概要
牛型の宇宙人が人型の家畜を飼っている星に漂着した宇宙飛行士のお話。
文化や倫理観など人による価値観の違いと、肉食文化に対する強烈な皮肉が込められた作品。
直接的なグロシーンは全くないが、設定的にはかなりグロいので繊細な人は注意。
この作品が発表されたのは1969年と、ドラえもん以前の作品にも関わらず、40年以上たった今でも高い評価を受けている。
あらすじ
宇宙飛行士の主人公は、「イノックス星」に不時着し、美少女ミノアと出会う。
ところがミノアは実は人型の食肉用家畜で、彼女らを飼育しているのは
牛形の宇宙人だった。
ミノアに好意を抱いていた主人公は驚愕しつつも彼女を助けようと奔走するが
「おいしく食べられること」を誉れと考えている彼女とは話が噛み合わない。
そしていよいよミノアが祭りで食べられる日が近づく…
登場人物
主人公
原作では名無し。アニメ版では「立花」という苗字のみがついている。
ビーフステーキが好物。
宇宙船で事故に遭い、たった1人行き残りイノックス星に不時着。
助けてくれたミノアに惚れ、ズン類に食べられる事になった彼女を助けようと奔走する。
主人公を助け、彼と交流を持つ美少女。実は「ウス」の中でも特に最高級とされる育ちで
本人もおいしく食べられる事を誇りに思っており、逃げる様説得しつづける主人公とは
まったく会話が噛み合わない。
本作での設定
・イノックス星を支配しているのは牛のような容姿の「ズン類」で、人間のように見える「ウス」を食用、愛玩用などに飼育している。
・「ズン類」はおおむね理性的かつ文化的だが、宇宙船を飛ばす程の文明はまだない。一方で、「ウス」をおいしく食べるための「活け造り」の技術など妙なところで高いテクノロジーを持つ。
・地球人と酷似した「ウス」は言葉も通じ感情もあり、服なども着ているが、自分達が食べられる存在である事に疑問も持っておらず、むしろおいしく食べられることを誇りと考え同族で競い合っている。特に大祭の時に食べられる「ミノタウロスの皿」に選ばれることは最高の誉れであり、等級が落ちハムやソーセージや肥料にしかならないことを死以上の屈辱と考えている。