの敵を攻撃することが出来る。

ちなみに、専用の弾を使うため、基本的に擲弾筒への融通は不可能。

仮に対応していない擲弾筒へ使った場合は反動が強すぎて発射器が破壊されるか、射手が吹っ飛んだりするので、大変危険。

こちらでもXM307(25mm)やMk.47 ALGL(40mm)のようなエアバーストグレネードを使用できるモデルが登場している。

96式40mm自動擲弾銃

など。

ちなみにCoD4:MWジャクソン編でヘリからドカドカ撃ってたのはMk.19という実在する自動擲弾銃である。


対戦車擲弾発射器

パっと見でグレネードランチャーじゃないグレネードランチャー。

弾頭が榴弾ではなく成形炸薬弾が使用されるものが多い。

射撃は炸薬で行うが、その後弾頭のロケットモーターが点火しその推進力で飛翔する。見た目や弾頭が推進装置を持つなどの性質上、無反動砲ロケットランチャーに分類されることもある。


  • PIAT(Projector, Infantry, Anti Tank)

WW2時にイギリスが開発した対戦車擲弾発射器。

対戦車擲弾発射器というものの、見た目はロケットランチャーや無反動砲のようだが、構造は迫撃砲に属する。

詳しくは迫撃砲内の項目にて


その他

BS-1 Tishina(БС-1 Тишина)

AKS-74U & BS-1 Tishina

正式名称はRGA-86(РГА-86)、装着先の銃用のサウンドサプレッサーや亜音速弾等を含んだシステム一式の名称であり、ランチャー単体での名称はGSN-19 Kanarejkaとなっている。

7.62mm弾版(AKM等)と5.45mm弾版(AKS74U等)の二種類のGSN-19がある。

他の銃に装着可能な近代型の擲弾筒だが、発射用弾薬を別に装填して打ち出す、最初期のランチャーとも似た構造を持っている。

動作機構はボルトアクション式。

完全に閉鎖された薬室内で発生させた燃焼ガスを薬室前方のピストンと擲弾筒底部が受け止め、これが勢いよく前進することで弾頭を飛ばす構造をしており、発射ガスはピストンにより薬室内に閉じ込められる為に発砲時にガスが漏れ出さないため、消音擲弾筒として機能する。


エアソフトガンでのグレネードランチャー

JACサンプロジェクトからガス充填式カートから発砲スチロール弾頭を撃ち出す40mmタイプのグレネードランチャーが登場している。

自主規制により実弾を撃てないよう雷管部のガス放出バルブを叩くのではなく、指の力で押す構造をとっている。

発砲スチロール弾は現在のサバイバルゲームではレギュレーション上使用できないことが多い為、後にBB弾を複数撃ち出すガス充填式カートがアングスより発売された。

その後、CAW(モスキートモールド)から改良型であるモスカートが登場、構造は複雑化しているものの暴発しにくくなる等使い安さや性能が向上しており、ガス充填式カートの主流となっていった。

CAWはBB弾発射機能を省略して派手に生ガスを噴出す事を目的とした撮影用のプロップ、サンプロ製等と同様にゲームで使用できない大型弾頭を撃ち出すスラグ(現在は販売終了)、カンプピストル等の小口径ランチャーに対応したミニモスカート等も発売している。

Big Out等からは40mmランチャー用ガス充填式カートを小銃擲弾として銃口に接続する部品が発売されている。

海外製品ではCAWの機構を模倣したものの中に外装を樹脂製にすることで安価で軽量なものも登場したが、日本で使われる低圧な代替フロンガスに合わせていないスプリングの使用、部品自体の品質の問題でガス漏れが酷いなど、実用するにはある程度の努力が必要なものとなっている。

これらのカートリッジは使い勝手が良いのか、RPG-7RPG-26AT-4M72といったランチャー系をコスプレ用の飾りではなく実用?する為にガス充填式カートを装填可能としたものも登場している。

また、カートを固定することでワイヤートラップ式の地雷として使えるものもCAWから発売された。(射手の意図しないところで至近距離でBB弾を浴びせる可能性のある器具である為、トラブルの防止の為に自主的に製造を中止している)


東京マルイではそれに前後してコッキング式のショットガンの機構を流用した3発同時発射のものを発売している。

また2013年には同社よりガスタンクを発射機側に備えるグレネードランチャーが登場。

低圧とはいえガス圧に耐える為に主に金属製であり非常に重く、複雑な内部機構のために高価で整備性が悪く多数携帯することが難しく、取り扱いにも注意を要するグレネード弾を、発射能力をランチャー側に移すことで単純化し軽量かつ安価にし、扱いも容易とすることに成功している。ガスタンクは取り外し式ではないため、本体にチャージされたガスを使い切ってしまえば撃てなくなってしまうという欠点を持つが、条件にもよるがフルチャージで20発以上に発射は可能との事なので、大量にカートを持ち込むかゲーム中のBB弾の再装填を行う等をしない限りはまずガス切れはないと思われる。

また、持ち運びの際の暴発も防いでいる。(サバゲでは密集状態の開始早々、ガス充填式カートの暴発により全滅という珍事も起きている)


↓ガス充填式グレネードを主力として実用可能な弾数そろえた結果

サバゲー銃感想~番外編3~


法規制と自主規制によってBB弾を飛ばすことしか出来ない、BB弾以外を飛ばせたとしても実用に耐えられないエアソフトガンでは、実質的にはショットガンのような機能のものであるが(上記のように実銃でもショットガンのように大粒のバックショットを撒く近接用の弾がある)、実際にサバイバルゲームで使用する場面は実銃のそれに近い、比較的近距離での面制圧である。

もっとも、ガス充填式のものは銃身といえる部分がBB弾を装填するグレネード弾部分にしかないという構造のために射程は短く散りやすく、実銃同様に仰角をとって撃つか近距離で使用するしかないのだが。

過去にはアングスやCAWから射程を延ばす為のエクステンションバレルが発売されていたが、CAWは常識外の使用方法では法に触れる可能性があるとして自主的に製造・販売を中止している。(アングス製はそれ以前に製造終了している為に問題とはならなかった)

前述したマルイのものはエアコッキング式ではハンドガン並みのバレルを持ち固定とはいえホップ機構があるために射程や命中精度は高く、ガス式ではホップ機構はないため山なりの曲射弾道ではあるものの銃身内の延長バレルにより十分な射程とある程度集中する精度を持っている。


フィクション

アーマード・コア

「ACを象徴する強大な火器」として登場。着弾すると巨大な爆発を起こす弾丸(どちらかというと巨大な火球)を発射する。

特に大型のものは砲身を折り畳んで装備するのが特徴。

アーマードコア 有澤重工 - OGOTO (着色)有澤重工 - OIGAMI

グレネードランチャーというより大砲といったほうがしっくり来る。※榴弾が水平に飛んでいくこと自体がおかしかったりする。(ほぼ水平に飛んでいくXM25という例外はあるが)

(実際のグレネードランチャーのように放物線を描いて飛ぶ「投擲銃」というカテゴリは存在する。こちらは、通常弾の他に拡散弾、焼夷弾とバリエーションが豊富。通常武装として使用するのは、難しいため補助武装として活躍させるといいだろう)


バイオハザード

プレイヤーが使用する武器として登場。

1つの銃で多彩な弾を打ち出せるのが特徴であり、種類によって有効なクリーチャーが異なる。

使用できる弾の種類は榴弾、火炎弾、シリーズによっては硫酸弾、冷凍弾などのトンデモ弾が登場することもある。


大乱闘スマッシュブラザーズX

ソリッド・スネーク最後の切りふだ

ショータイムだ!!」の掛け声と共に大ジャンプした後、画面手前よりヘリコプターの梯子に掴まりながらフィールドにいる他のファイターに銃撃を加える。

リボルバー式のグレネードランチャーのために6発ごとに装填時間が生じ、弾速が遅く、軌道にもクセがあるため慣れないうちは苦労するが、使いこなせるようになれば、相手をお手玉感覚でそのまま場外へ運送していくこともできる。


なお、時間制限が設けられており、制限時間になると全弾打ち切っていなくても撤収してしまうので注意。


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