概要
飛行中の航空機に直接、燃料を給油すること。
戦闘機などの航続距離を延長する手段として重要である。
艦艇や爆撃機などの護衛を行う戦闘機や、長時間滞空して哨戒任務に当たる哨戒機には無くてはならない。
方式
大きく分けて3つの方式がある。
フライングブーム方式
給油機から燃料を供給するためのパイプを伸ばし、被給油側の機体の給油口に差し込んで給油する方式。(こら、変な想像をするなよ!)
米軍が多用する方式である。
給油機に搭乗したオペレーターが給油用パイプを操作することで位置合わせを行う。
このため1機ずつしか給油ができないが、反面大量の燃料を供給できるため爆撃機などの「動きは鈍いが大量の燃料を必要とする」機体に有利な給油方式である。
プローブアンドドローグ方式
先端に漏斗状のパーツの付いた給油用ホースを給油機に取り付け、被給油側の機体がそこに空中給油専用の給油口を接続する方式。
位置合わせは被給油側の機体操作で行われる。このため被給油側のパイロットにも技量が要求される。また、一回あたりに給油可能な量も少なめ。
但し「ホースを給油機からぶら下げておくだけ」なので、ホースの数さえ増やせば一度に複数の機体に給油できる。また、ヘリコプターへの給油も可能。
戦闘機などの小型でよく動き、それほど燃料を必要としない機体に有利な方式。
HIFR
飛行中のヘリコプターに艦艇から給油を行うための方法。
「飛行中のヘリに給油する」という意味で、立派な空中給油の手段の一つである。
艦艇と並行して飛行するヘリコプターが給油ホースを受け取るためのフックを降ろし、そこに給油用ホースを引っ掛けてヘリに引き上げ、給油口に空中で接続する。
「とりあえず給油用ホースさえあれば実施できる」という利点があり、哨戒ヘリには必須のテクニックである。各国の海軍組織でも「必修科目」の一つになっている。
余談
- 「バディポッド」という装備を使えばスマホ同士でmicroUSBを介して給電するケーブルの如く、戦闘機同士での空中給油もできる。口移しとかいうな。
- フライングブーム方式でも、給油用パイプの先端にアタッチメントを追加すればプローブアンドドローグ方式が前提の機体にも給油できる。