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トヨタ・IQの編集履歴

2014-01-01 13:44:10 バージョン

トヨタ・IQ

とよたあいきゅー

トヨタ自動車が発売するコンパクトカーである。生産拠点はトヨタ・高岡工場(豊田市) ※イラストはカスタム仕様

概要

欧州の各メーカーがマイクロカー(Aセグメント)に力を入れはじめている現状に対するトヨタの回答のひとつとして、2007年9月、ドイツのフランクフルトモーターショーにて「iQコンセプト」を世界初出展したことがはじまりである。

外寸が2985mmx1680mmx1500mmと欧州圏で発売されている同社のアイゴ、あるいは日本軽自動車よりも長さが400mm以上短く、コンセプトはあくまで「大人3人と子供1人または荷物の3+1シーター」=「Compact, not compromised」= コンパクトではあるが我慢はないというものである。なお、開発は南フランスにあるトヨタの欧州デザインスタジオ、ED2(EDスクエア)が行った。

その後、東京モーターショーでもiQコンセプトが発表され、2008年3月のジュネーブモーターショーにおいては量産仕様を世界初出展。同年10月のパリサロンにおいては正式市販モデルが発表された。


歴史

初代 KGJ10/NGJ10型(2008年-)

2008年10月15日

正式発表。高岡工場愛知県)で生産し、同年11月20日より日本で発売開始。月間目標販売台数は2500台と発表されている。

内外装のデザインに関しては巻き貝や波紋などを基に造られた数理モデルを用い、自然界の造形美を活かした線や面を採用している。

欧州仕様はコモンレール式1.4Lディーゼルターボエンジン(1ND-TV)と6速MTなどの組み合わせもあるが、国内仕様はNOx規制および二酸化炭素排出量の削減を念頭に置いたため、ダイハツ製1L・3気筒の1KR-FEにSuper CVT-iのみの組み合わせとなる(欧州仕様車では同型エンジンに5速MTを組み合わせた仕様も存在する)。しかし、トランスミッション構造を変更し、ステアリングギヤボックスを上方に配置。さらに新開発の電動パワーステアリングの採用によりエンジンルームはヴィッツよりもさらにコンパクトとなっている。また、燃料タンクを床下にレイアウトすることでリヤのオーバーハングも極限まで短縮されている。さらにシートは乗り心地とホールド性を保ちつつ可能な限り薄型化するとともに、助手席側のダッシュボードを運転席より前方に出すことで十分な居住性能を確保している。

ヘッドライトのバルブに関してはスペース上の関係で背面からは挿入出来ないため、ハロゲンヘッドライト・ディスチャージヘッドライトともに交換時は側面から挿入することになる。この技術はレクサス各車やアイシスですでに導入済であるが、いずれもディスチャージヘッドライトに対応するものであり、ハロゲンヘッドライト採用車種への導入はiQが世界初となる。

オーディオに関しては全車標準装備であるが、インパネクラスター一体式の専用デザインとなっていてCDの挿入はインパネ上部より、操作はステアリング脇にあるリモートスイッチにて行う。なお、メーカーオプションのオーディオレス仕様を選ぶとインパネクラスターはディーラーオプションのナビに対応するものに変更される。

日本でのグレード展開は、発売当初、装備によって「100X」「100G」「100G"レザーパッケージ"」の3つが用意されるが、合計9個のエアバッグやABS&ブレーキアシスト、S-VSCなど高級車並みの安全装備は全車に備わる。

また、欧州仕様のフロントマスクにはトヨタのCIマークが装着されるが、日本国内仕様に関してはネッツ店専売ということもあり、「Netz」の頭文字Nをモチーフにしたエンブレムが装着される。

2009年2月10日

ボディーカラーを2色を追加。従来は落ち着いたカラーリングが大半を占めていたが、ヴィッツのマイナーチェンジで先行採用されたイエローラクティスのマイナーチェンジで先行採用されたコバルトブルーメタリックという明るめの色が新たに加わり、選択の幅が広がった。

2009年3月

ジュネーヴモーターショーにて欧州向け直列4気筒1.3L(欧州では1.33Lの表記を使用)ガソリンエンジン搭載モデルが発表された。エンジンは新開発の1NR-FE。排気量は1329ccで最高出力100psを発生する。トランスミッションは新開発のCVTか6速MTを選択できる。また6MTには「トヨタ・オプティマル・ドライブ」と名づけられた新開発のアイドリングストップ&スタート機構が搭載される。

2009年8月20日

欧州よりやや遅れ、ようやく日本にも「1NR-FE」型エンジン(なお日本仕様のトヨタ車としては初となるNR型エンジン搭載車となった)を搭載した新グレード「130G」と、その上級グレードである「130G"レザーパッケージ"」を追加(ともに基本的な装備に関しては1.0L車に準ずる)。燃費性能は1.0L車と同じく20.8km/L(JC08モード燃費)を実現しており、「平成22年度燃費基準+25%」を達成している。トランスミッションは当初CVTのみで欧州向けに存在する6MT+アイドリングストップ機構の設定はなく、エンジンもレギュラーガソリン仕様となるため欧州仕様車よりも若干最高出力が下げられている(欧州仕様車より4PSほど低い)。また「130G」以上のグレードの1.3Lには、欧州仕様車と同じく16インチのアルミホイールと175/60R16サイズのタイヤが装着されるが、リアブレーキは欧州仕様車と違いディスクとはならずに1.0Lと同じドラムブレーキとなるのが日本仕様車の特徴である。

それと並行し1.0L車も一部改良を行い、運転席に座面を上下に調整できるシートアジャスター(100G"レザーパッケージ"のみ)や、ドアアームレストにポケットを追加し利便性を向上させ、またボディカラーに欧州仕様車専用設定だった「グレーメタリック」を追加すると共に、"レザーパッケージ"のシート表皮にブラックレザー×レッドファブリックを追加設定しさらなるバリエージョンの拡大を図った。

さらに2種類の特別仕様車「"+(プラス)"」と「100X"2 Seater"」を発売。「"+"」は「デコクレ」の第2弾として「100G」「130G」をベースに、一部をスコーピオンレッドあるいはキャメルゴールドの加飾を施した内装やスーパークロームメタリック塗装の15インチアルミホイール("レザーパッケージ"に装備され、130Gにおいても標準車の16インチアルミホイールではなく、こちらのものに変更される)、黒色加飾のメーターバイザー、角度調節機能付マップランプ(白色LED)にはメッキ加飾を施すなど“個性”を強調した仕様で、搭載エンジンや"レザーパッケージ"等の装備で合計4タイプが用意される。一方の「100X"2 Seater"」は廉価グレードの「100X」をベースに後部座席部分をラゲージスペースに変更して乗車定員を2人に減らし荷室スペースを確保したシリーズ初の2シーター仕様で、リアシートの撤去に伴う重量バランスの是正のためにサスペンションセッティングを変更し、さらにボディ補強も行なわれていることが特徴。ともに日本仕様車のオリジナルバージョン。

また、コンプリートカーの「GAZOO Racing tuned by MN」も同時に発表された。

2010年5月25日

一部改良。運転席の上下アジャスターを全車に標準装備。さらに、ドアトリムの配色をプラムとブラックの2トーンカラーに変更すると共に、ステアリングには表面加工を施した。また、特別仕様車「130G"+"」と「130G"レザーパッケージ +"」には専用加飾色に「ポーラーホワイト」を追加した。

2010年8月31日

新たにスポーツパッケージ「100G/130G"→(ゴー)"」及び「130G"→(ゴー)レザーパッケージ"」を追加。本パッケージではフロントに専用エアロバンパーとフォグランプ、リアデフューザーを装備。電動格納式リモコンカラードドアミラーには専用色のシルバーを設定した。内装ではグレー&ブラックの内装色を設定すると共に、赤いステッチのステアリングと高輝度シルバー加飾のインパネセンタークラスターと助手席インパネアッパーモールを採用し、ファッション性を向上。"→(ゴー)レザーパッケージ"についてはレザーとファブリックの複合シートのファブリック部でグレーかレッドを選べるようになっている(レザー部はブラックで固定)。なお、「130G"→(ゴー)"」並びに「130G"→(ゴー)レザーパッケージ"」のトランスミッションは7速シーケンシャルシフトマチック(Super CVT-i)を採用する。

また、既に日本国外で設定されている6速MT車「130G MT→(ゴー)」と「130G MT→(ゴー)"レザーパッケージ"」もあわせて発表された(後述)。6MT車はアイドリングストップシステム「TOYOTA Stop & Start System」を標準装備。エンジンやトランスミッションとの最適化により23.5km/L(10・15モード)の低燃費も実現している。

2010年11月8日

予告されていた「130G MT"→(ゴー)"」及び「130G MT"→(ゴー)"レザーパッケージ」を発売開始。

2012年5月7日

一部改良。センタークラスターにピアノブラック塗装を施すとともに、1.3L・CVT車はマニュアル感覚のシフトチェンジを楽しめる7速シーケンシャルシフトマチックを採用。併せてグレード体系が見直され、1.0L車は「100X」・「100G」及び特別仕様車として発売されていた2人乗り仕様「100X"2 Seater"」の3グレードに集約。1.3L・CVT車は既存グレードを販売開始当初の体系に戻され、新たに「130G」の装備内容を一部厳選することで価格を下げた「130G"Xパッケージ"」を追加。1.3L・6MT車は装備内容の見直しにより、「130G MT」・「130G MT"レザーパッケージ"」に改称された。

2012年7月9日

GAZOO Racingが開発したスポーツコンバージョン車「GRMN Supercharger」を発表。「130G MT」をベースにスーパーチャージャーを搭載したことで最高出力・最大トルク共に30%以上高め、専用チューニングのサスペンションやマニュアルトランスミッションをクロスレシオ化するなど軽量ボディとエンジン性能を最大限に活かした痛快な走りを実現。外装は専用バンパーやリアスポイラーを装備し、ボディそのものも最新のプレス技術によりシャープなデザインとした。内装もスポーツ走行を前提にした専用のスポーツシートやメーターが装備される。9月下旬から100台限定で販売されるが、今回は同年7月22日から専用サイトにて先着順による商談申込の受付を行い、86公式発表時に設けられたカスタマイズやモータースポーツに精通したスタッフが常駐する「AREA 86」のネッツ店にて商談を行う。

2012年9月

本車をベースにした電気自動車「eQ」(イーキュー)を地方自治体や企業向けに限定発売すると発表。同年12月に限定発売。


GAZOO Racing tuned by MN

トヨタのポータルサイト「GAZOO.com」内で展開中の「Gazoo Racing」(“モリゾウ”ことトヨタ自動車社長の豊田章男と、マスターテストドライバーの成瀬弘率いるレーシングチームで、レクサスLF-AやIS Fなどでニュルブルクリンク24時間レースなどを戦っている)が、昨年より開発を行っていたiQベースのチューニングカー「iQ GAZOO Version」の市販仕様車ともいえる「GAZOO Racing tuned by MN」が発表され、同日から受注を開始。

ベース車両となったのは、アイドリングストップ機構付きの6MTやリアディスクブレーキ、さらにプレミアムガソリン仕様の「1NR-FE」エンジン(日本仕様車よりも出力の高い98PSを発生する)を標準装備する欧州仕様の1.3L車をベースとして、専用開発のサスペンションやボディ補強パーツをはじめ専用のRAYS製16インチ軽量アルミホイール、さらにタコメーターや専用のスポーツシートなどを標準装備したコンプリートカーである。さらにオプションでモデリスタ製エアロパーツやマフラーなども装着可能な特別な1台で価格はおよそ192万円となり発売(引渡し)は11月13日からとなる。またメーカー製作とはいえチューニングカーである以上、持込登録が必要な改造車扱いとなるため減税等の措置は受けられない。

100台の限定販売であったものの、受注開始から一週間ほどで全台数を完売した。


受賞

2008年11月6日にはグッドデザイン賞の中でも最も優れた製品に与えられる「グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)」を受賞。トヨタの車種でグッドデザイン大賞の受賞は2003年度のプリウスに続き2車種目である。

同年11月11日には2008-2009日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。日本国内外未発売での受賞は異例である。

2009年1月に開催された東京オートサロン2009 witn NAPACにて、トヨタモデリスタインターナショナルが出展したコンセプトカー「iQ“WHITE FALCON”」が東京国際カスタムカーコンテスト2009で、コンセプトカー部門の優秀賞を獲得した。

2012年12月、「eQ」のクールソーダメタリック×ブラックマイカ(ext)とブラック×ホワイト(int) の組み合わせがオートカラーアウォード2013で審査委員特別賞を受賞。


車名の由来

iQの「i」は「個性(individuality)」を表すと同時に、「革新(innovation)」と「知性(intelligence)」という意味をあわせもつ。また、「Q」は、「品質(quality)」を表現するとともに「立体的な(cubic)」という言葉の音と、新しい価値観とライフスタイルへの「きっかけ(cue)」という言葉に由来している。

GAZOO Racing tuned by MNの「MN」とは、「マイスター・オブ・ニュルブルクリンク(Mein Stern of Nürburgring)を意味している。

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