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「俺には”王様”になりたいっていう夢がある」

「世界を全部良くしたい。みんな幸せでいてほしい。そう思ったら、王様にでもなるしかないじゃないか!」


演:奥野壮


概要

仮面ライダージオウ』の主人公。ジクウドライバーを用いて仮面ライダージオウに変身する。

2000年4月28日生まれの18歳→19歳。物語開始時点では光ヶ森高校の3年生(EP29にて卒業した)。学籍番号は183G202068。

因みに卒業以降は特にやることは決めてないらしく、戦いながらもマイペースに毎日を過ごしている。(それってつまり……時計屋稼業の手伝いぐらいはしているかもしれないが…)


「王様になりたい」という突拍子もない夢を抱きながらも平凡な毎日を送っていたある日、謎めいた男・ウォズや未来からの襲撃者・明光院ゲイツとの出会いによって時が動き出す。


彼を助けたツクヨミが語った「未来の自分が最低最悪の魔王になる」という話に困惑するものの、自分の夢である人々の幸せを実現できる王様になるという夢を叶えるために最高最善の魔王となることを決意。仮面ライダージオウとして戦っていく。


ジオウとしては、新たに仮面ライダージオウⅡを手に入れて以降時間の巻き戻しと数秒後の未来予知という破格の能力を持つ。

そして白ウォズが登場した頃から予知夢のようなものを見るようになっており、ソウゴ自身にもコントロールできないとはいえ未来予知の能力に目覚めはじめた。


……と思われていたのだが、ジオウⅡの力を手に入れた頃から実態はそれを遥かに超えてゆき、ついにはソウゴが見た夢が未来として実際に現実になるという未来創造=現実改変能力の一端である事が判明。あまりにも人智を超えたその力はツクヨミから恐れられるようになってゆく。


タイムジャッカーが絡んでいるので当然だが、過去のライダーについては全く知らない模様。

また、歴史改変がされていない過去のライダーについても(年齢的に仕方ない気もするが)知らない様子。エグゼイドやブレイドに会っても特に大きな反応はせず、アギトに至ってはネットで検索しようとし、あまつさえ関係者仮面ライダーアギトさんはいますか?」と堂々と聞く始末。

意外にも、(外伝作品を除き)遭遇した上で共闘した事があるレジェンドライダーは少なく、彼が明確に共闘した事があるのはビルドクローズエグゼイドアクアディケイド電王ゼロノスガタック響鬼(京介)、アギトくらいであり、誰がどんなライダーに変身しているかは殆ど把握していない。


人物像

夢は「王様になる」こと。

高校の進路相談でも「王様になる」と言い、しかも「王様になるから大学受験はしない」とまで断言している。「王様は皆を守るのが役目」など良き王でありたいとの思いも強く、真剣に王様になる事を夢見ている。


自らを「王」とする故か10年以上先輩である乾巧にもタメ口で接している。(その一方で、同話に登場した大杉忠太には敬語で接していたり。…もっとも、巧も出会い頭からソウゴ達に偉そうなことを宣っていたので「コイツに遠慮する必要はない」と判断された可能性もあるっちゃある。先輩をおじさん呼ばわりした後輩とかもいるし。)先輩ライダーをさん付けで呼んだのは、EP21の城戸さん(EP22ではツクヨミへの電話を介してだが、フルネーム呼び捨て)とEP38の加賀美さんのみで、年上でも殆どの場合は呼び捨て。敬語を使う描写も少ない(当初のソウゴのキャラクターから「先輩ライダーに敬称・敬語を使わないのは違和感がある」という意見もあったほどだったが、後述する魔王の片鱗が描写されてからはこの意見はほぼなくなった)。

メインライターの下山健人によると、「王様」や「魔王」と言うキャラクターを盛り付けるためレジェンドライダー達にも敢えてタメ口で接するようシナリオを書き直されたとか。


基本的に他者の事は下の名前で呼んでおり、原典ではほぼ苗字で呼ばれていた万丈龍我の事も「龍我」と呼んでいる。

ただし他人行儀な間柄だと、フルネームで呼ぶことも多い(真司、桜井侑斗門矢士など)。


その夢は支配欲や権力欲からではなく、項目トップの台詞のように「みんなが幸せでいられる良い世界を作りたい」という純粋な思いから来るものなのだが、現代で唱えるにはあまりにぶっ飛んだ夢であり、かつあまりにも痛々しいため、同級生をはじめ周囲からは可哀想なものを見る目で見られ、敬遠されている。


この夢を否定しないのは大叔父で親代わりの常磐順一郎のみ(一応大学受験を勧めようとする等、多少なりとも危機感はある模様。また、「高校生にもなって…」と呟かれていたので呆れられている節もある)。

ツクヨミやゲイツがクジゴジ堂に下宿してくるまでは順一郎と二人暮らしであった。父「宗太郎」と母「奈美恵」(順一郎の甥夫婦もしくは姪夫婦)とは2009年(これについては後述)に死別している。



彼がこのような夢を目指すようになったのは、彼が幼少期から繰り返し見続けていたとある不思議な夢が関係している。

その夢に現れた複数のダイマジーンが人々を虐殺していく中、それを見ている事しかできない幼いソウゴの前に現れた謎の男から「お前には王となり、世界を破滅から救う使命がある」と告げられた事が、ソウゴが王様になる夢を目指す事になった切っ掛けである。


その為、自分を魔王の道に進ませようと露骨に誘導してくるウォズに対してもあまり悪い感情は抱いていない。


他者の思惑に乗せられていると気づき困惑し迷いつつもそれを受け入れていた五年前の主人公、国を守るために不本意ながら黒幕と一時的に協力関係を結んでいた前作の主人公とは異なり、"王様になれるならいい様に利用されても構わない"と考えている節が態度の節々で見られている。



得意科目は歴史。一方、化学と物理はツクヨミ曰く「絶望的に」苦手。実際ビルドアーマーに変身した際に出た数式もよくわからない式暗記不能理解不能などと書かれ式にもなっていなかったため力の持ち主から「最悪だ」と呆れられていた。

数学も追試の追試を受ける羽目になり、卒業がかかった追試で14点を取る壊滅的な出来。ゲイツからも「落第した魔王なんてシャレにならんぞ!」と呆れられている(EP23)。


尤も、勉強の方に関してはマジメにやっていないから苦手なだけであり、きちんと勉強をすれば全科目でA判定を貰えるぐらいには頭は良い。


ネーミングセンスも壊滅的であることが分かっており、鎧武アーマーの必殺技は「秘技ミカン斬り」と称するほど。これに関しては先輩にも同じような人物が存在する


恋愛沙汰にも弱いらしく、ソウゴの初恋についてクローズアップされたキバ編では、初恋の人だと思い込んでいた北島祐子/アナザーキバに終始振り回され、本来の調子を出せていなかった。

(恋愛感情でここまで取り乱す割に、これまでそんな様子を微塵も見せなかったということは、ツクヨミを一度も恋愛対象として見なかったということだろうか…?)


口癖は「なんか、行ける気がする!」。この単純な理由だけで行動に移し、それをこなしてしまう程の才能も持ち合わせている。一方で想定外の事態に遭遇した時は「なんか違う気がする」と言う。「なんか行ける気が…しない!」(EP37)や「勝利の法則は決まった…気がする」(EP09)といったバリエーションもある。

加えて、苦境に陥った際も笑っていられる程のポジティブな思考の持ち主でもあり、完全にとばっちりで喧嘩に巻き込まれたにもかかわらず、人々が仲直りしたと知ると胸を撫で下ろした程である。

友達思いな面もあり、授業をサボった同級生を自ら進んで庇い、自分だけ怒られることになっても一切後悔しなかった。



このように基本的にお人好しな一方で、一度やると決めたら一切引かない強情な面もあり、相手の発言や行動を逆手にとり有無を言わさず都合がいいように動かすなど、頭の回転が速い一面もある。


EP08においては相反する立場にあり、思想と目的が噛み合ってすらいなかった黒ウォズとゲイツをそれぞれの立ち位置や周囲の状況をも利用して動かし、見事に事態を収拾に導くという人の上に立ち、家臣を通じて国を動かすという面にも通じる「王の資質」の一端を垣間見せた。


加えて状況の把握・適応も速い上に冷酷な面もあり、たとえ味方でも自分に牙をむこうものならば反撃するどころか必殺技を躊躇なくぶっ放す等の容赦のなさも備え、勝利という結果を得る為ならば無情な手段をとって過程を顧みないなど、「若き日の暴君」とも言うべき片鱗を垣間見せる。

前述のEP08でもいわば自分の判断ミスでツクヨミが意識不明になってしまったにもかかわらず、焦燥感のあったゲイツと違い、ソウゴは意外なまでに冷静な動きで、事態を自分の思う理想形で収めている。


EP24でも、生身のオーラを相手に容赦なくジカンギレードで銃撃を加えている(ただし、オーラは仲間であるウールを傀儡の王に仕立て上げようとした上、ソウゴが時間を戻し無かったことにされたとはいえツクヨミを殺害しかけている)。

このような人格ゆえか、ライダーバトル要素のある平成ライダーでは珍しい「ライダーバトルに対する躊躇が最初からなかった主人公」でもあり、どちらかといえば騒動に巻き込まれる側だったり犠牲者であったかつての主人公達とは違った立ち位置にいる人物とも言える。


ジオウトリニティの登場後はのほほんとした面が表に出ていたが、「カブト編」で久々に本領を発揮。

ワームの擬態した影山瞬の誘いに対して素直に乗り、忠告するウォズに対して笑顔で「少しは人を信じなくちゃ」とのたまったのだが、実際には影山を全く信用しておらず、誘い出された先にいるだろうアナザーカブト共々叩き潰すつもりでいた。

(実際には地獄兄弟は加賀美の方を狙っていたのだが、その上で「まあそうなると思ってたけどね」と淡々と述べるなど、先読みの鋭さと敵に対する容赦のなさが大きく発揮されていた)


これら、当人曰くの「最高最善な面」と「最低最悪な面」の乖離が激しく、そのギャップが敬遠・気味悪がられてか、今まで露骨にいじめられる事はなくとも、まともに"友達"と言える人物は(「鬼になる」という夢を抱いていた鼓屋ツトムを除いて)一人もいなかった模様。

小さい頃は友達がいない代わりに、玩具のロボットを友達にして遊んでいたと語られている。


その覇道

万が一自分がオーマジオウになることが確定的と判断した際には「自分を倒して欲しい」「2人の判断なら信じられる」ツクヨミとゲイツに伝えており、実際EP10で一方的に打ちのめされたゲイツは一人ソウゴの元から離れている。


しかし、EP15で自分の未来の姿と言われるオーマジオウと対面し、彼が行った残酷な行動を聞いたり、50年後の自身の姿(と思われる人物)を見た時には、普段の余裕さはなく激しく動揺し、オーマジオウを倒そうとした際に引き留めたツクヨミを突き飛ばして変身するなどこれまでにない感情的な姿をみせた。


EP16では「魔王になりたくなければベルトを捨てればいい」というオーマジオウの言葉やゲイツの危機という事もあってベルトを破壊し、魔王になることを諦めるも、その後のタイムジャッカーの襲撃とゲイツの発破がけによって再び最高最善の魔王になることを決意し、ジオウへ変身している。


EP21では突如出現しては人を襲うアナザーリュウガへの対応に苦慮する中、襲われた被害者達が今は閉鎖されたOREジャーナルの元フォロワーだという共通点を見出し、元編集長の大久保大介から話を聞き、かつて熱い記者だったと語られる城戸真司の元へ趣く。その際、部屋中のガラス等の姿が映り込む物全てに目張りされた部屋に辿り着き、そこで倒れていた真司を助け出す。


その後、一時クジゴジ堂へ戻り、そこで順一郎がウォズから受け取ったジオウライドウォッチⅡを受け取り、外へ出た矢先に現れた黒ウォズからそれが「本来、オーマの日に使用されるオーマジオウの力」であることを告げられる。

その後、アナザーリュウガへ向けて相打ち覚悟で必殺技を放とうとするゲイツを止め、ジオウライドウォッチⅡを使おうとするも失敗。鏡の世界へ入ろうとするアナザーリュウガを追ってそのまま鏡の中へ移動してしまい、そこで自分自身と出会ってしまう。


続くEP22でジオウに変身したもう一人のソウゴは対抗すべく変身しながらジオウライドウォッチⅡを取り出すも「そういうとこ、お前が聖人君子じゃない証だ」「最高最善の魔王なんて、お前には無理なんだよ」と批判され、動揺したままタイムブレークを喰らい、現実世界のクジゴジ堂へ追い出される。


その後も鏡像に映る自分から「ゲイツをダシにしてオーマジオウになろうとしている」「口では綺麗事を言っても、心は真っ黒なんだよ」と否定され、心が揺れ動く。

それでも事態の解決を諦めず、城戸真司へもう一度話を聞きに行き、彼の口からアナザーリュウガ=鏡像の城戸真司が元OREジャーナルのフォロワーを襲う理由が「もっと彼らが応援してくれればOREジャーナルは潰れずに済んだのではないか」という逆恨みから来ている事を知り、そんな情けない自分の一面もまた真実であることを受け止める真司の姿に、ソウゴもまた覚悟を決める。


再度、鏡像の自分と対面したソウゴは「最高最善な面も、最低最悪な面も、どっちも本当の俺」「俺は未来の自分にかけてみたい」と覚悟を語り、それに応えた鏡像のソウゴが黄金のライドウォッチを手渡し、ジオウライドウォッチⅡが完成。鏡像と現実のソウゴもまた一つとなった。

その後、タイムバーストを発動したゲイツがアナザーリュウガと相打ちになった所へ乱入し、ジオウライドウォッチⅡの力を使い時間を巻き戻してゲイツの死をなかった事にする

この時、ゲイツが死ぬ前に乱入してもよかったであろうところを一度見殺し同然にしたうえで姿を現し、何でもないかのようにゲイツ(とツクヨミ)を見下ろしつつ「やっぱりこうなるよね。でも、これは俺がすでに見た未来だ」などと呟いてから時間を巻き戻すという空恐ろしく映る行為を平然とやっている。後のアナザーキカイの一件を見る限り結果をあえて見せることで説得力を持たせようというところなのだろうが、ヒーローにあるまじき行いと言われても仕方ないといえる。


そして今度こそジオウⅡへと変身し、久々の黒ウォズの祝言を受けつつアナザーリュウガを圧倒。反射攻撃が出来ない程の圧倒的な攻撃力と攻撃の先読みによってアナザーリュウガを撃破し、元の姿へ戻った鏡像の真司へ「城戸真司はあんたを受け入れた。あとはあんたが城戸真司を受け入れる番だ」と語った。


時冠王剣


しかし、ジオウⅡの力を目の当たりにしたツクヨミは白ウォズ側についてしまい、アナザーキカイとの戦いの最中ゲイツも白ウォズの元に行ってしまう。

ジオウⅡの力を手に入れたソウゴは孤独となってしまうのだった……


過去の彼に起きた出来事

ソウゴに恨みを持つという加古川飛流の情報をツクヨミが調べる中、彼女はソウゴが魔王を志すようになった、あるいは心に歪みを抱える羽目になった事件の様子を垣間見ることに。


ツクヨミはソウゴの両親と飛流の両親が2009年のバス事故で死別していることを順一郎から聞き、2009年に飛び、事故を起こしたいちご狩りのツアーバスに乗ることに。

そこで見た光景は、なんとスウォルツが過去のソウゴ達「2000年生まれの子供たちの中にいる、時の王者の資格を持つ者」を見つけ出すために拉致し、バスを乗客ごと爆発させる様子だった。

(なお、バスに乗り込んでいたツクヨミは運転手として潜んでいた門矢士オーロラカーテンによるワープで助かっていたが、彼女がソウゴを人質に取るスウォルツに銃を向けていたことから、飛流はソウゴを憎み、またゲイツにある決意をさせる誤解を招くことに…)


そしてスウォルツによりダイマジーンが世界を破壊する未来にソウゴ達が飛ばされ、逃げ惑う事態が起きる。

先のバスで気絶していた飛流を救うためソウゴが時間停止、物質消滅というのちのオーマジオウの力の片鱗を見せ始める。

その様子を目撃したスウォルツにより、ソウゴ「お前には王となり、世界を破滅から救う使命がある」と告げられ、なんらかの力を注がれ、気絶している飛流と(バス事故の記事の様子からダイマジーンにより殺されたであろう子供達の死体と)共にバス事故の現場に飛ばされる。


幼いソウゴが夢を見たあの光景は現実に体験したことであり、夢に現れ、彼に王になるよう告げた謎の男の正体はスウォルツであった。


この事件のせいで、自身に健やかな成長をもたらしてくれるであろう両親を喪い、「王様になる」という荒唐無稽な夢を抱き、理解者がいない事さえ気にしないソウゴの人間性を形づける一つのキッカケになった(これには両親を喪ったソウゴにどう接していいか悩んでいた順一郎が今までちゃんと叱ってこなかったことも関係している)。


更なる謎

EP40で遂にグランドジオウの力を手に入れたソウゴだが、桜井侑斗は当初、オーマジオウではなくグランドジオウの方を「世界を滅ぼす魔王」と呼んで危険視していた。

最終的に電王ライドウォッチは無事ソウゴに継承されたが、戦闘後に侑斗は「お前は本当に常磐ソウゴなのか?」と聞き捨てならない質問をぶつけている。


これは言い換えれば、「侑斗の知る“常磐ソウゴ”は現在のソウゴとは違う人間性の持ち主である」とも取れるが、この意味は果たして……?


魔王対魔王の結末、そして歪められた世界

魔王と魔王

EP40ラストにてオーマジオウによって未来へと引き込まれ、EP41で本格的に激突。当初こそ互角に戦っていたが、グランドジオウが召喚したドライブがオーマジオウによって乗っ取られてしまったことで敢え無く敗北。疑念を抱くソウゴと駆け寄ったウォズに、オーマジオウはソウゴが負けた理由が「ドライブの力を継承できていないからだ」と告げ、ウォズはグランドジオウライドウォッチが形成された時に合体したドライブウォッチはあくまでゲイツがオーマジオウから盗んだ物だったことに気づく。


ウォズによって未来から現代へ帰還するも、目を覚ますとそこには未来で見た自分の像に似た「加古川飛流 変身の像」が建っており、街を出歩くと現代であるにもかかわらず明らかに荒廃しており、クジゴジ堂も見知らぬ人々が怪我をした状態で横たわり、挙句の果てにおじさんも自分を知らないという始末。

それでもラジオから聞こえたツクヨミによるアナザーライダーの情報を聞いて救援に向かうも、ツクヨミもゲイツも自分のことを忘れ、更にはジオウⅡに変身したソウゴを攻撃してきた。


すんでのところで「ジオウを倒されては困る」と語ったウールに助けられ、逃げた先の公園のベンチに腰掛けていたところ、ウォズが現れ世界が変貌した理由を聞くも、そこへ現れたのはオーラに連れられウォズが「新たな我が魔王」と称した加古川飛流だった。

飛流はソウゴへの憎しみを捨てるどころか、むしろソウゴから掛けられた言葉に一層の憎悪を募らせていた。ソウゴから家族も友人も魔王の座も奪うことで、なおも同じ言葉を吐けるのかと挑発しアナザージオウⅡへと変身。アナザージオウⅡの時間を自由に書き換える能力によってアナザーライダーは復活し続け、消耗していくソウゴを救ったのは門矢士だった。


しかし、逃げた先で皆から忘れ去られ、ウォズに見捨てられた事実に憔悴しきったソウゴは「もう魔王の資格はないのか」と落ち込むが、士はそんなソウゴへ「世界の崩壊を止めるにはアナザージオウⅡを倒すしかない」と詰め寄るも、ソウゴは「みんなもいないのにどうすれば……」と落ち込むばかりだった。しかし「お前はみんながいたから王様になりたかったのか? 順序が逆だ!」と問いただされ、自分を追ってきたアナザーライダーを撃破。そしてウールの情報で自分を倒しに来たゲイツと対面し戦闘に入るが、無抵抗のまま変身を解除する。


ツクヨミの介入と士の物言いでクジゴジ堂に集合し、書き換えられる前の本来の歴史を語る。

ゲイツは「お前もヤツも俺が倒す」と反発したが、ツクヨミはどの道飛流を倒さなければならないのは同じだと制止、物語序盤に近い呉越同舟同然の状態が成立した。


それから少しして、元の歴史がどんな様子だったかをゲイツに尋ねられたが、話をしている最中に飛流が襲来。

ジオウⅡに変身して渡り合うも徐々に押され、しかもよりによってスウォルツの力を分与された海東大樹にグランドジオウライドウォッチを奪われてしまう。危機に陥ったソウゴだが、割り込んで来たゲイツリバイブ疾風に救出されどうにか撤退に成功する。


だが飛流側も執念深くソウゴを狙い、その一手としてツクヨミの誘拐を画策。

アナザービルドとアナザーカブトが彼女を襲撃し、ディケイドが迎え撃っているところにゲイツと共に現れ、同時変身すると、アナザージオウⅡを2人に任せて自身はアナザーライダーを追った。

だが、その前にウォズが立ちはだかり、足を止められている間にツクヨミを連れて行かれてしまった。


その後、ツクヨミの行方を追って街を散策していたところ、アナザーライダーに襲われるウールとオーラに遭遇。二人を助け、スウォルツが「自分が王となる」という野望を表したことを聞き出し、利用されていたことに憤慨する二人から海東に奪われたグランドジオウウォッチを返される。


そこへスウォルツによって時間を操る力を奪われながらも、ツクヨミとともに逃げ出したウォズから連絡を受け取り合流。ウォズからは演技とは言え裏切ったことを謝罪されるも、事情があることを察していたためあっさりと許し、まずは世界をもとに戻すことを優先して加古川飛流の待つ居城へゲイツ・ウォズ・士と共に赴く。

魔王の出陣

精神的に立ち直ったことも相まって、迫り来る無数のアナザーライダーとアナザージオウⅡの猛攻を物ともせず、更には光の粒子になって瞬間移動することでアナザージオウⅡの予知を覆し撃破。しかし、海東にウォッチを奪われた飛流を「用済み」と見下ろすスウォルツの背後では、ディケイドの力を奪われた門矢士が倒れていた。


オーマジオウとソウゴ

EP44にて、湊ミハルがツクヨミに対して衝撃の事実を語った。

それはオーマジオウの存在する「逢魔降臨暦」の未来は本来の流れから歪められた結果であり、ミハル/仮面ライダーアクアが元々いた時代が本来の歴史であるということ。


そしてオーマジオウを知るゲイツとツクヨミがこの時代のソウゴに干渉したことによって、彼がオーマジオウとなる未来が確定してしまったという事実であった。


そもそもソウゴが仮面ライダージオウとなった直接のきっかけは未来からやって来たゲイツに襲撃されたことであり、ツクヨミによってオーマジオウの存在を知らされ、そしてライダーの力を得たことで「最高最善の魔王になる」決意を固めて道を定めた、という経緯がある。


だがそれは、裏を返せば未来からの干渉がなければソウゴはただの人間のままだったということになる=ゲイツとツクヨミがやって来たことでオーマジオウが誕生する未来を決定づけてしまったということでもあった。

そのままであればソウゴが魔王にならない未来があったにもかかわらず、オーマジオウのいる未来から過去へ飛んでしまったことで、その過去=ソウゴにとっての現在からオーマジオウのいる未来へ至ることが確定してしまったのである。

ただ、本来の歴史の未来から来たと語るミハルはグランドジオウを見て「これがジオウ……やっぱり、歴史変わり過ぎだよ」と呟いたが、それがグランドジオウに対するものかジオウそのものに対してかは定かではなく、本来の歴史にジオウ自体が存在しなかったのかは不明。


関連人物

2068年からやってきた少女。

自分が未来で魔王となっていることを教えられる。

ジオウを倒すことで未来を変えようとしたゲイツとは違い、ソウゴがオーマジオウになるとは考えられなかった点から比較的関係は良好だったが、ジオウⅡの圧倒的な力と時間を操る能力を目の当たりにし、それが紛れもなくオーマジオウの力の片鱗だと確信したため、EP23以降は白ウォズに協力していたが、完全にソウゴを敵と割り切れていなかった。

ソウゴの真実を知った時に、ゲイツと共に「ソウゴが魔王にならない選択肢」を探す決意をする。


同じく2068年からやってきたレジスタンスの戦士。

魔王の存在を抹消しようとする彼に襲い掛かられる。

最初はやや苦手に思っていたが、話が進むにつれて彼を振り回すことも少なくなくなっている。

ツクヨミと比べると衝突する事が多いが、逆にその分互いの考えへの理解が深くなっており、「最高最善の魔王」を目指すソウゴを信じている。


大叔父。

(ソウゴの過去を気遣ってか)苦言を呈してはいないが、やはり王様になると言って憚らないソウゴに思うところはある様子。

だが、ゲイツとツクヨミが居なくなっても寂しいと素直に言えない彼に、初めて保護者として説教をすることに。


謎多き預言者。

ソウゴを敬うような言動は臣下のそれだが、ソウゴのあまりのぶっ飛んだ言動により振り回され、オーマジオウの歴史に向かわせるよう時々敵対する。

物語の中盤から彼もクジゴジ堂に寝泊まりするようになり、ソウゴ達との共闘が増えていく。


ソウゴと同じバス事故の生存者でアナザージオウの変身者。

ソウゴが魔王を志したせいでバス事故が起き、両親が死んだと誤解しており、強い憎しみを抱いている。


世界の破壊者で仮面ライダーディケイドの変身者。

与えられた役割である「ジオウの世界を破壊する」かどうかを見極めるために、ソウゴと時にはぶつかり、時には様子を見ている。


ソウゴ達と敵対するタイムジャッカーのリーダー格で、ソウゴとしては単なる敵対者だったが、実は彼の両親を殺した元凶であった。


2068年の未来を支配する最低最悪の魔王。

未来のソウゴらしいが、実際に未来世界で対面した際には圧倒されており、その影響でベルトを捨てた結果消滅する際も特に慌てておらず、再度ジオウへ変身した事で未来世界に復活した際は全てを予期していたかのような不敵な態度を取っていた。最初こそ未来の自分自身である事を頑なに信じなかったが、物語が進むにつれ徐々に否定することは無くなっている。


敵にも優しく居場所を与える大らかな性格のソウゴが、初めて(作中で)明確な怒りを見せたアナザーライダー。

相手の情を利用した騙し討ちによる殺人に歓喜する」という被害者への不謹慎な態度に激怒し、容赦なしの猛攻を加えて抹殺した


謎の集団「クォーツァー」のリーダーにして仮面ライダーバールクスの変身者。

ソウゴに関する重要な秘密を知っているようだが……


逢魔降臨(最終回ネタバレ注意)

テレビシリーズ終盤、ライドウォッチの破損に伴い、融合した世界が仮面ライダーのいないまま復元されたことで、ジオウの世界は滅びに向かいつつあった。

そんな中、全てを解決するためにソウゴは門矢士の提案した作戦に乗る。

それは、「ツクヨミを仮面ライダーにすることで崩壊しかけているスウォルツの世界を安定させ、ジオウの世界の人々をそこに移し替えた後、融合の起点になっているジオウの世界をディケイドの力で破壊する」というものだった。


だが、この作戦は成功した場合、拠って立つ世界を失った仮面ライダーであるジオウは世界から消滅してしまうことになる(この世界観では歴史の分岐点、つまり特異点となる仮面ライダーがそのまま世界とイコールとなる。元の世界が消えればライダーも消える)。


その結末を受け入れ、最善の未来を模索するためにソウゴはタイムマジーンで2068年に跳び、オーマジオウからの撤退戦を行っていたレジスタンスの前に現れるとツクヨミの懐にブランクライドウォッチを忍ばせ、自身はジオウに変身。オーマジオウと対決しレジスタンスの撤退を支援にかかる。

ジオウトリニティの力でようやくオーマジオウに膝をつかせるが、時間を超えた同一人物である二人の戦いには元より意味がなく、双方矛を収める形で収束した。


そして、オーマジオウの力が「時空を破壊する力」であること、スウォルツがそれを利用して世界を破壊させようとしていることを教えられ、元の時代へ送還されていった。

2019年に帰還した後は事前の作戦通りツクヨミを仮面ライダーに変身させることに成功するが、土壇場でツクヨミが離反してしまい作戦が失敗。


一旦クジゴジ堂に撤退したものの、「こちらの世界にジオウ、あちらの世界にツクヨミ」と架け橋になるべきライダーが必要な避難作戦は事実上破綻。

世界の破滅が迫る中、少しでも加速する滅びを食い止めるべく戦いを決意したソウゴに先立ち、ゲイツ、ウォズ、士が参戦。

ン・ダグバ・ゼバ仮面ライダーエボルといった大ボスまでも現れる中、ディエンドも加わって全力を挙げて怪人たちと戦い続けるも、滅びは止めようがなかった。


そんな中、ソウゴはクジゴジ堂で順一郎との最後の時間を過ごした後に出撃。しかし、その間際に順一郎が修理したレジェンドライドウォッチを渡され、グランドジオウの力を取り戻して戦場に舞い戻り、仲間にトドメを刺そうとするアナザーディケイドを平成ライダーの力で阻止(呼び出したのはゴースト オレ魂エグゼイド マキシマムゲーマーレベル99ドライブ タイプフォーミュラビルド タンクタンクフォーム)。


「どんなに歴史を壊されても、仮面ライダーは壊れない!!」


そして、満を持してグランドジオウに再変身(初登場以来となるフルバージョンである)、アナザーディケイドとの決戦に臨んだ。

ライダー召喚をフル活用して挑み、一度はアナザーディケイドを追い詰めるも、


スウォルツ「お前の敵は俺だけじゃない! ライダーの敵全てだ!」


スウォルツも原典のラスボス達を呼び出し、召喚した平成ライダー達を倒され、自身もゲムデウスの一撃で倒れ込んだところにラスボス達の合体攻撃を食らい変身解除。

無茶苦茶を絵に描いたようなアナザーディケイド達の攻撃の前に危機に陥るが、トドメの一撃をゲイツリバイブ疾風が庇った。


そして、その一撃で変身解除されたゲイツが「オーマジオウになっても、お前なら最高最善の魔王になれる」と言い残して落命したのを引き金に、ついにソウゴは全ての覚悟を決める。

それに反応したかのように、両スロットの空いたジクウドライバーがオーマジオウドライバーに変化。


「変身!!」


祝福の刻!! 最高!! 最善!! 最大!! 最強王!! オーマジオウ!!!


apocalypse


「ウォズ……祝え」


ウォズ「は……?」


「祝えと言っている」


ウォズ「……祝え!! 時空を超え、過去と未来をしろしめす究極の時の王者!! その名もオーマジオウ! ……歴史の最終章へたどり着いた瞬間である!!」


そして遂に、ソウゴはオーマジオウへの変身を遂げた。この時を待っていたアナザーディケイドは、彼からオーマジオウの力を吸収し自分の物にしようとするが……。


「お前ごときが、俺の力を受け止めきれると思うか? 俺の力は……全てのライダーの力だ!!」


For the last of zio


そう言い放つと、グランドジオウでは歯が立たなかったアナザーディケイドが召喚した、それにドラグブラッカーハイドラグーン等、全ての敵をオーマジオウとなったソウゴはたった一撃で粉砕していった。


その圧倒的な力を見て、アナザーディケイドは撤退を試み、そこをツクヨミに奇襲される。そしてそのツクヨミが倒されたことで怒りが爆発。

絶叫と共に「逢魔時王必殺撃」を叩き込みアナザーディケイドを粉砕、勝利を収めた。


同時に「仮面ライダーツクヨミ」から世界を託されたことで、ツクヨミの世界も含めた全ての世界を融合させ、融合した世界を「ジオウの世界」として成立させ、崩壊を阻止した。


その後、精神世界で2068年のオーマジオウと接触したソウゴは、オーマジオウから「王として君臨する資格はある」「お前が世界を救った」と諭されるも、


「……世界を救ったのは、ゲイツや、ツクヨミや、ライダーたちみんなの力だ。みんなのいない世界で、俺一人王様になったって仕方ない」


と王になることを拒否し、世界の時間を巻き戻した。


その結果、融合された世界が元に戻り、また新たな歴史が一からスタートすることになった。


そして時間はEP1の2018年9月に戻る……が、ソウゴの同級生として月読有日菜明光院景都、ウールとオーラが存在しており、「王様になる」という夢を持つソウゴにゲイツが活を入れては、そのゲイツがツクヨミに投げ飛ばされ、それを遠巻きにオーラとウールが見ている……という日常に奇跡的な変化が起きていた。


1人残されたウォズは「逢魔降臨暦」を手に呟く。


ウォズ「普通の高校生、常磐ソウゴ。彼には魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っている…か、どうかは、まだわからない。どうやらこの先には、この本とは違う歴史が記される必要があるようです」


そうして、普通の高校生である彼は、また何気ない日常を送るのだった……。


Over_Quartzer

逢魔を越えて

物語の冒頭で謎の仮面ライダーの夢を見た後、詩島剛の要請でクリム・スタインベルトの祖先を救うべく戦国時代に向かう事に。


紆余曲折ありながらもクリムの祖先であるクララ・スタインベルトを救い、目的を達成したことで剛から認められたソウゴは、ついに最後のウォッチであるドライブライドウォッチを正式に継承。(ドライブウォッチ自体は最初から所持していたが、それはあくまでゲイツがオーマジオウから奪取した物であり正式には継承していなかった)


全ての平成ライダーのライドウォッチを継承した事で、突如現れた玉座にゲイツ達と共に向かう。周りの市民達からの声援の中で「遂に夢にまで見た王様になれる」と高揚しながらも玉座まで到着するソウゴ。

だが、その玉座には既に謎の男が座っていた


さらに男の周りに、突如として彼の部下と思わしき者たちが現れる。その中には江戸時代へ向かった際に襲ってきた二人の仮面ライダーの姿もあった。


「今までご苦労だったな」


一体何が起こったのか理解できず呆然とするソウゴに対し、男は告げる。


「俺達はクォーツァー。歴史の管理者だ」


突如として現れたクォーツァーのリーダーは未だ混乱するソウゴに対し驚愕の真実を語る。それは「今までジオウとして戦ってきた常磐ソウゴは実は組織の目的の為に用意したクォーツァーのリーダーの替え玉であったこと」、そして「自分たちがソウゴを替え玉とするべくあの忌々しい事件でスウォルツが2000年生まれの子供の中からソウゴが選ばれるように仕向けたこと」であった。


全てのライドウォッチを継承し終わった事で、「役目は終わった」とばかりにソウゴは

クォーツァーのリーダーによって容赦なく蹴り飛ばされ、そのまま捕らえられてしまった。

さらに今まで自分につき従っていたはずのウォズが実は元々クォーツァーの一員であり、最初からソウゴを利用する為に近づいていた事をウォズ本人から直接明かされると同時に、牢獄の中で自分が「仮面ライダージオウ」となったのは単純に「ライドウォッチを集めるために必要だっただけ」であり、ただそれだけのために担ぎ上げられた「傀儡の王」である事を突き付けられてしまう。

「生まれながらの王」「魔王への覇道」はクォーツァーから刷り込まれたセルフイメージで、始めからそんなものは存在しておらず、本当にソウゴは「普通の高校生」だったのだ。


「ふざけるな! それじゃ、俺が皆からライダーの力を奪ったって事じゃないか!!」


自らの望みとは裏腹に多くの人を不幸にした事実に打ちのめされた彼は、牢獄の中で気落ちしてしまう。

しかし同じく隣の牢獄に囚われていた「平成の時代を戦った改造人間」を名乗る謎の男が仮面ライダーに選ばれなかったと語る中、「俺と同じ」と零すも、「お前と一緒にするな!」、「ライダーとして選ばれたお前には、ライダーとして戦う責任がある」と叱咤激励され、助けに来た詩島剛と牛三によって牢獄から脱出。


経緯はどうあれ、今のソウゴは仮面ライダージオウである。ライダーであるならば、人類の自由と尊厳のために悪と戦わなければならない。それが「仮面ライダー」の責務であるのだから。


知らなかったとは言え利用されていた責任を取る為、クォーツァーの野望を阻止するべく最終決戦に挑むソウゴ。クォーツァーの最終目的である「平成のリセット」を阻止しようと最大戦力であるグランドジオウに変身し、クォーツァーのリーダーが変身した仮面ライダーバールクスと激突するが、バールクスは「平成ライダー自体に意味が無い」と断じてその力を跳ね除けてしまう。


「平成ライダーの集合体」であるグランドジオウにとっては最悪の敵であり、結果ソウゴは為す術なく敗れ去り、変身解除されたうえでタイムトンネルに放り込まれてしまう


圧倒的な力に叩きのめされ、最早これまでかと諦めかけたその時、景色が急に移り変わった。

目の前に広がったのは、まだソウゴが幼かった頃、自らを愛してくれた両親がまだ生きていた頃の記憶


そしてその記憶の中には、自身すら忘れていたある真実が隠されていた。

それは「王様になる」と言う願いが、誰かに与えられた物では無く、幼き日のソウゴが初めから今まで抱き続けていた、他でもない自分自身の夢であった事


「思い出したか……若き日の私よ」


それを自覚した時背後から聞こえてきた声は、自分が絶対にならないと誓っていた最低最悪の魔王、オーマジオウであった。


「お前は、生まれながらの王ではない。しかし、王になろうと望んだのは、お前自身だ」


「お前は何のために王になりたかったのだ?」


「他の者に認められるためか?」

「それとも、自分が特別であるためか?」


そう問われる中、ソウゴはようやく理解する。

今の今まで常磐ソウゴを衝き動かしていたのは、その夢を聞きながら穏やかに笑ってくれた両親との思い出であった事を。


「違う……違う! 他の人や平成ライダーなんか関係無い!」


「俺が王になりたかったのは…………世界を良くする為だ!!


自らの原点を思い出し改めて「最高最善の王」になる事を選んだソウゴ。だが、叫んだその時にはオーマジオウの姿はなく、周囲も元のままだった。

だが、その手の中に未知のライドウォッチが出現する。起動したそれこそが、2068年の世界に君臨する、正真正銘平成最後のライダーの力……オーマジオウのライドウォッチだった。


ジオウまとめ17


時空を超え、未来の自分自身……即ち「仮面ライダージオウ」の力を継承したソウゴは、遂に仮面ライダージオウ オーマフォームへと変身。

それは最低最悪の未来の自分を超え、その力を受け継いだ最高最善の王へと至った瞬間であった


Over Quartzer


ウォズ「祝え! 時空を超えて、大魔王の力を受け継ぎ、すべての時代をしろしめす最終王者!」

「その名も仮面ライダージオウ! オーマフォームの誕生である!!」


祝辞と共にウォズが「逢魔降臨暦」を破り捨てる中、オーマフォームの降臨によって「平成」という枠が外れた平成ライダー達が次々と「王」のもとへ集いクォーツァーと対峙する。


ウォズ「皆の者! 我が魔王に続け!」

ゲイツ「みんな行くぞ! ジオウに―――俺たちの王に続くんだ!」


カッシーンの大群を平成ライダー達、更には斬月カチドキアームズブレンGゴライダー漫画から現れたもう一人のクウガ達が次々と粉砕して行く中、ジオウは空を駆けながらダイマジーンを斬り倒して回る。


SOUGO「お前らのお陰で平成ライダーの歴史は無茶苦茶だ! 折角美しくまとめてやろうとしたのに!」


ソウゴ「勝手に纏めるなよ! 俺も、ゲイツも、平成ライダーの皆も! 瞬間瞬間を必死で生きてるんだ! 皆バラバラで当たり前だ!それを無茶苦茶とか言うなぁ!!」


タイムトンネルを消されながらもバイオライダーと仮面ライダーJのライドウォッチを使って巨大化し尚も足掻くバールクスを、最強フォームとなった全平成ライダー達で放った「平成ライダーキック」で撃破。見事クォーツァーの野望を阻止したのであった。


クォーツァーとスウォルツにとっての最大の誤算は、彼らがライドウォッチ収集の駒として選んだ「人が良いだけのただの子供」がその人の良さでもって、誰も枷を嵌める事が出来ず思うがままに時代を駆け抜けた平成ライダー達に「平成仮面ライダーの力と歴史を統べる自分達の王」と認められ、未来をも作り出す「真の王者」であった事。


少なくともクォーツァーはソウゴがオーマジオウとなる未来を知っており、ウォズをオーマジオウやソウゴの傍に送りこみ獅子身中の虫とする事で確実な勝利を狙った様だが、結局はそれも失敗に終わったのである。

またスウォルツもオーマジオウの力を得るべくタイムジャッカーを組織して暗躍していたが、上記の通り結局それによって最終的に自滅する形となった。


そして、誰も知らない戦いの片隅。

再起を図るゾンジスの前に謎の仮面ライダーが現れ、その抵抗を一蹴して撃破した。


それは、ソウゴの見た夢がまたしても現実となり、次なる時代へとバトンが受け渡された瞬間であった。


令ジェネ

フィーニス「君はライダーの力ってのが分かってない…ライダーの力ってのは悪の力だろぉ?ボクこそが本来あるべき仮面ライダーの力だ!」


ソウゴ「…君も俺の事分かってないよ。俺は王様になる…但し、「魔王」にね」


フィーニスの介入による世界融合を受けて偶発的に記憶が戻り、ゼロワンの歴史改変を阻止・是正すべく飛電或人の元に出撃している。尚、当作のソウゴは本編最終回にて仮面ライダーオーマジオウに変身した記憶も有している為か、本編と比較すると若干暗めの性格になっており、劇中では一度も「最高最善の魔王」と言う言葉も発していない


と言っても本編での激戦を乗り越えたソウゴなのは間違い無いので、ジオウⅡ単独である程度アナザー1号に善戦したりグランドジオウで無双したりと歴戦ぶりを見せつけた。ラストでゼロワンとジオウが激突した所言う事なのだろう。


ゲイツ、マジェスティ

「これが最高最善の魔王の力か~!」

依然記憶は失ったままであるが、『令ジェネ』から引き続き仮面ライダーの力と「平成ライダーの力を継承した」という事実は残っているらしく(要するに本編序盤の「歴史を失った平成ライダー」に近い状態)、海東が未来ノートで「4人のライダーが、今ここに集結した」と書いた際にはグランドジオウライドウォッチが出現した為、記憶を失ったままではあるもののソウゴは再びジオウに変身する事が可能となっている。


ツクヨミも揃ってウォズやゲイツたち4人が同時に変身するのは映像作品としては初(映像作品以外だとOver Quartzerの後日談であるファイナルステージ)であり、グランドジオウに加えてゲイツリバイブやウォズギンガファイナリー、加えてツクヨミと言う敵目線だと中々に恐ろしい絵面となった。

記憶は無くなった状態とは言えソウゴ本人が弱体化したわけではないので実力自体は捉え置きとなっており、グランドジオウの力を完全に使いこなしてカッシーン軍団を全滅させた。


ジオウVSディケイド

「この戦いは、ここでは終わらない…」

今作では我々の知る光ヶ森高校のソウゴと別々の学園に所属する並行世界のソウゴが登場する。ある日を境に各々の世界が融合し、人喰いモンスターが跋扈する世界に変貌した。各々の所属する学園が生徒ごと次元の狭間に飛ばされて来たという状況であり、何人もの生徒がモンスターの犠牲になった。


この作品で登場するソウゴは次の通りである。

性格外見所属高校
本編と全くの同一人物(ソウゴA)法被を着たお祭り男風光ヶ森高校
ぶっきら棒な性格(ソウゴB)ハワイシャツとキャップが特徴的花園学園
落ち着いた性格で関西弁で話す(ソウゴC)メガネを掛けた知的な青年三沢高校
粗暴な性格(ソウゴD)坊主頭の不良少年風日立高校
控え目なオトメン風(ソウゴE)ぬいぐるみを抱えている室井高校
弱気な性格キノコヘアー不明

[THE SEVEN ZI-Os]

以上の様に6人のソウゴは性格も人間関係も全く異なるが、全員がジオウの変身能力を有しており、レジェンドライダーの力の継承も済んでいる模様で、光ヶ森高校に集まったソウゴは生徒会長の座を賭けて争う事になる。


しかし、互いに異なる世界にやって来たソウゴ達は考えの違いで対立し、やがてソウゴ同士が殺し合う事になってしまい、他のソウゴや彼らを狙うディケイドによって次々と消滅していく。


事件の黒幕を破り、ソウゴAは元の世界に帰ってくる事が出来たが、唯一生き残ったソウゴBとミサは世界融合の影響でソウゴAの世界に取り残されてしまった。それでも、この世界で二人で生きていく事を決意し、ソウゴAらに別れを告げてどこかへ去っていった。


対になる『RIDER TIME 仮面ライダーディケイド VS ジオウ ディケイド館のデス・ゲーム』では我々の知るソウゴとは雰囲気の異なるバスケ部に所属するソウゴが登場(所属は本編と同じく光ヶ森高校となっているが…)。但し、王様を目指す性格という点だけは変わっていない。『時空の館』と呼ばれる建物に集められた参加者の一人であり、ゲーム中では変身能力を見せていない。


尚両作に共通して、真のオーマジオウになるべき存在と言われる「真実のソウゴ」が登場する。館で行われているデスゲームの主催者であり、複数の次元を融合させ今作の事件を引き起こした黒幕であるらしい。


スーパーヒーロー戦記

魔王降臨

「言わなかったっけ?『魔王』だって」

今作では西遊記の世界で登場し、服装もそれに準じた物になっているのだが、奇しくも50年後の未来でオーマジオウとして君臨していたソウゴを彷彿とさせる。


また、今作ではオーマジオウも登場している。

今作では現行以外では唯一最強フォームのグランドジオウを引っ提げて登場する等、レジェンドヒーローとしては破格の扱いを受けている他、本編で面識がある筈のタロスズ達は初対面の様な反応を見せている一方で或人とは久々の再会であるかの様な反応を見せている

少なくとも本編後の時系列のソウゴであると考えられる。


小説 仮面ライダージオウ

本作では正史(世界創造前のジオウ本編)のソウゴ・第四の世界のソウゴ(通称新たな魔王)・裏ソウゴ(鏡像のソウゴ)が登場するが、ここではメインである第四の世界のソウゴについて記載する。

正史のソウゴとは違い全国模試1位をゲイツ・ツクヨミとともに争うほどの高偏差値。また、お決まりの決め台詞は「なんか行ける気がする!」ではなく「行ける確率が高い」。また、王ではなく政治家、それも地方自治体の区長を目指している。

アナザーツクヨミの襲来時はウォズからジクウドライバーとジオウライドウォッチを受け取り仮面ライダージオウに変身し戦った。そして、とある人物から渡されたジオウライドウォッチⅡでジオウⅡに変身し、アナザーツクヨミを撃破する。しかし、その瞬間なんとゲイツが消滅してしまう。ウォズから事情を聴いたソウゴは、友を助け出す方法を探すためアナザーツクヨミウォッチを使い正史の2019年へと飛ぶ…。


余談

天空寺タケルに続き、名字が漢字で名前がカタカナの二人目の主人公。

名前の由来は「時」と「大言壮語」から。(『宇宙船』vol.162より)

当初は『仮面ライダー』の原作者である石ノ森章太郎がかつて住んでいた「トキワ荘」が由来と思われていたが、由来が明かされた同誌にてプロデューサーの白倉伸一郎が否定している。

しかし『ジオウ補完計画』では思いっきりネタにされていたりする。


ソウゴの生年月日は、2000年が平成ライダー初代作の放映開始年、4月28日が平成最後の日曜日(=仮面ライダーシリーズ平成最後の本放送日)である。「平成ライダーの始まりと終わり」を表していると言ってもよく、平成ライダー20作品記念かつ最終作である本作に相応しい設定と言えるだろう。

 劇中でも、各アーマータイムのリアクション(例・空からオレンジが降ってきて頭に刺さる)、「渋谷は何時あそこまで復興したんだ?」→「生まれてません」、「あ、京介だー」→「誰だそいつ?」など、生まれたて・生まれる前・物心がつく前など当時を知らない視聴者が原作を見ないまま本編を見た際の心の声(ツッコミ)を代弁。そのリアクションは単独記事でも作成しないと乗せ切りない程で、しかも本編終了後も続いている。

 ちなみにその集大成がコレ


周年ライダーの先輩として士が共演したが、彼のOPには「自分が瞬間ごとに 決断するその全てで 未来は理想にも絶望にも変わってゆく」という歌詞があり、奇しくもソウゴが選ぶ未来次第で最高最善の魔王か、最低最悪の魔王になることを示唆しているかのように聞こえる



設定・役者共に、仮面ライダーシリーズ初の2000年代生まれ主人公。

ソウゴを演じる奥野壮は放送開始時点で18歳と12日であり、単独主演俳優では天空寺タケルを演じた西銘駿の17歳と7ヶ月12日、野上良太郎を演じた佐藤健の17歳と10ヶ月7日に次ぐ若さである(「単独主人公」以外での最年少記録保持者はフィリップを演じた菅田将暉であり、放送開始当時16歳と6ヶ月13日)。


ただし、主人公で2000年代生まれは奥野が初だが、劇場版仮面ライダーウィザードinマジックランドに登場したシイナ/仮面ライダーメイジ役の瀧澤翼劇場版仮面ライダー鎧武サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!に登場したラピス仮面ライダー冠役の田中偉登が2000年代生まれの仮面ライダー役として既に存在している。




序盤では、あらすじでウォズが「この本によれば、普通の高校生・常磐ソウゴ…」と発言するため、視聴者から「どこが普通だよ」などと突っ込まれるのはお約束。

それまでの主人公は3作前が寺の跡取り、前々作が大病院の研修医、前作が天才物理学者(自称)だったので、彼らと比べれば肩書きは普通と言える。

ちなみに『高校生』という枠組みに該当する主人公は…

卒業まで残り約2ヶ月のタイミングで退学した記憶喪失(とある一部分のみ)野上良太郎

民生委員から学校に行くよう言われた20歳のバイオリスト紅渡

学校の生徒全員と友達になりたいと思っている転校生如月弦太朗

一回殺され、生き返るために休学している寺の跡取り天空寺タケル


第1話の時点で既に学校の生徒全員と友達になりたい高校生程度にはぶっ飛んでいるが、あくまでそれは1話から最終話終盤間際での話。

最終話の世界軸で見れば、上記4人と見比べれば確かにまだ普通の部類。

ちなみに演じた奥野も4作連続の「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」の受賞経験を持っており、ソウゴ役を演じるにあたり、俳優業に専念するために通っていた高校を中退するなど、リアル常磐ソウゴともいうべきぶっ飛んだ人物である。


また、

「10年以上になるバレエダンサーとしての経験からくる身のこなしの軽さと美しさ、そして浮世離れしたオーラ・存在感が、時をかける高校生という設定に非常に合致していた」

と佐々木基に評され、

東映プロデューサーの白倉伸一郎も「王としての素質」を体現する若者を見つけることは難しいと考えている中、普通の18歳とは異なる視点で世の中を見ている奥野の「非日常感」がこれに相応しく、運命的な出会いであったと述べている。


関連タグ

仮面ライダージオウ ZI-O チートライダー ラスボス系主人公

ジオウ_時の王者:キャラソン。


仮面ライダーシリーズ主人公

桐生戦兎常磐ソウゴ飛電或人


外部リンク

常磐ソウゴ | 仮面ライダー図鑑 | 東映

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