宇々島智
ううじまさとし
入巣京子
小学生の時にウサギを遊んでいる少女(入巣京子)を見て、ドキドキしたと言っている。
大学入学後はノートを覗いている姿を見て「素敵な子」と言っている。こんな子に殺されてみたいと思うなど、入巣に対しての思いが非常に大きかった様子。
また、入巣のノートを覗いて計画や内容を見たことにより、嬉しさを感じた。
計画前にウサギが自殺する絵を描き、入巣に殺されることを望んだが、結局ノートは見られること無く、別な形で結末を迎えることとなった。
安芸羽鳥
貧血気味の安芸を助けたことにより気を持たれるようになった。物理的にも精神的にも接近してきた。
入巣の計画で二人を巻き込むべきでないと考えたときに、自分に気を持ったのは間違いだと考えた。
自分の自傷癖を知ったときに、普通に心配したり怒ったりする人間なんだろうとノートに書かれている。
江戸川健
自分の件の関して集団に文句を付けたとき、面倒くさいことをする人間と思った。貧血気味の安芸を助けたことにより、安芸と共に会話をするようになった。
入巣の計画で二人を巻き込むべきでないと考えた。
自分の自傷癖を知ったとき、頼んでもいないのに親身になって話を聞いたりする人間なんだろうとノートに書かれている。
ネタバレ含みます
彼が小学生の頃、ネコが飼われていた。その猫は人懐っこく、人気者だった。ある日、校庭にいたウサギを学校のオリで飼うこととなった。ウサギは傷だらけでボロボロ、片耳がない状態だった。彼はクラスメイトなどの前では共にネコと戯れていたが、「可哀想」という理由で誰もいない時にウサギの様子を見に行っていた。ウサギが動く度に安心した。また、ネコとウサギが度々じゃれ合っているのを見て人気と不人気の差があるが当の本人達は仲がいいと思っていた。
いつものようにウサギの様子を見ようとしたら同い年くらいの一人の少女がいた。その少女はウサギに話しかけたり、食事を与えていたりした。その様子は非常に微笑ましく、彼はずっと遠くから眺めていた。宇々島は後に女の子が「違うクラスの子」ということ、「ネコによって喘息の症状が出る」ということ、「女の子はいつも一人」ということ。いつしか、この光景を眺めることが日課になったが、彼自身は少女に話かけることはなかった。
ある日、宇々島がウサギの様子を見に行ったらその兎が死んでいるのを発見した。少女がまた一人になってしまうことを恐れた宇々島はウサギの頭部をのこぎりで切断、少しでもウサギの話題が出てきて、少女が誰かと会話ができればいいと考えた。しかし、ウサギの話題より消えたネコの話題ばかりであった。少女がいつしか学校に姿を表さなくなっていた。
ちなみのこの少女は入巣京子(いりす)であるが、大学生になった今でも気付いていない模様。
大学生になった宇々島は、ネコを自殺させる絵をときどき描いた。席は前から2段目の真ん中の席が定位置らしい。いつも席の後ろの集団で楽しそうに会話している安芸羽鳥(あげは)を特に楽しそうだと思った。後ろの集団で自分を肴に笑いを得ていることに気がついたが、そんなに気にしていない模様。しかし、安芸が動物占いでネコだったと言うと、ネコなんていたかと考えてたりはしていた。宇々島を肴に笑いを得ていたのにあまり快くないと思った江戸川健(えど)がその集団に文句をつけてきた。宇々島は江戸川をなかなか面倒くさいことをする人間を思ったが、そのやりとり自体は全然覚えていない。ちなみにここで江戸川が安芸に気があるのに察した。本人曰く、わかりやすい。
数日後、いつも一人でいる白い感じの少女に気がつく。後日、その少女の名を入巣京子と知る。入巣がノートを覗いているところを目撃するが、嫌な思いはせず、むしろ「素敵な子」と思った。入巣を眺めている楽しいと感じるようになり、いつしかこんな子に殺されてみたいと思いようになってきた。
入巣がネコの絵を覗いているということを知った宇々島はネコの絵を日常的に描くようになる。一方的な交換日記をいつまでも続けたいと思っていた。しかし、宇々島が貧血気味の安芸を助けたことにより、安芸に好意を持たれてしまった。それにより、安芸といつも一緒にいる江戸川が宇々島によく話しかけてくようになった。そのせいでネコの絵が描けなくなってしまう。しばらくした後、安芸にネコの絵が描かれたノートを見られ、これで距離が置けるのではないかと考えたが、二人は態度を変える事はなかった。また、会話に適当に頷いたことによって3人で旅行に行くことになってしまった。宇々島は旅行後、疲れるだけで家にいた方がマシと思った。自傷癖のある宇々島は傷を見られないようにするために普段から長袖を着ていたため、これを気に奇妙と思わせ、自動的に疎遠になるのを待った。ちなみに傷は腕時計で隠せる範囲ではないらしい。ネコを自殺させる絵を描いたり、入巣に殺されたいと思ったりもするため、相当な性格の持ち主であることが窺える。
二人の出現で、入巣にノートを見せられなくなった宇々島は気持ちを紛らわせるために入巣のノートを読んだ。ここで入巣の旅行計画を知ることとなる。また、共にウサギが好きでネコが嫌いということも知る。ノートには入巣が想像上で宇々島と付き合っていること、ネコの絵を楽しみにしていたこと、江戸川と安芸への恨みが書き綴られていたことが書いてあり、嬉しさを感じた。
入巣が計画実行のため、図書館で会話したことにより、4人でいることが多くなった。宇々島はただ入巣といることに幸せを感じた。二人で話したいと思ったが結局それを言い出すことができなかった。
入巣の計画に関して、最初は好意的な態度を示していたが、自分が不利な状況になってしまうと思った宇々島は入巣の標的を自分に移すことを考え始める。考えている最中に安芸に原作通りにウサギが自殺する絵でも描くように言われ、描くようになった。入巣のウサギへの愛情を考えた結果、このノートを計画実行中にこれを見せ、自分を標的にしようと考えた。そして、江戸川と安芸の二人は巻き込むべきではないと考えた。そして4人のずれた関係を正常に戻して別の結果を望んだ。
4人で秋に再び旅行に行ったとき、自分では望まない結果になった。しかし、こんな形になるのもありだと思った。