概要
神堂潤によるSF架空戦記コミック。
多目的衛星群によって電子戦が破綻し、有視界白兵戦が中心になるまで退化し、特殊強襲装甲(Special Assault Armor)・略称「SAA」と呼ばれるパワードスーツ兵器が戦場の花形となっている世界で戦う兵士達の物語。
純粋にSFミリタリーが好きな人にはオススメ。掲載誌が月刊少年マガジンの別冊であるマガジンプラス→マガジンイーノと移り、イーノ休刊後は書下ろし単行本で継続されているが、補給(一部のファンは単行本の刊行をこう呼ぶ)が年一冊ペースと遅く、他の月刊誌若しくはWeb上での連載を望むファンも少なくない。一応2020年代にはマガポケでのweb掲載がされているが現状は単行本化した既刊内容までしか掲載されていない。
登場キャラクター
- グラハルト・ミルズ
- 本作の主人公。祖国レギウムと敵国ドラグノフの戦争でSAAを装備して戦う青年。天才的な戦闘能力から敵・味方から畏怖をこめて「戦場の死神(※此処ではコレで「ジェノサイド」と読む)」と呼ぶ者が多い。
- それ故に戦中のレギウムの士気向上の為に軍によって「英雄」に祭り上げられたが、後にミルズが所属し隊長をやっていたジャッカル隊の部下達の裏切りにより罠に嵌められ、身に覚えの無い罪で売国奴にされる。
- 終戦後は、それ故に死刑を待つ身になっていたが、「裏切った部下への復讐」の為に刑務所を脱獄。初期の頃は「個人的な復讐」から旅を続け、戦後に解体され個人個人で行動していた元・ジャッカル隊員を次々と襲撃したり、または返り討ちにしていた。
- だが、次第に部下の一人である「ユリアン・クレイズ」が真の悪だと知ると、一部の仲間と和解し行動を共にしている。また、仲間を持った事で次第に「個人的な復讐」から「ドラグノフから祖国レギウムの奪還」に考えが変化し(※クレイズはドラグノフ軍に現在は所属している)、現在はレギウム国民軍に所属し、同軍の精鋭部隊である第1特機(第1特殊機装兵大隊)の大隊長として、また「オペレーション・ソビングバイオリン(ヴァイオリンの溜息計画)」の名の下に「新・ジャッカル隊」を結成してレギウムの首都ソルグレンの奪還作戦を行っている。
- ちなみに、現在装備しているSAAは「聖騎士(パラディン)」。ただし酷使が祟ったのか18巻を最後に長期メンテ・カスタムに入っており、以降はバルディッシュを着装していたが、22巻で久しぶりに再登場。折り畳み式大型レールガンに肩部ミサイルポッドと1巻のスワッシュバックラーのセルフオマージュとも思える重装備。
- ※正式名称はMK-54(しかも間違ってNK-54とペイントされてしまう)、聖騎士はサヤが勝手につけた名前。
- 性格は一見「酷く見える(一匹狼で皮肉屋・誰も近寄らせない独特の威圧的な雰囲気)」が、心の根底に「深い優しさ」を持っている。又、レギウム軍に入る前はガソリンスタンドの店員をしていた為、軍のレンジャーキャンプでは「スタンドマン」と言うニックネームを付けられていた。
- ユリアン・クレイズ
- 旧・ジャッカル隊に所属していた丸い球状のピアスを耳に付けているのが特徴的な青年。ミルズに「売国奴」の汚名を着せた張本人。その才知で戦後に復讐に来たミルズを時に巧み殺そうとしたり、ミルズの前から華麗に逃げたりする。
- 現在はドラグノフ側に所属しているが、実際は現在滅んだと言われた「ルーミス王朝」の復活の野望を持つ王族の生き残り。レギウムとドラグノフを戦わせたのも、裏ではルーミス王朝の復活を願う者達の陰謀だったらしい。
- 同様に、ルーミス王朝の貴族の末裔に家宝として分割されたルーミス王朝の衛星兵器「オービーターアイズ」の使用コードを一つに纏めようともしており、彼の傍には何時もチェカと元ジャッカル隊の同僚であったレイニー・クルーガーの妹のレイラが仕えている。
- ちなみに、コードネームの「クロウ」はレイラとで共用している。おそらく指令部という意味で使われているものと思われる。
- その性格は極めて狡猾で計算高く、元ジャッカル隊員で、なおかつルーミス王朝に関わる者たちの頂点に君臨するだけあって生身の戦闘力もかなりのものである。
- 生まれの影響か、いかなる時でも(悪い意味で)王族の血筋らしい尊大で余裕綽々の態度を崩さないが、恐ろしいまでの計算高さと神様気取りじみた尊大さの代償か、稀に予想外の事態が起こると人並みに取り乱すなど、完全無欠の完璧超人というわけではないらしく、巻が進むにつれて化けの皮が剝がれるシーンが目立ってきている。
- ミハイル・ウォルドマン
- 旧・ジャッカル隊の隊員の一人。戦後はGIGN特別機装隊の隊長になっていた。旧・ジャッカル時代から上司であるミルズが己の昇進の邪魔だと考えており暗殺を企てた事もある。
- 後に刑務所を脱出後のミルズに対し、ウォルドマンは己のSAA部隊を引き連れて廃墟ビルの中で勇んで戦うが、ミルズによって自部隊を壊滅に追いやられた果てに殺される。愛煙家らしく、SAA装着時もくわえタバコでいるほど。
- レイニー・クルーガー
- 褐色の肌が特徴的なレギウムきっての「ブレード使い(ナイフ使い)」。新旧ジャッカル隊の隊員。妹のレイラを大切にしている為、クレイズがミルズに売国奴の汚名を着せる罠をしかける際にレイラに洗脳を掛けてクレイズが己の手元に置く様にしてからは、レイラの命を守る為に嫌々ながらミルズを裏切る行為に加担してしまう。
- 後に復讐に来たミルズと戦った際に、ミルズを裏切った理由を述べて死ぬ事を望んだが、ミルズに許されて行動を現在も共にしており、彼と共にレギウム国民軍に参加後は第1特機の中隊長として、またミルズの副官(のような存在)として活動している。
- ミルズと違い性格は「協調性があり、優しい」為に新ジャッカル隊でも、ミルズのフォローに回っている。だが、レギウムのSAA開発者アンソニー・ハワード技師とは度が付く程に仲が悪い。顔を合わせる毎に喧嘩をしている。
- ちなみに装備しているSAAは、クレイズの下で嫌々働いていた時に装備していたドラグノフ製の「FR-A12 ゼブラ」を現在も使用中で、機体の出自はともかく機体性能そのものは気に入っているようだ。
- なお、ゼブラの前身にあたるドラグノフ製の主力SAA「バルメ」は別名「ドンガメ」と呼ばれるほど鈍重な事で有名だが、レイニーのゼブラはドラグノフの威信を掛けて制作(もっともその際レギウムの技術を節操無く接収した為いわゆる相の子な機体でもあるが)した機体な為にスピード面も高性能な機体である。詳しくは後述。
- トニオ・ザナルディ
- レイニーの戦友。現在、新ジャッカル隊の元でレイニーと共に首都奪還戦に参加中。
- 濃い面子が多い新ジャッカル隊の中ではいささか地味な人物だが、指揮官用のバルディッシュ改を駆ってSAA小隊の隊長を務めるなど、兵士としての能力は確か。
- バロス・ウォード
- レギウムきっての射撃の名手。別名「審判の矢を射る者(ジャッチメントアーチャー)」。病気の弟の手術代を工面すると言うクレイズの誘惑に乗ってしまう。
- 戦後は山奥で隠遁生活を送っていた。後にミルズと和解したものの、「インビシブルハンマー戦」で超人的な砲口撃ちを披露しそのまま命を落としてしまう。
- ミルズおよびレイニーとは開戦前からの仲間であり、その死は両者に大きな衝撃を与えたほか、敵に回ったクレイズからも「バロスを失ったのは痛い」と言わしめた。
- サヤ・ハミルトン
- ミルズに助けられた戦争孤児の15歳の少女。テレビ等で以前から「レギウムの士気向上」の為に流された英雄ミルズの姿に憧れて育った事もあり、恋心を抱きながらミルズに付き従っている。レイニーと同様に、アンソニー技師とはしょっちゅう口喧嘩をしている。
- アンソニー・ハワード
- 元AGI社の技術者でMK-54の開発主任。自身の開発したMK-54がゼブラより優れていることを証明するためMK-54をミルズに託す。しかしクラダーをSAAの部品扱いする考えのため、ミルズに足を撃たれてしまう(MK-54を普通に渡した事になればアンソニーの立場が危うい為の配慮でもあった)。
- その後はドラグノフ占領地域から脱出してレギウム国民軍に合流し、ミルズたちのSAA整備の中心的人物となった。また、整備以外でも新兵器開発や各機体の改修・改造といった裏方として様々な大役を成し遂げるなど、ミルズたちとは別方面で有能な人物である。
- 白衣に眼鏡にモヤシ体型と、見た目はステレオタイプな「ハカセ」キャラそのものだが、歴戦の猛者であるレイニーとも一歩も引かずに口論を繰り広げたり、ヘイデンに脅されても屈さず、逆に彼を「バカ」「稚拙」呼ばわりするなど、意外と気が強い。
- アラン・クルサード
- ミルズの「過去」への回想で出て来るレギウム国の元・英雄。とある事件が切っ掛けで、ただのガソリンスタンド店員だったミルズの隠された身体能力の高さを見抜きレギウム軍への入隊を促した人物。
- 当時、天涯孤独で職場を転々としていたミルズにとって「兵士としての成長を温かく見守り、時に叱咤して育ててくれる」クルザードの存在は「親」の様に大切な存在になる。
- …だが、クルサードは当時、段々と退廃し始めた自国の軍の在り方に疑問を持ち、やがて激しい苛立ちを覚え内部武装蜂起をしてしまう。結果、犯人が「クルザード」だと知らずに「武装鎮圧」の為に銃を取ったミルズによってクルザードは死亡してしまう。
- ミルズは、この時の激しいショック(大切な人を自分の手で撃ち殺してしまった事)から性格が一変。「優しく明るい青年」から「皮肉屋で他人を近寄らせない冷たい雰囲気を持つ兵士」に変貌してしまう。
- また、「優しさ」をクルザードの死によって封じられたミルズは「大量虐殺(ジェノサイド)」と呼ばれる「容赦ない残酷な殺戮」を行える様になり(※後にミルズの二つ名である「戦場の死神」と書いて「ジェノサイド」と読むのは此処が元)、当時、親友同士だったバロスやレイニーとすら疎遠になってしまった。
- ダン・チャップマン
- ミルズ達がレンジャー部隊の訓練生の時の教官で階級は軍曹。後に准尉に昇進する。「クソ虫」と連呼するのが特徴。怒ると顔が真っ赤なゆでダコみたいになる事から訓練生から裏で「タコ・チャップマン」と呼ばれている(初めに言い出したのはバロス)。
- 顔は似ていないが、その言動は間違いなく某鬼軍曹が元ネタであろう。
- ロッシ・セリオーニ
- ミルズの過去への回想にも出て来て、又、旧ジャッカル隊の隊員の一人。潜入・暗殺のプロでコードネーム「猛毒(パイソン)」。
- 戦後はクレイズの下で動いており、現在はドラグノフの占領下になったレギウムの首都ソルグレンでパウエル元帥を暗殺した後、レギウム国民軍が仕掛けた「オペレーション・ソビングヴァイオリン」の混乱に乗じて首都から脱出をしている最中。
- ドラグノフ軍・COBRA部隊のカーレル・シュワンツ大尉がCOBRA部隊に入る前の「今は亡き上司」によって顔に傷を負わされた過去があるらしい(※詳細は現在も不明)。
- レイラ・クルーガー
- レイニーに溺愛されていた妹。レイニー曰く「クレイズに洗脳された」らしく昼も夜もクレイズに何時も付き従っている。元々、レイニーと同じく軍に所属していたらしく、複雑な情報管理やコンピューター操作に長けている。
- 不思議と「洗脳した」だけな割にクレイズは彼女に色々と自分の秘密を打ち明けているが、その真意は今のところ不明。
- ルドルフ・チェカ
- レイラ同様にクレイズに付き従う「ルーミス騎士団」の長。クレイズの事は「殿下」と呼んでいる。
- その強さは「悪夢(ナイトメア)」と称される程で、重武装を施した武力集団をたった一人で(なおかつSAAを装着していない生身の状態で)壊滅させられるほど。
- イグナチオ・クリヴィーレ
- 極右政党派に入る「国民突撃楷団(フォルクス・カイル)」の部隊長。長く刑務所に閉じ込められていたが「オペレーション・ソビングヴァオリン」の騒動に便乗して国民突撃楷団の同士に手助けされ脱出。
- 当時、同じ刑務所に入れられていた「戦う事に快楽を求め恐怖を知らぬ」状態のヘイデンを拳で教育し直し、共に「オペレーション・ソビングヴァイオリン」で激戦地と化した首都ソルグレンに「祖国を取り戻す」べく進軍。ここでミルズと出会った際に「お前も私もクルザード大佐の教えを請うた者」と言っている事から過去にクルザード大佐と面識がある事が窺える。
- 指揮官としてはもちろん、SAAのクラダーとしての能力も極めて高く、市街戦でミルズと互角に戦えるほどの実力の持ち主。ちなみに、イグナチオとヘイデンの関係は「怖いお父さんと悪ガキ坊主」状態。
- ヘイデン
- 恐怖を全く知らず快楽の為に敵どころか味方すら嬲り殺す元・レギウム軍所属の巨漢の男。自由奔放に戦い過ぎた結果、危険人物として長く刑務所に入れられていたが、脱出中のイグナチオに牢から引きずり出され、更に彼から「教育的指導」を頂戴したおかげで「恐怖」を覚え、イグナチオと共に混乱極まる首都に出向いている。
- どう見てもゴツい巨漢のオッサンなのだが、その無謀とも言える発言や行動はやけに「幼い」部分が多く、ミルズらに突っかかっては容易く返り討ちにされる残念さもあって、ストーリーが進むにつれて「戦闘狂のバーサーカー」から「イイ感じにクレイジーなアホの子」といった趣の言動が多くなってきている。そのため、レッドアイズのファンの間で一部で「危うく…萌えてしまった」と言う人も多い。
- エドワード・ハメル
- レギウム国民軍の司令官。「落ち着いた品格のある老人」といった風体で、優れた将校であり、また人格者でもある好人物。
- 戦時中のミルズの活躍も詳しく知っており、彼の売国容疑を冤罪と判断し、その上で威厳と礼節をもってレギウム国民軍への参加を要請するなど、ミルズの才能を非常に高く評価している。
- ホルスト・パールマン
- レギウム国民軍の参謀長。ハメル司令官と違い何時もセカセカ焦っている。余り声を荒げないハメル司令官と違い、声を荒げる事が多い。小太りの気難しそうな老人。
- 参謀としてはあまり有能ではなく、作戦立案をリーダスに丸投げすることも多いが、そのことが却ってリーダスが才能をフルに発揮出来る結果になっている。
- アレクサンダー・H・パウエル
- ドラグノフ軍の将校で、レギウム敗戦後のレギウム委託駐留軍政司令官・元帥だったが、ロッシによって暗殺される。彼の死により、レギウム国内の敗戦への不満が一気に爆発し、戦乱が再燃することになった。
- レオン・リーダス
- ゼップ・ジベルノウ
- 新・ジャッカル隊の隊員の一人。日本製SAA鬼神を装備し日本刀型熱伝振動ブレードを操る。二つ名は「幽霊(ゴースト)」。現在は「オペレーション・ソビングヴァイオリン」の下で首都奪還戦に参加中。
- ミルズと並ぶ不愛想な人物で、なおかつ「言われた事をそのまま実行」する資質があるのか、「SAA鬼神はミリ単位で駆動系の調節が可能。私が調節したので更に凄く良いSAAになった」と言う事を自負するアンソニー技師の言葉を信じて、アンソニー技師の前髪を四の五の言わずに試し切りし驚いて泣くアンソニー技師に「お前が言う通りキチンと調節してあったから前髪だけ切れた」とシレっと言い放つ様は戦国武将・織田信長を思い出さずに居られなくなる人物。
- ちなみに、織田信長は鉄砲対策を施された鎧を献上した鎧師本人に鎧を付けさせ、「本当に本人が言う様に鎧が鉄砲弾を防ぐか」を調べる為に遠くから火縄銃で試し撃ちし、「職人の腕を確かめた」と言うエピソードがある。
- クラウス・ガードナー
- 旧ジャッカル隊に所属し情報関係で驚異的な才能を持つ無表情で寡黙な男。コードネームは「フォックス」。
- 終戦後は占領国ドラグノフ軍に根性で抵抗を続けていたレギウム国民軍に所属している。クレイズとも通じているが、「それも作戦のうち」らしく、敵とも味方ともつかない謎多き男。
- 現在はオペレーション・ソビングバイオリンの元、首都ソルグレンに「情報戦特化型SAA」を纏い、自ら戦地に赴いて作戦完遂の為に助力をしている。
- ロビン・ストーナー
- レギウム国一のCQCの使い手。ボディスーツを纏いPA(パルスアーム)と呼ばれる高圧電流が流れる手甲一本でSAAで強化された敵兵士を沈黙させる元・大尉の青年。
- レギウム国民軍の「オペレーション・ソビングバイオリン」のせいで蜂起したレギウム国側の一般人パルチザンと、同じレギウム人である占領軍ドラグノフの指揮の下で動かざるを得ない鎮圧部隊の衝突がおこった際、子供が騒ぎに巻き込まれている事を知り激怒。深い慈悲から来る怒りを持って両方の部隊を一人で黙らせた。
- 現在は、その時のパルチザンの一人ミック・シマオカと主に行動を共にしている。パルスアームでドンガメを次々と葬り生身でSAA用のバルカンを撃つ様は出る作品を間違えたとしか思えず、その天才的格闘センスと高圧電力の流れる手甲・PA一本でSAA装備の敵兵士を倒すため、戦中は「神の手(ゴッドハンド)」の異名で通っていた。
- ちなみに、パルチザン部隊は後に「シカンダルス民兵」と言う名前で活動する事になる。
- ※後にロビンが過去に所属していた部隊がシカンダルス連隊(※原隊・第四歩兵連隊の事。終戦時は特殊機甲兵団561機械化猟兵大隊)所属と解るが、それ故に名前がシカンダルス民兵になったのか?又はレギウム共和国にはシカンダルス市と言う場所があり、そこの市民が民兵に大勢いる為にシカンダルス民兵と言う名前になったかは不明。
- どうも、ロビンの回想シーンでロビン自体がルーミス騎士団配下だった様子をうかがわせるシーンもある。(※ルーミス騎士団員が纏うSAAダークナイツを纏った兵士を背後に従えているロビンと言う(?)シーンがある為)。又、ロビン自体は回想シーンでルーミス騎士団時代(?)を「あそこは地獄。人を人と思わない」と言う類の事を言っている為、現在のクレイズに盲信的に従うルーミス騎士団員とは「別の思想を持っている」様子がある。
- 単行本23巻にて、ルーミス騎士団員との戦闘と共にロビンの過去が断片的に語られており、ロビンが「かつてルーミス騎士団の団長候補としての訓練を受けていた」こと、「次期団長となるのを嫌って騎士団から離反した」こと、そして「本名は『ロビン・チェカ』である」ことが判明。ルーミス騎士団の団長であるチェカと同名であることから、両者の間に何らかの密接な関係(おそらくは血縁関係)があることはほぼ間違いないものと思われる。
- ミック・シマオカ
- 「オペレーション・ソビングヴァイオリン」の騒動で混乱化した首都ソルグレンで、殆ど一般人で形成されたパルチザンを率いて交戦していた退役曹長。
- 愛称は「シマさん」。その名前から、おそらく日系人(あるいは作中でそれに類する国の血を引く者)と思われる。
- 途中、ドラグノフ側から派遣されたレギウム人で構成された鎮圧部隊と交戦する事になった際にロビンと出会う。現在は、ロビンと共に首都ソルグレンで戦っている。
- カーレル・シュワンツ
- ドラグノフ側の特殊部隊COBRA(107戦隊)の隊長。ドラグノフ側では屈指の戦闘能力を兼ね備えた男だが、半面、レギウムに攻め入った際に出会ったレギウム国の民間人の母子に携帯食料(レーション)を分け与えたり逃がしてあげる優しい気質を持っている。
- だが、そんな繊細さを持つ故か戦争中「弾丸が自分を避けて通る様」「自分がこの世に居ない様な気がする」と言う発言をする様に、死体ばかりの激戦地を天才肌の為に生き延び過ぎたシュワンツは完全に「己が、この世で生きている事」に対しての感覚がマヒしており何処か心を病んでいる面がある。
- その為、過去に一度だけ戦った「自分に恐怖と言う感情を呼び起こし、この世に自分は堂々と生きていると感じさせた」ミルズとの再戦を切望していた。後に願望叶って一度はミルズと対戦はしているが負けて見逃される。
- 自分は「戦争で感情が無くなったと思っていた」様子だが、リネウィッチ氏護衛の任に付いたCOBRA部隊がダークナイツと交戦した際に、むごたらしく殺される部下達の姿を見て激昂し、スピーディーなSAAコブラⅡの能力とシュワンツの的確な射撃能力を駆使しダークナイツ1体を倒すものの、残り2機によってリネウィッチ氏暗殺計画は完全遂行され、これを阻止するまでには至らなかった。
- ちなみにレイニーの項で記している通り、ドラグノフ側の主力量産SAA「FR-A4 バルメ」は通称「ドンガメ」とレギウム兵に呼ばれる程「動きが鈍い」事で有名だが、シュワンツの機体はコブラ隊の隊長機用の機体「FR-A5コブラ」を更にシュワンツ本人のオーダーで「防衛面を捨て、軽量化しスピード面を優位にカスタマイズした機体」になっている為、アクロバテックな動きが出来る。なお、機体名「FR-A5M2 コブラⅡ」である。よくバルメⅡだのコブラ(SAA)がバルメの系列機扱いされたりするが、本機はバルメとは無関係の機体である。
- エル・ヤ・リネウィッチ
- ドラグノフから派遣されたレギウムの委託駐留軍の軍政統合参謀長。アレクサンダー・H・パウエル元帥が暗殺され混乱した自軍の指揮系統を立て直そうとしている人物。
- 才能のある人物の為、ドラグノフとレギウムの両方を弱体化させルーミス王国の復活を狙うクレイズとしては邪魔な存在の一人であった、その為にクレイズの命を受けたチェカによって派遣されたSAA「ダークナイツ」2機により暗殺されてしまう。
専門用語について
- レギウム共和国
- シルバイン朝ルーミス王国が滅んだ後に出来た国の一つ。民主共和制国家。人工は約五千七百万人。首都はソルグレン。
- ドラグノフ連邦
- ルーミス王国が滅んだ後に出来た民主主義連邦国家。人工は約1億2千万人。首都はガイエ・ボリスパル。
- 余談だが、現実にロシア製の狙撃銃にドラグノフ射撃銃と言う物がある。その為、レッドアイズの作者は其処からドラグノフ連邦の名前を取ったかもしれない。
- ジャッカル
- レギウム共和国軍の特殊部隊の名前。SAAを装着し、レギウムのトップクラスの戦闘能力を持つ兵士で形成された精鋭部隊であり、その強さはまさに伝説級とされている。実際、ジャッカルのエンブレムを冠した機体が戦場に到着しただけで、それを目撃したレギウム兵の士気が上がり、対照的にドラグノフ兵たちは戦慄するなど、その桁外れの強さと影響力が窺える。
- 旧ジャッカル隊は8名で形成されていたが戦後に解体。所属隊員で判明しているのはミルズ、クレイズ、レイニー、ロッシ、バロス、ガードナー、ウォルドマンの7名で最後のひとりは現在でも不明。
- 現在のレギウム国民軍で新しく形成されたジャッカル隊はミルズ、レイニー・ガードナー等の一部の旧ジャッカル隊を含めて形成されている。又、新・ジャッカル隊はジベルノウが新しく加わっている。
- SAA
- 「登場するSAA」の「SAAとは」の項目参照。
- クラダー
- 「クラダー」と書いて「駆動者」と読んだり「機装兵」と当てたりする。SAAを装着する兵士の事を示す言葉。
- ヴァイオリンの溜息計画
- 日本語で書くと「ヴァイオリンの溜息計画」だが、作中では「オペレーション・ソビングヴィオロン」と読む様になっている。ドラグノフ軍によって占領されてしまったレギウムの首都ソルグレン奪還作戦に付けたレギウム国民軍の作戦名。
- 詩人ヴェルレーヌの有名な詩「秋の歌(落葉)」の一節にある「秋の日のヴァイオリンの溜息の身にしみて ひたぶるに うら悲し 鐘の音に胸ふたぎ色かえて涙ぐむ 過ぎし日の想い出や」から来ている。
- おそらくノルマンディー上陸作戦(同詩がレジスタンスに送る暗号に使われた)に因んでの作戦名と思われる。
- ルーミス王朝
- レギウムとドラグノフの両国が出来る前に栄えた巨大国家の王朝。過去に衰退し滅んだとされていたが、歴史の表舞台から国と一緒に姿を消しただけで、王族及び配下の貴族の末裔は現在も裏で存在していた。
- 現在もルーミス王朝の正当後継者と言うクレイズや、クレイズの下に仕えるルーミス王国時代から脈々と存在し続ける王族の警護部隊であるルーミス騎士団。又、王族に仕えていたルーミスの貴族達で成り立つ秘密結社ディヴァンがある。
- ルーミス騎士団
- ルーミス王国の王族を守る為の騎士団。表向きは国が滅んだと同時に王族達同様に滅んだと思われていたが、実際はルーミス王家の正当後継者で、王族の生き残りでもあるクレイズの私兵として現在も存在している。
- 普段の団員達は世界各地で様々な身分や職業の人間達と一緒に紛れて生活しているが、クレイズの一言で何時でも動ける状態になっているらしい。
- 陸・海・空の3種と暗殺部隊である王宮警備隊(パレスバタリオン)で成り立つ。また、人数は1個師団に相当すると言われているが、戦力は計り知れないらしい。
- 加えて、騎士団員達はルーミス騎士団を構成する4つの部隊の将の4人を「ルーミスの盾(ルーミス・シルツ)」と畏敬を込めて呼んでいる。現代は暗殺部隊の将であるチェカが他3つの将からの推薦もあり騎士団長を務めている。
- 戦力や個々の戦闘力もさることながら、科学力もそこらの国家の比ではなく、SAA以外でも他国のそれとは一線を画す強力な兵器群を開発・配備している。
- ダークナイツ
- ルーミス騎士団の団員が纏うSAA。現時点でクレイズがルーミス騎士団・団長であるチェカに下した「リネウィッチ参謀長の暗殺」命令の為に首都に3機体程が出向いている。
- 中世の騎士を思わせる長い防弾マントが特徴で、折り畳み式の剣型の武器は持ち手から銃弾を発射出来る様になっている。腕甲部に榴弾砲や火炎放射機能等を持っていたり、脛外側の部分から空中散布型の散弾ユニットを打ち出せる機能があったりと暗殺用ながら一般戦闘も可能な工夫がされた機体。
- ディヴァン
- 過去に滅んだと思われた巨大国家ルーミスの貴族の末裔達で成り立つ秘密結社。王国の復興を狙い暗躍しているらしい。
- 各貴族達は過去にルーミス王国が所有した衛星兵器・オービターアイズの操作キーでもある制御コードを「遺産」として一部分づつ先祖から受け継いでいる。
- オービターアイズの独占を目論むクレイズの手によって、大多数が暗殺された。
- グラン・ケイオス
- デヴァンがレギウムとドラグノフ両国に仕掛けたルーミス王国復活の為の作戦名。
- オービターアイズ
- 旧世代にルーミス王朝が所持していた軍事衛星兵器。余りの威力の強さに当時の王が「恐れ」を抱き、制御コードを分割後に信頼できる家臣達に「遺産」として分け与え「一人の独断では力を発動出来ない様に」している。
- その実態は超高出力のレーザー砲であり、ソルグレン奪回に集結していたドラグノフ軍の大部隊をあっという間に消滅させた(ちなみにこの時は試射段階である)。
- AGI
- 「Ariel Gunner Industry」の略で、レギウム側の武器やSAA開発・生産をする会社。レギウム自体の国力がドラグノフより劣っている為に生産量は低いが、兵器開発能力はドラグノフ側より優れており、そのためSAAや武器は良品が多く、レギウムが戦力的に格上のドラグノフに対して善戦できた大きな要因となっている。
- GAF
- 「Gaie Arms Fabric」の略で、ドラグノフ側の兵器やSAAの開発・生産を行う会社。レギウムより国力がある為、数ではレギウムを上回るがSAAの性能は余り良く無い(レギウム製の兵器がひときわ優秀なせいもあるが)。だが、戦後にレギウムの技術を接収して開発された一部の機体はレギウムのSAAと同等、又は上の作りになっているがまだ数は少ない様子。
- COBRA
- PA(パルスアーム)
- ロビン・ストーナーが使用する特殊な手甲。片腕にのみ装備。
- 仕組みは「敵のSAAの外郭装甲の伝導体部にPAで接触し、其処から制御機関の絶縁体力を超える高電圧を叩き込む事でCPUを破壊し敵SAAを擱座させる」と言う物(要はSAAの篭手パーツを使うスタンガン)。
- しかしながら、元々高い機動力を誇るSAAを装着した敵に対し、ただの歩兵がPAで触れる事自体が至難の業であり、過去にレギウム軍はPAを装備させた対SAA猟兵部隊をベルグラッドで実践投入したが、無事に帰還した兵はロビン・ストーナー1人だった。なお、彼はベルグラッド戦でPAを使い10機のバルメを擱座させている。
- また、PAで敵SAAに触れると放電の為に触れた手が輝いて見える為、ロビン・ストーナーはレギウム兵の間で別名「神の手(ゴッド・ハンド)」と呼ばれる事になる。
登場するSAAについて
SAAとは…
過去に起こった戦争が元で高度電子戦のシステムが破綻した世界が舞台の為、戦闘は有視界白兵戦へと退化。その為歩兵戦力を強化する為に出現した兵器種。初期の頃は「耐弾装甲とそれを支える駆動骨格を歩兵に装備させた物」がSAA(special assault armor)と呼ばれた。
だが、現在は各国それぞれの特性を生かして開発を進め、「防衛・攻撃に関して機械的なアシストを装着者の特性に会わせて受けられる兵装(※情報戦特化型ならコンピューター端末に何処でもアクセス出来たり、重武装型なら重い重火器ランチャー等を背負いながらブーストを吹かしつつ急襲する事が出来る等)」になっている。
SAAの見た目は小型のロボット風の鎧の様な形状になっている(版権作品で言えば、機体サイズはアイアンマンに、運用面はアーマードトルーパーに類似点が多い)。
また、兵装と言う事で大量生産をする事もあり、各種兵士の身長や胴回りに合わせられる様に「170〜210cmまで調節可能な機体の骨格」と「アジャスト式装甲板」を使用している。
主動力は電力でスラスターには別途燃料を用いる。
機体名の前にあるアルファベットコードはレギウム製の場合Aが「正規採用」、PFは「陸専用量産機」、そしてSPは「特殊機」を表す。なのでミルズの「MK-54・XSP-180(※MK-54と書いて制作者のアンソニー技師は「マーク」と呼んで我が子の様に愛着を持っていた。ちなみに…後にサヤによって「聖騎士」と名付けられる)」は試作段階のSAAだった為「X」になっている。
SAAは作中における「主役メカ」であるためか、戦車や航空機といったSAA以外の機動兵器は軒並み脇役扱いであるが、本来SAAはモビルスーツやナイトメアフレームの様な「戦車などの既存の機動兵器に取って代わる」要素ではなく、あくまで「歩兵用の対弾装甲を発展・進化させたもの」である(「ハイテクな甲冑」とでもいえば分かりやすいか)。
そのため、「歩兵の進化系」であるSAAに対し、重武装を搭載した戦車や装甲車、攻撃ヘリといった機動兵器は作中世界でも依然として優位であり、対機動兵器用の重武装を施したSAAを装着した熟練のクラダーでもない限り、これらの相手はSAAでは難しい(一応、SAAの追加武装には対戦車ミサイルなどもあるため、生身の歩兵ほど絶望的な戦力差ではないが…)。
ゆえに、(ミルズの化け物じみた活躍のせいでどうしても霞んでしまうが)一般的なクラダーが装着する一般的なSAAの相手が務まるのは、精々生身の歩兵と、自分と同じSAAぐらいなものである。
なお、ただの歩兵相手ならばSAAは火力・機動力・耐久力いずれも圧倒的に優位ではあるが、歩兵用のロケットランチャーや重機関銃弾の直撃、至近距離での手榴弾や地雷の爆発、装甲でカバーできない部分(関節や顔など)への正確な狙撃といった手段で撃破される危険性も皆無ではないため、歩兵相手にも決して無敵ではない。
ちなみに、SAAは装着者の顔の殆どを隠してしまう為、機体形状をしっかり覚えていないと誰が誰なのかわからない状況になってしまうので、閲覧時には注意が必要になる。
このような、「歩兵には圧倒的に強いが、戦車や攻撃ヘリ相手では荷が重い」「顔が隠れてしまうため、ちゃんと覚えて読まないと、誰が誰なのかわからなくなる」といった点を踏まえると、作者が意識したかは不明だが、前述のアーマードトルーパー(AT)が登場する「装甲騎兵ボトムズ」シリーズにいろいろと似通った部分が散見される(ATは搭乗操縦型ロボットだが、同型機が多数登場する上、戦闘時は主人公も脇役も同一のパイロットスーツとフルフェイスのマスクを着用することが多いため、「台詞で判断しないと誰が誰なのかわからない」シーンがしばしば登場する)。
↓SAA事例・ヤガミ重工業カシワザキ事業所製「鬼神」
- レギウム軍
- ASP-177e_スワッシュバックラー
- 頭頂高:1.93〜2.33m
- 本体重量:412kg
- 動力:AGI社製V8-RS
- 最高出力:441kw
- 稼働時間(フル駆動時):8時間(1.5時間)
- 最高速度:87km/h
- ロールアウト:U.E.181年12月
- 大戦末期の傑作機。設定段階での型式番号はAPF-177であり、バルディッシュ改の後継主力機として開発されたが、逼迫したレギウム軍の財政事情に適せず、先行量産型16機がロールアウトした時点でAPナンバー(特殊機)に転化され、指揮官機として実戦配備された。その後、ジャッカル隊用に改修を施したeタイプが8機生産され、終戦を迎えてしまった。
- SBジャッカル00
- ミルズ専用のスワッシュバックラー。常に部下と離れ、単機で戦場を駆けるSAA。圧倒的な機動力と装甲、パワーを持ち、火力は重戦車並みというバケモノ機体。本機には長砲身の非使用時に二つ折りに折り畳まれるレールガンを試験的に装備し、戦車を一撃で葬る威力を持つ。しかしレールガン使用後、駆動部の過負荷や熱暴走によって冷却及び動きが止まりシステム再起動を行わなければならない事が唯一の弱点といえる。1巻以降の活躍は3巻、5巻で数コマ、9巻のサンピエナ戦いで再登場。全身に施された火器、装甲により登場機体中最も大きく見えるSAA。
- 装備
- 野戦用重装甲
- シールド
- 12.7mm徹甲重機
- 徹甲榴弾砲
- 打撃用ナックルガード
- ミサイルランチャー
- 9連ミサイルポッド
- 電磁レールガン
- ASP-177sc_MK-23_SB・スナイパーカスタム
- 頭頂高:1.93〜2.33m
- 換装後重量:486kg
- 動力:AGI社製V8-RS
- 最高出力:441kw
- 稼働時間(フル駆動時):8時間(1.5時間)
- 最高速度:62km/h
- ロールアウト:U.E.181年12月
- ジャッカル隊員バロス・ウォード専用機としてeタイプの1機に換装式でスナイパー仕様の改修を施した機体。戦線後方からのロングレンジ狙撃・援護を目的としているので機動力低下の対策は考慮されていない。換装式なので任務によっては換装し直して元のスワッシュバックラーに戻して運用する事が可能。戦後バロスによって、二度と人殺しをしない決意を持って倉庫の中に封印された。
- ミルズ達との再会後、バロスは倉庫を開けるが、一端はその扉を閉じてしまう。一方、ルート86の包囲網突破を試みるミルズとレイニーは重野砲と歩兵の攻撃により、窮地に立たされてしまう。その窮地を救うべく、バロスは戦場に駆けつけ、SB・スナイパーカスタムを装着する。11km先、重野砲の15cmの砲口という的、スナイパーとして至上最も困難な戦いが始まった。外してはならない1射目で、重野砲との砲弾同士の風圧により弾道がズレ、バロスの弾丸は砲口から外れてしまう。しかし、重野砲の砲弾はスナイパーカスタムの光学スコープを破壊してしまった。狙撃が不可能な状況になったバロスに撤退を指示するミルズ。だがバロスは拒否した。「不可能を可能にする」ジャッカル隊員の1人として。狙撃の精度を上げるために機体の間接をホールドしたバロスは自分自身の戦争に決着をつける為にトリガーを引いた。バロスの放った弾丸は重野砲の砲口に入り爆発し任務は成功した。だが、その時既にバロスは胸を重野砲の砲弾に撃ち抜かれ帰らぬ人になっていた。
- 装備
- 50mm対機甲狙撃ライフル
- 9mm短機銃
- 超望遠光学スコープ
- 機体制御連動標準システム
- 伏臥用前面・跪座用脚部装甲
- APF-175mod_バルディッシュ改
- 頭頂高:1.92〜2.32m
- 本体重量:417kg
- 動力:ポートマン社製PTB12
- 最高出力:367kw
- 稼働時間(フル駆動時):7時間(2.5時間)
- 最高速度:73km/h
- ロールアウト:U.E.180年9月
- レギウム陸軍現用主力機。基本性能が高く、トータル・バランスに優れた機体であり、第一線部隊に数多く配備された量産型SAA。量産型としてはかなり高性能な機体で、国力・戦力に劣るレギウムが大国であるドラグノフを相手に善戦できたのはこの機体に依るところが大きいと言われるほど(いわば『量より質』の理論である)。
- コバーン基地から搬出された機体をミルズが鹵獲して使用。基地の守備隊を相手に大立ち回りを繰り広げるも、FR-A12ゼブラとの戦いでは圧倒的な性能差に敗北、廃棄された。
- その後も味方側の脇役ややられ役用の機体として幾度となく登場し続けており、通常機のほかに指揮官用の高機能型や野戦用の重武装型など、作中でのバリエーションも豊富である。なお、9巻以降のバルディッシュは胸部装甲に付けられてたパイプが外されている。
- APF-152A3_ミュルミドン
- 旧式のSAA。博物館に飾ってあった物をレジスタンスの一人が使用。保存状態が極めて良く、昔使っていたレジスタンスの装着者曰くバッテリーと燃料を込めたら即動いてくれたとのこと。腕部に装備されたキャノン砲で2機のバルメを撃破し、旧式機でも十分に戦える事を証明した。
- 初登場は3巻のカラーページの1コマ、6巻でも1コマのみで本格的な活躍は15巻掲載分からになった。
- FR-A12_ゼブラ改
- アンソニー技師は元々、カスタマイズする予定は無かったゼブラだが、ミルズに脅されてカスタマイズする事となった。嫌々ながらもカスタマイズを行った結果。別の機体の様に性能が向上した。ブレード使いであるレイニーに合わせてブレードは2本装備しておりシールド裏ミサイルランチャーなどは継続されている。
- ASP-177e_スワッシュバックラー
- ドラグノフ軍
- FR-A4_バルメ
- 頭頂高:1.88〜2.28m
- 本体重量:439kg
- 動力:GAF社製PzM179SP
- 最高出力:322kw
- 稼働時間(フル駆動時):7時間(2.5時間)
- 最高速度:73km/h
- ロールアウト:U.E.180年7月(?)
- ドラグノフ陸軍現用主力機。著しく低性能な機体では決してないが、レギウム軍のバルディッシュには性能的に大きく遅れを取っていたため、GAF社は打倒バルディッシュを目指し、FR-A5コブラを含む7機種(!)が開発、実戦配備されたが、いずれもトータルバランスと対費用効果の悪さから量産主力機にはならず、終戦までバルメがドラグノフ陸軍の主力SAAを務めた。機体の鈍重さから装着者からは「ドンガメ」と呼ばれ、後にレギウム兵からもそう呼ばれるようになった。バルディッシュと並んでバリエーション機が多く、重装甲型や狙撃型など、特化型の機体も存在する。
- FR-A4_バルメ
- バルメ(1巻版)
- レッドアイズの1巻でのみ確認されるかなりマッシブなバルメ。携行している火器もかなり大型な上にグレネードランチャーを装備している為、火力は高いと思われる。SAAを装備していないレギウム軍歩兵に対して圧倒的な強さを見せるも、直後に到着したSB・ジャッカル00に一方的に虐殺された。
- バルメ(通常版)
- 実は2巻のド軍進駐式典で1コマ登場しているが4巻以降からが出番のバルメ。1巻と比べるとかなりスリムになった気がする。レッドアイズ屈指の殺られメカ。
- バルメ(COBRA107戦隊所属)
- 型番はFR-A4LAC。徹底的に軽量化され、市街地戦闘に向いたバルメ。レンズが片側だけになってる事しか外見に変化がないので通常仕様のバルメと間違いやすい。5巻、テスミラ城地下通路が初出。レイニー率いる第1特機A中隊を待ち伏せ損害を与えるも、レイニーのゼブラ一機に全滅させられた(斬り飛ばされた片側レンズの生首に注目)。
- バルメ拠点防衛型(FR-A4M6/D)
- 14巻から登場。なけなしの機動力を犠牲にして火力、装甲防御力に特化したバルメ。顔面も装甲で覆われ、全バルメ中、最も威圧感を持つ。全身強化装甲と左手に装備された盾による圧倒的防御力と右腕の四砲身ガトリング(バルカンと呼称)砲、ミサイルポッドによる驚異的火力を持ち、たったの2機でホプキンス少尉率いるγチームの進撃を止めた。ホプキンス機の特攻によって1機が爆散。残りの1機は集中砲火に耐えつつ増援を呼ぶも、後から来たロビン率いるレジスタンスの「大口径・高威力な銃の正確なヘッドショット」で首を折られ死亡する(銃弾そのものは防いだが、首にかかる衝撃までは殺しきれなかったため)。駆けつけた10数機の増援も「情け容赦ないゴッドハンド」の手により全滅してしまう。ホプキンス少尉曰く「うすノロのドンガメ」。後に対ディヴァン戦において末尾の「/D」の取れた前線仕様の重装甲型「FR-A4M6」が登場しているが、外見上ではほとんど違いはない。
- バルメ・イェーガー(FR-A4SII)
- 16巻から登場する狙撃型バルメ。右肩にバックパックと一体化した高性能狙撃銃を搭載する。スワッシュバックラー狙撃型同様関節ホールドシステム等狙撃型用の装備・機能が施されている。当然の如く狙撃能力に秀でた者へと配備されており、20巻ではミルズを射程外から狙撃して一時的にダウンを奪ったほど。
- バルメ(1巻版)
redEyes
作品の正確な表記は「redEyes」となっているが、ユーザーには当辞典の表記が比較的多く用いられているようである。
恒例になりつつあるネタの数々
この「redEyes」という作品は連載初期から一貫してハードなミリタリー調の物語を基軸に描かれているが、随所にネタになるセリフが多数存在している。
また、だいたい一巻に何人かの「咬ませ犬&死亡フラグ満載キャラ」がおり、一級フラグ建築士の巣窟と化している。
慣れてくると「あぁ、恒例の行事だ」と見過ごすレベルになってしまうほどであるが、そのレベルは巻を追うごとに大きくなっており、今までの最大単位が小隊程度だったものが、大隊規模になり、最新刊ではついに“国家レベルの一級フラグ建築士”の疑いのあるキャラまで出現した。
読者によってはこの国家レベルの大物がどういうフラグを回収されるのかが注目されている事だろう。
因みに、「フラグには量が多すぎると折れる」というジンクスもあるが、フラグ自体の巨大さはどうなるのかの検証はなされているのだろうか?
(追記)前述の“国家レベルの大物”は、オービターアイズによって国家中枢ごと吹っ飛びました。合掌。