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拳銃の編集履歴

2020-12-24 09:37:22 バージョン

拳銃

けんじゅう

拳銃とは、小型の銃火器の一種の総称である。

概要

の中でも片手でも扱えるほどに小型化した銃の総称。短銃、ピストル、ハンドガンとも呼ばれる。

拳銃に類するものとは、小型である専用の銃弾(拳銃弾)を使用する片手でも扱える(反動は考えない)の3点がそろったものを指す場合がほとんどである。

歴史

歴史的には火縄銃からあまり時を待たずして製造され、主に騎兵用の兵装として着目されていった。

特に第一次世界大戦で多種多様な銃火器が開発され、拳銃もその中で大きく発達を遂げていく。

同時に威力不足という登場当初からの問題点も顕著となり、戦場での兵器よりも護身用・携行用の武器としての道を歩み出す。

現在でも用途は多種多様であり、閉所での主兵装、兵士の非常用の兵装、警察官の武装、狩猟の道具、射撃競技の道具、殺傷能力を失くした信号弾用、一般市民の自衛用など。

その一方で、小型ゆえに隠匿しやすく、犯罪に使用されるものとして世界各国で厳しく取り締まられており、その流通については議論が絶えない。


戦闘において

どの拳銃も基本的にグリップの一点で支えなければならず、小銃のように構えを安定させるためのストックが無いため命中率は低い。

命中率・有効射程・装弾数などの面で小銃とは比べられるものでもないのだが、その最高の利点は、軽く小さく、取り回しや携帯性に優れることである。

ものによっては最も厚いところで厚さが1.7センチというものすら存在する。

その小ささから、近接戦闘や市街戦・室内戦・隠密作戦において大きな効果を発揮する。

普及性が高いため銃の威力についてはそれを大きく左右する口径が用途に応じて様々で一概にその特性を語ることは出来ないが、一般的な拳銃の範疇においては銃身の短さゆえに射程と貫通力が低く、これを補うために弾頭が大きくなる傾向があるため破壊力はその分高くなる。

貫通力が低いまま破壊力を持たせたためボディーアーマーやちょっとした板で防げたり、場合によっては一般的な衣服にすら絡めとられてしまうこともある(要は弾の威力が人体に到達する前に他のものの破壊に費やされて失われやすい)反面、小銃では貫通してしまうため小規模の負傷に留まる位置に命中した場合でも、体内を大きく破壊するため致命傷となってしまうこともある。


ストック、フォアグリップ等を装着して安定した射撃を可能にし、ドットサイト等の光学機器を装着して狙いやすくすることで欠点の解消を行うカスタマイズもある。

ストックは携行を犠牲にするものが多いが、容易に分解可能とすることで携行に影響が無いようにしたものもある。

ドットサイトはリアサイトと交換する事で装着可能なものもあり、スコープマウントを必要とせず、光学機器自体が小型な為に一部のホルスターに収まらなくなる事を除けば携行に影響を与えにくい。


銃と弾丸の選択によって射程距離は変わるが、拳銃で戦闘が展開されるのはおおよそ10m前後の狭い空間が多いため、有効射程も長くて25mから50mを越えるものは多くない。最大射程について100m近くになる場合もあるが、そこまで行くと弾速も威力も大きく減衰している。

そもそもスコープなどの嵩張る外付け照準器を付けてまで、拳銃で狙撃をすること自体が用途に合っておらず、数寄者のマニアックなカスタマイズの域を出ない。



種類

Ranch Hand Pistols

1.単発式・複銃身式

デリンジャーカンプピストルに代表されるようなシンプルなもの。

弾倉を持たず薬室に直接弾丸を装填する物。

構造が簡素でその分銃の口径が大きく出来て、威力が高い。

マスケットピストルなどもこれに類し、その後の拳銃の在り方を位置づけるものとなった。

また小型化が進んで護身・暗殺といった要素が強くなっていくが、これは射程もかなり短く、至近距離でないとまともに当たることはない。信号弾などの特殊な弾丸を扱う銃は、ほとんどがこれに属する。

装弾数は1〜4発程度、装弾数だけバレルも増えるのであまり装弾数を増やすと利点が失われる。

単発式は後述の回転式以上の強度を持たせることが可能な為、トンプソン・コンテンダータンフォリオ ラプター等の大口径多装薬の弾を使用できる銃も販売されている。

これらはマグナムリボルバー用大口径拳銃弾からボルトアクションライフル用大口径ライフル弾まで様々な弾を使用できる。重機関銃用の.50BMGを使用するTriple Action ThunderやMaadi Griffenのようなものもある。

大概は弾薬に見合った銃身長でないため、市販の弾をそのまま使用した場合は加速しきれずに威力は低下している。

威力の低下の代わりに弩が付くほど派手なマズルファイアが出るため、実用以上のものはそちらの需要がある。

また、マスケット同様のマズルローダーが現在も作られており、薬莢式と異なり一発ごとに火薬の量を微調整しつつ撃つ事ができると一定の人気を保っている。



2.回転弾倉式

リボルバーとも呼ばれる。

筒状弾倉(シリンダー)が回転し、銃弾を複数ストックしておけるもの。

最大の利点は1発撃つごと弾を補充する必要性がないことであり、近現代には回転式自動拳銃(オートマチックリボルバー)と呼ばれる連射性に優れたものも登場した。

単発式と同様に、威力面では高い部類に属するものが多い。

その理由は、機構が比較的単純であるが故に設計時に強度を確保しやすく、そのぶん強力な弾丸を使用できるため。

また、不発でも即座に次弾での射撃が可能という対応力の高さがウリ。

当初はシリンダーに直接、弾頭・炸薬・雷管を装填したが(パーカッションなどと呼ばれる)、現在の物は自動式と同様にメタルカートと呼ばれるそれらの弾薬がセットになった弾体をシリンダーに装填する。

世界の軍用拳銃は基本的にオートマチックが主流だが、その安易さから民兵などはあえてこのリボルバーを拳銃に選ぶ者も少なくない

ただし弾込めに時間がかかるため、戦闘中の再装填を行う場合はローダーという専用器具を携帯するのが理想的。

コルトシングルアクションアーミーのように再装填用器具を使えない構造のものは再装填しづらいため、複数の銃を携帯する場合がある。

パーカッションリボルバーの時代には装填済みのシリンダーを幾つも携帯することで連射を可能にしたツワモノもいる。

メタルカートリッジ発展期もパーカッションリボルバーの構造と殆ど同じものが多く、再装填に銃身とシリンダーを外した上で棒で空薬莢を一つ一つ抜く必要がある等、非常に手間がかかるために装填済みシリンダーを携帯することもあった。

なお、坂本竜馬寺田屋事件にて手を怪我し、再装填作業中に血で手を滑らせてシリンダーを取り落としたという話もあり、シリンダー自体の装填も確実ではないことがわかる。

自動式と違い装薬が作動に関わらない物が殆どと言う事もあり、散弾といった特殊な弾が使用可能になっているものもある。

オートマチックリボルバーは自動式との中間とも言える構造となっている。

射撃の反動を利用しハンマーを起こすだけでなくシリンダーも回転させ、自動式のように即座に次弾射撃を可能とする。

大概の場合はオートのスライドのように銃身やシリンダーを備えるフレームの上半分が後退するようになっており、弱装弾や同口径でも反動の小さい弾を使用した場合は後退しきれないということも起きてしまう。

また、発展した自動式より複雑なままの回転式がより複雑化するため、信頼性は大幅に低下してしまう。


3.自動式

オートマチックピストル / オート拳銃とも呼ばれる、弾倉(マガジン)に一定数の銃弾をストックしておき、1発撃つごとに自動で銃弾が装填されるもの。

弾倉の容量はまちまちだが、一般的な9ミリ弾を使用する銃は大抵が6〜9発程度、ダブルカラムマガジン()を使用するものでは12〜20発。

また、グリップから弾倉が長く飛び出すようなものは後述のマシンピストルに多いが、それに限らず使われることは多い(コンパクトモデルやサブコンパクトモデルにスタンダードモデルのマガジンを挿入することによりグリップが飛び出しているものもある)。

現在では民官問わず、連射機構のない銃にまで長いマガジンが普及している。

リボルバー以上に速射性に優れ、さらに銃把(握り部分)等からまとめて銃弾を補填できることから、弾倉を複数所持していおくことで弾込めの時間が大幅に短縮できるという利点がある。

初期のオートではマガジンは銃に内蔵されており、クリップ等を用いて一気に装填するか一発一発装填する必要があるなど、非常に手間のかかるものもあった。

機構も複雑化したために初期のものではそれまでの拳銃以上に壊れやすくもなったが、機構の単純化などの改良が重ねられて信頼性は向上した。

自動装填機構の関係から強力な弾丸を使用する自動拳銃と言うものはあまり作られず、弾数や機能性、信頼性に重きを置いたものが多い。

例外的に、オートマグデザートイーグルのように強力な弾丸を使用する自動拳銃も存在するが、稀な例である。


※ダブルカラムマガジン···複列弾倉。弾倉の幅を弾丸よりすこし大きく取り、左右互い違いに弾丸が入るようにして、少ないボリュームアップで弾数を増やすことを目的とした構造。弾種にもよるがグリップが太くなるため、手の大きさが欧米人よりも小さい傾向にある自衛隊では、この構造は採用されていない。


4.マシンピストル

自動式の中でも、連射できるもの。

拳銃にマシンガンの機能を持たせたようなもので、多くは既存の自動拳銃をベースに開発される。

連射数にあわせて50発程度の大型マガジンが用意されているが、ベースとなった拳銃のマガジンを流用できる物も多い(マシンピストル用の長いマガジンを通常の自動式に使うこともあった)。

実は個人レベルの改造でセミオート拳銃をフルオートに出来るが、かなり危険な行為であり、国によるが違法であるケースが多い。

フルオートマチック、フルオート、全自動式とも呼ばれる。

中には銃床()を別パーツとして取り付けられるものもある(銃によっては銃床を装着することで単射以外が可能になるものもある)。

性質的にはサブマシンガン(短機関銃)と同じである。


※銃床···ストック。ライフルなどにある銃後部に大きく伸びた部分。肩に当てて銃を安定させるほかに発射の反動を体全体に分散させる。


5.オープンチャンバー式

オートマチックのようなマガジンを持つリボルバーのようなもの。

外壁のないシリンダーが銃に内蔵されており、回転に合わせて薬室を兼ねたカートリッジがマガジンから供給され、撃ち終わったカートリッジはシリンダーの回転によっては排出位置に移動して排出される。

ダーディックピストル、SPIWプログラムのHarrington&Richardson案に採用されている。


6.ボルトアクション式

ボルトアクション式ライフルの機関部を流用し、拳銃としたもの。

単発式同様にプリンキングやビッグゲーム等の競技やハンティングでの使用を目的としており、弾倉のある単発式といったところ。

ちなみに法執行機関での採用実績もあり、使用目的は西側では住宅街に侵入した危険な動物の駆除や交通事故等で即死し損ねた大型獣の処理用、東側ではライフルグレネードの発射や暗殺、破壊工作、対テロなど。

銃身長に由来する弾薬の問題は単発式同様。

M700の機関部を使用し.223Remを使用するXP-100、サイレンサーを搭載したB&T VP9やD消音拳銃(Изделие Д)等がある。


機構

大まかにシングルアクション(SA)とダブルアクション(DA)の2つがあり、撃鉄を手動で起こすものをシングル〜、引鉄と連動してに撃鉄が起きるものをダブル〜と呼ぶ。

リボルバーではその機構の差で、性能が左右されやすいが、自動式の場合には、初弾を発射する際の手間だけの差であるため、さほどの差異は発生しない。

また自動拳銃の安全装置においては主に以下のタイプが存在する。

  • デコックタイプ···安全装置かデコッカーと呼ばれるレバーを作動させることで銃弾を激発させずに撃鉄を降ろせる機構で、主に安全性に優れる。
  • コックアンドロックタイプ···撃鉄を起こした状態で安全装置がかけられるもので、主にシングルアクションの銃に多く、即応性の高い機構である。

通常シングルアクションの銃にはコックアンドロックタイプの安全装置がダブルアクションの銃にはデコックタイプの安全装置が装備されている。

SA/DAどちらも可能な銃にはデコッカーとコックアンドロックセーフティの両方が備えられたものもある。(珍しい例ではP230JPのようなデコッキングしないとロックをかけれない銃もある)

M1911のようなデコッカーのないシングルアクションのコックアンドロックタイプでは指でハンマーを押さえてトリガーを引き、暴発しないようにゆっくりハンマーを倒す(いわゆる指デコッキング)を行なわれることがあるが、実際には危険なために行なうべきではない非常識な行為となっている。

手袋をしていたり汗を掻いているなど指の状態によっては滑ってしまい意図しない発砲をしてしまい、怪我などを引き起こしてしまう。

また、シングルアクション機構を持つ銃を装填状態で指デコッキングによりハンマーを倒した状態にすることは安全装置がない銃は言うまでもなく、安全装置がある銃でもそれが働かない状態でハンマーがフリーになっているなど、非常に危険な状態で携行することになり、万一の際にハンマーが動いてファイアリングピンを叩き発砲してしまう恐れがある。(激発時に無効にならないファイアリングピンの前進を防ぐ安全装置があれば別だが)

ハーフコックポジションが安全装置のような扱いがされることがあるが、ハーフコックポジションはシリンダーをフリーに動かして再装填を容易にしたり、コッキング途中でハンマーが前進した際に誤発射を防ぐ安全機構の一つであって、携行時に誤発射を防ぐ機構ではない為にハーフコックポジションであっても衝撃等により誤発射は起きてしまう可能性がある。


創作・フィクションでの扱い

などの共にイラストの題材にされやすい武器のひとつに挙げられる。

描く際には確実に手が写り込むため、慣れないうちは手の表現に手こずる絵師たちも多い。

近代兵器であることから、ファンタジー世界では魔法などの超常的な力の存在ゆえに発展が遅れていてあまり役に立たないか現代火器が超兵器染みた扱いがされる一方、特殊な技能などを必要とする理由付けや強力な敵であることを描くために現代の火器であっても役に立たない武器であるといった描かれ方がされることもある。近未来などのSFや近現代を舞台とした作品では、主要武装として活躍する。

近年では特殊部隊アウトローなどの活躍を描く銃が日常に溶け込んだ世界観を主体とするメディア作品が興隆を見せていることから、描かれる拳銃の種類も多種多様となっている。

中には対物用の徹甲弾炸裂弾が撃てるような、人類には使いきれないバケモノ級の拳銃(例:『HELLSING』の主人公・アーカードの拳銃「ジャッカル」が好例)も登場するようになってきた。またそうした規格外なものを「ハンドキャノン」と呼ぶ俗習も登場しており、現実に存在する拳銃でも極一部の大型拳銃への通称に使われている。(デザートイーグルはその嚆矢の一つ)

そのほかにも二丁拳銃ガン=カタといった、アクション性を求めたシチュエーションにも多用される。


構え方について

ちなみに、フィクションでは拳銃を横に向けて射つ描写が度々見受けられるが、これはいわゆる「カメラ銃口」の構図で銃によって役者の顔が隠れるのを避けた構えであり、見た目は格好良いかもしれないが、基本的に銃を横に向けると狙ったところに当たらなくなる。

これはバレルと照準器の位置のずれや、弾丸が水平面に対して山形に飛んで行くことなどが関係している。

熟練した射手が近距離の的を撃つなら、(当てる為に訓練を行っているので)照準器を使わず腕の向きだけで狙いを付けてもそこそこ当たるが、そもそも狙い云々より薬莢が顔に向かって飛んでくる。

また、腕の向きに加えて片手保持では横方向の反動の処理は難しく、自動式では作動と反動の関係で撃つたびに銃口が横にそれていくため連射で狙って撃つことは難しく、流し撃ちのような横にそれることを利用して水平方向に弾をばら撒く事が目的でなければ連射で撃つのは難しい。

逆に左手なら横に向けないと薬莢が顔に向かって飛んでくるので、横撃ちもアリだが、照準器の調整が面倒であり、殆どの拳銃が右手で主に使うことを前提で設計されている為に左利きでも右手撃ちに矯正する人が多く、軍隊や警察機関などでは右撃ちに矯正されることになる。

横撃ち用に側面につけるサイトも販売されているが、前述の理由からいまいち役には立たないため、(民間用セミオートライフル等に付けるダミーフルオートレバー等のような)ジョークグッズや飾りに近い扱いとなっている。

またオートマチックの場合、垂直に持って正確に動作するように作られているので横撃ちしたために反動をうまく受けれずに誤作動やジャム等の原因となる可能性もある。

照準や誤作動の問題からアクロバティックな体勢からなら視覚的に横撃ちにせざるをえないこともあるが、基本的に真っ直ぐ立っているときは普通に持った方がいいだろう。


なお、最近のバリケードシューティングでは姿勢やバリケード形状の関係で銃を斜めまたは横にして撃つことは必ず行なわれるようになっており、バリスティックシールド使用時には盾の覗き窓越しに照準をつける際にも横撃ちを見る事が出来る。この場合、バリケードシューティングでは基本両手で構えており、盾越しの射撃では腕が盾の縁に触れているので盾で片腕を支えているような状態での射撃となる。

ストリートギャングが横撃ちで撃つことが多く目撃されるが、この場合はその方がギャングスタだから(ギャングとして格好が良い、様になっている)であり、実用目的ではない。

ストリートギャングが実際に使っている、訓練映像などで見ることができるといった理由から、射撃訓練経験のない多くの人は横撃ちも正しい撃ち方であるという誤解をしている。


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